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元ヒロイン?だった現モブ男です!  作者: 狗神狼
第1章 出会いと準備
8/15

魔力について

今回は魔力についてのお話です。


それではどうぞ。

「魔力は毎日使い切るようにしろよ」

「なんで?」


 魔法小説でよくある「使い切れば少しずつ魔力量が増える」というヤツだろうか?

 そうアマーレンに聞けば「それはない」と即答された。


「魔力量は皆生まれた時点で保持量に差はあれど決まっている。故に、使えば使う程魔力が増えるなどといった都合のいいことは有り得ない。が、使うことでその分の魔力を発動しやすくすることができるようになるんだ」


 アマーレン曰く、「人の体が動かなければ体力や筋力が落ちるのと同じように、魔力も使わなければ段々と衰えていく」らしい。


「魔力を使わなければ、体は無意識のうちに使わなかった分の魔力を必要ないモノと判断し、『これ以上は必要ない』と勝手に制御するようになってしまうんだ」

「それじゃあ、世間でよく聞く『使えば使うほど魔力が増えた』っていう話は……」

「無意識のうちに制御していた魔力が使えるようになっただけで、元から持っていた魔力量は一切変わっていない。まあ、今まで苦労していた魔法が回を重ねる程に発動しやすくなっていけば、『練習するうちに魔力量が増えた』と勘違いしても仕方のないことなのだろう」


(なんてこった)


 何処か呆れた様子で説明される内容に「確かに」と納得する。

 小説の中でも、主人公がよく修行で魔力を増やす場面が描かれているが、ある一定の期間が経てば「今尚魔力が増えている」といった表現はなくなり、「今ある魔力で如何に強い魔法を発動させるか」といったモノに変わることが多い。

 なかには「自分の限界まで魔法を増やした」といった風に書かれているモノもあるが、「限界がある」という時点で、その魔力は「元から体にあったモノ」と捉れないこともないだろう。

 第一、魔法を使い切ることで魔力量が増えるなら、小さい頃から魔法を使って生活しているただの村人、例えば村人Aの場合、彼がポッと出の主人公よりも魔力量が少ないというのは明らかにおかしいというものである。本来なら、村人A自身が物語の主人公並みに魔力量を保持しているか、主人公よりも多い可能性の方が高いだろう。

 それを元に、村人Aは元からの魔力保持量が少なく、既に限界を迎えているのに対して、主人公となる人物は元からの魔力保持量が人よりも多かったと仮定して考えれば上手く説明がつく。


(捉え方一つでここまで違うのか……)


 感心しつつも、しかしそれ以上に僕が驚いたのはアマーレンだ。彼が「魔力量が増えた」と勘違いしなかったのは何故だろうか?

 その疑問を口にすると、アマーレンは苦笑いをしながら「最初はしたさ」と答えた。


「しかし、長年魔法を使っていくうちに違和感を感じてな。いろいろ調べてみたり、試していくうちに今の考えに行き着いたんだ」


 少し恥ずかしそうに語る彼が、ここまでくるのに経験したであろう苦労を思うと、素直に尊敬する。


(しかし、長年って……)


「1つ聞いていい? アレンっていったいいくつなの?」


 見た目や口調から少し上くらいだろうと思っていたが、実際はそれなりの年なのかもしれないと確認してみれば、「25歳だ」と何の面白味もない返答が返ってきた。


「それがどうかしたのか?」

「いや、『長年』なんて言うから、もしかしてかなりのご老体なんじゃないかと思って……」


 そう口にすれば、彼は「なんだ、そんなことか」と特に気にした様子もなく説明してくれた。


「俺は、気づいた時には魔法宮で魔導師相手に修行をしていたのでな。記憶しているものとして、最低でも22年は魔法について学び、研究をしているんだ。そう思ったら『長年』と表現してもおかしくないだろう」

「それは、そうだね」


 現在25歳で魔法宮には22年前から居た。ということは、少なくとも3歳から王宮で生活していることになる。


(と、いうことは――)


 アマーレンは光か闇の魔法の使い手なのだろう。彼なら両方使えるという可能性もありそうだが――。


(まあ、僕にはあまり関係のない話か)


 これ以上考えても仕方のないことだと考えることを中止し、今からしまければならないことに思考を向ける。


「もうそろそろ夜になる。僕はこれから夕食の支度をしようと思ってるけど、せっかくだからアレンも食べてく?」


 時計がないので正確な時間はわからないが、たぶん世間ではもう夕食の時間だろう。

 もし彼が「食べていく」と言っても、食材は十分にある(なくても獲りに行けばいい)ので問題はない。

 しかし、アマーレンは首を横に振って「今回はやめておく」と言った。


「これから、魔法宮でやることがあるのでな、またの機会によろしく頼む」

「そう。それじゃあ」


 アマーレンの傍から1歩離れると、彼は「次は2日後に来る」と言い残して帰っていった。


(ああ、そういえば、今日はいろいろとやらかしたのに、結局何も聞かれなかったなぁ)


「まあ、それならそれでいいか」と夕食の用意に取りかかることにした。



思いつきで投稿しているので後々訂正することが多いです。すみません。

これからも頑張りますので温かい目で見てくれると嬉しいです。

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