表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あたい賢者になるっ!  作者: 今野 春
二章 ひよっこ賢者の決意
14/22

十三話 あたい・・・・・・見られた

「おはようございます・・・・・・」

「ヒヨちゃん。おはよう。よく寝付けたかの?」

「あんまりでした・・・・・・」


お師匠様のことが心配で、なかなか寝付けなかった・・・・・・というか、一睡もできていない。

どれだけあたいはお師匠様のことを・・・・・・。


「わしはちょっと出かけてくるでの。ヒヨちゃんはここでゆっくりしていくといい。・・・・・・家が気になるなら、その間に行ってきな」

「はい。ありがとうございます」


目をこするあたいを見て、ルトンさんが難しい顔をした。それからすぐに扉から出ていった。

さて、じゃああたいは何をしよう。

・・・・・・お家を見に行こう。それ以外、することもないし。・・・・・・何もされていないといいな。

 あ、あとお風呂にも入ろう。昨日はそんなこと頭になくて、入らなかったから。

 あたいは、魔法で薪を燃やして湯を沸かす。そして、ゆっくりと湯に浸かって今後のことを考える。

 みたいなことは、すぐに頭の中から消えた。


「はぁ〜・・・・・・。気持ち〜」


 この二言に尽きるわ。やっぱり、お風呂っていいわね・・・・・・。

 お湯の中に漂う自分の青い髪を弄りながら、もう一度息を吐いた。

 そうして身も心も癒されたところで、あたいはお風呂からあがる。そして、服を着る前に髪を風の魔法で乾かしてーー


 ガチャッ。


 お風呂場の扉が開いた。そしてーー


「・・・・・・」 

「・・・・・・」


 扉の取っ手を握ったまま硬直するジャンと目が合った。

 あたいの中で時が止まる。


「・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・すまん」


 ジャンの顔面に思いっきり水の魔法を撃った。


 バタンッ! と、勢いよく扉が閉まる。

 ・・・・・・見られた。

 あ、あたい、裸見られた?!

 そう理解した途端、とんでもない恥ずかしさが体を襲う。

 な、なんでジャンがルトンさんの家に?! というか、いつ入ってきたの?! 音しなかったし・・・・・・。待って、あたい今どうやって魔法使ったの?! え、詠唱してないのに・・・・・・ああ、もう!

 あたいは、力任せに思いっきりくしを床に叩きつける。


「もう! 最悪!」


 顔が火照るのを抑えるのに時間がかかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ