上中下の下
あぁ、と全てが腑に落ちる。
こいつは私をどうしたいのか考えるよりも、他の人がこんな目に遭わされたらどうなるかのほうが近道だったか、
そうか、こいつは私を鬼にしたいのか、
歩いていていきなり真っ暗になって、前後左右何も見えない、怖くてしゃがみ込んでしまう人もいるだろう、すると前の方からゆっくりと手を叩く音が聞こえてくる、始めはわけも解らず呆然としていても、腹が立つ音、ムカつく音で、憎しみから手を叩くのを止めさせようと動きだし、走り始め、憎悪に駆られて鬼になる。
そこでこいつがどうするかは解らん、斬るか、使役するか。
足が止まる。
手拍子にもブレが生じてきた。こいつはなんで止まるんだ、なんで怒りをしめさないんだ、ということか。
もとの通路だとあと四分の一くらいで端か、改めて手拍子に集中すると、私より背が低い奴なんじゃないかという気がする。
ゆっくりと力強く足を動かし、集中を高く保って距離を詰める。
光がなくても目の前に立てば、どんな奴かは解る。
子供だ。手を叩くのを止めた。
こいつの右手左手をそれぞれ掴む。
この話はこれで終わりです。