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「まずはパンケーキの作成だ!ジェルグお前が焼け!次に具の作成はジェルグ赤一号、お前の仕事だ。生クリーム、ジャム、カットフルーツを準備しろ!今回に関してはツナやソーセージの準備は必要ない!盛り付け並びにドリンク作成は、ジェルグ紫一号、お前がやれ!果実水、ホットミルク、ミルクティ、大人の分も必要なら、酒の使用も許可する。よし、かかれ!」


「「「イエス、ユアマジェスティ!」」」


避難民達は、大人子供も含め、最初のうちはその姿に警戒する姿勢を見せていたが、暴力的とも言えるその匂いや、彩り、味に打ち負かされ、それほど時間も必要とせずに、彼らを受け入れていた。


「神ちゃま、あの子達は料理が出きるの?」


「あぁ、今の俺の頭の中にあるかなりのレシピをインプットしたから、これまでに俺が作ってきたものなら、殆どが作成可能だと思うぞ。」


すると、ジェシカは急いでルリの所へと向かい、何やらこそこそと会話を交わすと、二人してニヤ~っと嫌らしい笑みを浮かべた。あまりにも簡単な答え合わせに、リュートは苦笑するしかなかった。


食事も終わり、誰もが幸せな笑みを浮かべ、ゆったりとした時間を過ごしている時に、突然、頭上からサブマシンガンのパラパラパラパラという乾いた音が響いた。


[陛下!神殿の正門に王国軍と思われる百名程の部隊が侵攻してきましたので、威嚇射撃を行いました]


「そのまま威嚇を続けろ。白と黒、俺とジェシカが上がる。」


そうドゥム小隊へと指示を伝えるのを聞いたと同時にジェシカは先行し、それに続いて黒に跨がったリュートと白が階段を駆け上がろうとした時、


「リュート、私と先生も連れていって!」


と、ルリの声が響いた。


「ここの護りは誰が責任を取るんだ?お前に王族としての責務はないのか?」


そんな冷めた目で見られたルリは、それ以上声を続けることができなかった。


「ジェルグ!お前達の小隊は、この扉の前を死守しろ。俺の許可があるもの以外は虫の一匹であっても入れるな!それでも入りたいという者は、俺の許可を取りに行けと伝えろ。それでも力ずくで入ろうとする者は、遠慮はいらない。排除しろ。」


「イエス、ユアマジェスティ!」


ーーー

礼拝堂へ到着すると、戦闘モードにチェンジしたジェシカとドゥムが、正門外側を観察できる窓から外部を確認していることに気付き、リュートもその窓へと移動した。


[赤一号機、黒一号機、灰一号機が神殿屋根に待機し、近づく部隊に威嚇攻撃を行っておりますので、現在の所、小康状態がつづいております。ただし、二十人程の歩兵が本隊と分かれ、神殿後方の湖の方へと移動したのが気になります]


「お前が気にしているのは、停めてある氷上魔道車だと思うが気にするな。ちゃんと自動防衛機能を稼働させてある。」


そうリュートが放すと同時に、湖の方から


ドガガガガガ


と凄まじいまでの爆裂音が聞こえてきた。


「ほら、お前らのマシンガンや狙撃銃が可愛く思える程の20mm機関砲の炸裂音だ。おそらく近づいた人間はまともな姿を留めていないだろうな。さぁ、奴等も動き出したみたいだな。ドゥム、屋根に待機している三機に01式軽対戦車誘導弾風対戦車ミサイルの使用を許可。奴等の真ん中にぶちこんでやれ!」


[イエス、ユアマジェスティ!]


[[[準備完了しました!]]]


攻撃(アタック)!」


その声と同時に屋根から低く籠った音が聞こえ、それと同時に屋根からその部隊に向けて、三本の白い筋が走り、


ドォォォォン


爆炎が部隊をなめ尽くしていた。


「ドゥム小隊、突撃!残存勢力を殲滅せよ!魔族を発見した場合は確保、五体の無事は問わない!行け!」


[イエス、ユアマジェスティ!]


「ジェシカは、俺とここに待機!非常時に備える。」


[イエス、ユアマジェスティ!]


十三機のドゥム小隊が、それぞれに逃走を図る兵士達に襲いかかり、確実に止めをさしていく中で、魔族確保の連絡が三度程入った。


[神殿への入り口付近に熱源を探知。見張りの兵士のようですが、逃走を図っていると思われます。指示をお願いします]


「ジェシカ!たの……」


[避難所警備のジェルグより報告します]



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