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ログアウトブレイバーズ  作者: 阿古しのぶ
序章・エピソード1
8/128

8.彩乃

 今日の東京は一日雨模様。


 明月琢磨は仕事を終わらせ、

「お先に失礼しまーす」

 と鞄を持ち席を立った所で、立川奏太が琢磨に話しかけてきた。


「明月、お前、飯村ちゃんと最近なんか良い感じらしいな」

「えっ?」

「社内でちょっとした噂になってるぞ。これからデートか?」

「そんなんじゃありませんよ!」

 と顔を赤くする琢磨。


「ま、あんまりハメ外しすぎんなよ」

「わかってます。それでは失礼します」


 会話が終わり、琢磨は一階に降りる為にエレベーターへと向かおうと足を運ぶ。


「あー、明月、ちょい待ち」


 再び奏太に呼び止められ、琢磨は振り返った。


「なんですか?」

「今、世間を騒がせてるコンピューターウイルス。なんつったか、サマエル? あれ、マジでやばいらしいぞ。うちが作ったシステムも被害にあったみたいで、システムエンジニアは徹夜続きって話だ。お前も、パソコンとかスマホとか、気を付けろよ」

「大丈夫ですよ」


 琢磨はコンピューターウイルスの被害にあった事が無い絶対的な自信で、奏太に笑顔でそう答えるとエレベーターに向かった。


 エレベーターに乗り込むと、スマホをスーツの胸ポケットから取り出し、インターネットやSNSでWOAの情報を確認する。

 案の定、DMデストロイヤーを日本人プレイヤーが倒す快挙の話題で盛り上がっていた。様々なネットゲームの情報を提供する大手ニュースサイトで、ご丁寧にスクリーンショット付きで記事も載せられており、その記事の閲覧数は十万を超えていた。


 その記事は『魔法剣士による起死回生十五連撃! そしてクノイチの桁外れ百万ダメージが勝負を決めた!』等と盛られた内容ではあるが、スクリーンショットがある所から、あの時のパーティーメンバーの誰かが情報提供したと思われる。幸いキャラ名まで晒されてないのが琢磨にとっては救いであった。

 琢磨は次にインターネットでデストロイヤーから手に入れた魔石フォビドンについて検索するが、情報は出てこなかった。大手攻略サイトにすら情報が無い。


 デストロイヤーとの戦いの後、他のメンバーに聞いたが、どうやらドロップしたのは琢磨だけであった。

 いったい何のアイテムなのか、ツイグラムでそれとなく聞いてみても有力な情報は得られなかった。


 ワールドオブアドベンチャーでは、こう言った事も珍しくは無い。発売当時からこのゲームのキャッチフレーズは『無限の可能性を探すMMORPG』となっており、モンスターやアイテムの種類の豊富さは細部まで作り込まれ、十年経っても未発見のアイテム、モンスター、クエスト、スキル、職業に至るまで多く存在し、それらは都市伝説の様に扱われる事も多い。

 その原因として、アップデートが行われた時は一部の大々的なイベントを除き、基本的には運営は秘密主義を貫いており、実装したダンジョンやアイテム等を公表しない徹底ぶりがある。大型アップデートがある度にプレイヤーは何か新しい事が増えてるのではと、町やフィールドを散策しに行くのが恒例行事とされ情報交換も盛んに行われる。

 きっとこの魔石フォビドンは、運営がこっそり実装した何かのアイテムなんだろうと琢磨は思った。


 ビルの入口で琢磨を待っていた飯村彩乃は、スマホを見ながら歩く琢磨を発見して声を掛けた。


「明月先輩!」


 名前を呼ばれ、スマホから目を離す琢磨。


「あ、ごめん飯村さん、待たせたね」

「いえ、大丈夫です! 行きましょう!」

 ニ人はビルの外に出ると、東京に降り続く夜の雨が出迎える。傘を差し、ニつの傘を並べて歩く。


「パソコン買うなら秋葉原が良いけど、まぁそんなにこだわらないなら大きい電気屋でいいかな」

 と琢磨は近くの大型店舗を指差した。


「なんか、ワクワクしますね!」


 本当に楽しそうな笑顔を向ける彩乃は、こんななんて事もない買い物を本気で楽しみにしている様だった。


  そんな彩乃を見て、この子であればジーエイチセブンが言っていた様なWOAを楽しむ素質を持っているのではないかと、琢磨は思った。


 電気屋の入口にクレープ屋を見つけた彩乃が、

「クレープ食べましょう!」

 と一目散に駆け出し、クレープを選び始めた。


  彩乃はイチゴチョコクレープ、琢磨は宇治金時クレープを買い、ニ人仲良くそれを口にして頬張った。彩乃の口元にホイップクリームが付いていたので、琢磨は身振りでそれを教えてあげると、彩乃は少し恥ずかしそうに手で拭った。それを見て琢磨が微笑む。

 お互いにクレープを食べ終わり電気屋の中に入る。


 入ってすぐ、スマートグラスのコーナーの前を通った。スマートフォンと眼鏡が一体化したスマートグラス、その最新型が大々的に売り出されている。

 それを見た彩乃が興奮しながら琢磨に話し掛けた。


「あ! あれ今朝ニュースで見ました! 予約しないと買えないってやつですよね!」

「興味あるの?」

「まぁ……少しは。でもまだ度が入ったスマートグラスって売られてないですし、高いですよ」

「僕はどうかと思うけどね、その……町に目も悪く無いのに眼鏡掛けた人達が溢れていくなんてさ」

「それもそうですね」


 そんな会話で盛り上がりながら、エスカレーターを上がっていく。

 エスカレーターの途中で掲示されている電子POPは、前を通る人間をスキャニングして、その人が興味がありそうな広告を表示する。原理はよくわからないが、今話したスマートグラスやWOAの広告が表示されたので、ニ人はつい目が行ってしまうのであった。


 三階にあるパソコンコーナーにやって来ると、ノートパソコンからデスクトップパソコン、カードパソコンと言う最新機まで綺麗に並べられている。

 早速近くに見えたノートパソコンの値段を見て目を丸くする彩乃。


「うわぁ! たっかい!」


 そんな彩乃を横に、琢磨は周りを見渡しWOAの電子ポスターを見つけた。それはワールドオブアドベンチャーのコーナーで、彩乃の肩を叩き、彩乃が振り向くと琢磨はその方向を指差した。

 彩乃は目を輝かせて、そっちの方向へ駆け出し、WOAコーナーに置かれているデスクトップパソコンを適当に触り出す。

 琢磨はそんな彩乃の背中を見ながらも、今どんなパソコンが売られているのかと、WOAコーナーのパソコンを確認する。

 どのパソコンも画面にはWOAのプロモーション動画が流れている。

 最近日本で普及してきたホログラフィーによりWOAのキャラクターが等身大で立っているのも目に付いた。

 彩乃は適当にインターネットを開いたり、フォルダを開いたりして操作感を確かめている。


「凄い! サックサク動くんですね! 私のパソコンとは大違い!」

「今時いつのパソコン使ってるんだ……あ、そう言えば、予算はいくらなの?」

 と琢磨は問う。


「うーん。覚悟して買いに来たから、それなりの金額はだせますよ」

「それなりって……」


 WOAコーナーでも、一番目立つ所に設置されたWOA最強モデルと謳われたニつのデスクトップパソコンがある。近未来的な少し変わったデザインをしており、サッカーボールの様な丸型でコンパクトだ。一つが黒、もう一つは緑色である。

 琢磨はそのパソコンに近寄ると、スペックが記載されたPOPを確認する。

 正直、琢磨が使っているパソコンよりも遥かに上。超最新型のCPUも積まれていて、まさかこんな代物が電気屋に並んでいる事に琢磨は驚いた。


「これ可愛い!」

 と彩乃も近寄って来て、丸型のパソコンを撫で始めた。


「いや、確かに良いスペックだけど、過剰過ぎる……かな。値段もさ……」


 止めに入る琢磨とは裏腹に、

「私、これにします!」

 と緑色のパソコンを指差す彩乃。


「えっ!? しかもそんな色にするの!?」

「はい! ビビってきました!」


 彩乃は迷いなく、店員さんを探しに行ってしまった。

 その行動力の高さに呆れながらも、琢磨はすぐ横に置いてあるホログラフィー装置に目が行った。WOAのキャラクタークリエイト例を見せる様な形で、三十秒感覚でキャラクターの映像が切り替わる仕組みになっている様だ。

 琢磨はそのホログラフィーに近づくと、まじまじと見つめ、その技術の高さに改めて感心していた。


 その時。


 ホログラフィーが映し出すキャラが切り替わり、見覚えのあるキャラクターが表示された。


 黒髮短髪、赤い瞳、背が低くて、赤と黒の忍び装束。


 琢磨がクリエイトしたキャラクター、サイカに瓜二つのキャラクターがホログラフィーで映された。


 そして琢磨と目が合う。


 突然の出来事に、琢磨はしばらく唖然としたあと、思わず手でサイカに触れようとゆっくり手を伸ばす。

 サイカの頬に触れようとした琢磨の右手は、すり抜けた。そして、他のキャラクターへと切り替わってしまう。

 それから、しばらくホログラフィー装置の前で琢磨は待ってみたが、サイカが映し出される事は無かった。


 その間にレジで会計まで済ませた彩乃が大きな袋を両手に持ってやってきた。


「おまたせしました!」


 どうやらディスプレイやキーボードとマウス、そしてコントローラーまでセットで買った様で、かなりの大荷物となっている。


「郵送にすればいいのに」

「ダメです! こう言うのは頑張って持って帰るのが醍醐味です!」

「外、雨降ってるよ」

「あっ……」


 雨が降っていたことをすっかり忘れていた彩乃は、失敗したかもと言う顔をした。


「しょうがないな。持ってくの手伝うよ」


 そう言うと琢磨は一番重たいであろう、パソコン本体の箱が入った袋と、ディスプレイが入った紙袋を彩乃から受け取る。


「ありがとうございます、先輩」

 と彩乃は笑顔で琢磨の横に並び、ニ人は歩き出した。


 帰りは遠回りして、彩乃の最寄り駅まで荷物運びを手伝う事にした。

 電車の中で、VRゴーグルの広告が目に付いた琢磨は彩乃に質問する。


「パソコン買う時、店員さんにVRゴーグル勧められなかった?」

「え? あー、勧められましたよ。ゲームやるならあったほうがいいって」

「やっぱり。最近VRの押売りみたいなの流行ってるみたいだからさ。でもそれは買わなかったんだね」

「VRはやった事何度かあって、凄いは分かるんですが……あれ長時間やってると疲れるんですよね」

「それな」


 目的の駅まで着くと、そこからはタクシーで運ぶ事になり、タクシー乗り場までやってきたニ人。

 彩乃はタクシーのトランクに荷物を積むと、琢磨の方に向く。


「これから帰って部屋に設置して、ゲームインストールします! それで明日は祝日で休みですし、一日付き合ってくださいね先輩」


 そう言い彩乃はタクシーの後部座席へ乗り込み、見えなくなるまで窓越しに手を振ってきたので、琢磨も手を振り返した。

 やがてタクシーも見えなくなり、再び駅に向かい歩き出す琢磨。夜空を見上げるも、雨はまだ止みそうに無かった。



 *



 首都ゼネティアの初心者訓練場前、サイカは階段に座り人を待っていた。

 この初心者訓練場は、新しくゲームを始めたプレイヤーが最初に降り立ち、中で一通りのチュートリアルを受けて合格を貰わなければ出てこれない。

 そんな初心者をギルドに誘うべく、複数のプレイヤーが他にも待機している。中にはギルドの宣伝文句を書いた看板を持っている者もいた。

 更には今日はアップデートがあった為、プレイヤー達は皆賑やかだ。


 プレイヤー達はNPCに話しかけて新しいクエストが無いか探す者、アイテム屋に新しいアイテムが追加されていないか調べるもの、パーティーを組んで首都周辺を探索する者、アップデート一つでここまで活発になるのは秘密主義アップデート様々である。

 特に新しく発生したダンジョンの情報をマッピングして、それをプレイヤーショップで売るのは儲けになる。先日、サイカ達が攻略したヘルリザードマンが生息するダンジョンも、その情報を売ればそこそこの儲けになったはずだが、クリアしてしまったので今頃世界の何処かに移ってしまっている。


 サイカは裏でツイグラムの情報を確認していて、面白そうなモンスターの発見情報などを見て、ワクワクしているが、この場を離れる訳には行かなかった。今日は一日初心者のサポート、そう決めたからだ。


 そこに髭面の男剣士ジーエイチセブンと、女魔剣士のリリムが通りかかり、ジーエイチセブンがサイカに声を掛けてきた。


「おー、サイカじゃないか」


 だがサイカの反応が無い。


「なんだ、離席中か?」


 するとサイカはやっと自分が話しかけられてる事に気付いた。


「ごめんごめん。裏作業してた。こんにちは」


 今日のジーエイチセブンは盾ではなく、大剣を背負っている。


「ここで待機してるって事は、初心者待ちか?」

「うん、リアフレが始めるって言うんで、待ってるとこ」

「へぇ。サイカにサポートしてもらえるなんて羨ましい限りだな」

「お世辞はいいよ。それで、ジーエイチセブンさんはなにを?」

「こいつと今から冒険に出るところだ」

 と、ジーエイチセブンはリリムを見る。


「あの時の七色剣士さん、こんにちは」

「ども」


 お辞儀するリリムは、先日のデストロイヤー戦で大活躍して以降、身内の間ではちょっとした人気者となった。


「知り合いだったんだね」


 そう言いながらサイカはジーエイチセブンを見る。


「知り合いも何も、俺の息子だからな」

「む、むすっ!?」


 衝撃の事実に思わず変な声になってしまったサイカ。

 背はサイカと同じくらい、紫の長髪でツリ目、そんな何処か可愛らしく凛々しくもあるエルフ族のリリムが、こんな髭面のおっさんキャラの息子とは、やはりネットゲームは恐ろしい。そんな事を思いながらリリムを見つめるサイカに、ジーエイチセブンは話を続ける。


「詮索されるのも面倒なんで、基本的には内緒にしてる事だ。他言無用にしてくれ」

「じゃあなんで僕に?」

「リアフレと会うって情報をくれたから、等価交換だ」


 そんな事を言いながら、ジーエイチセブンはサイカにウインクする。

 そこでサイカに一つの疑問が生まれた。


「えっと、ジーエイチセブンさんはいくつなの?」

「いくつに見える?」


 質問を質問で返したジーエイチセブンは不敵な笑みを浮かべている。


「えっと……四十五?」

「残念ながらハズレだ」


 はぐらかされてしまったが、リアルの詮索は失礼に当たる為、サイカはそれ以上問い詰める事はしなかった。

 そこでジーエイチセブンは、逆にサイカへ質問する。


「そう言えば、例の魔石は何かわかったのか?」

「情報無し」

「そうか、未確認アイテムは下手に売る事もできないから、倉庫の肥やしだな」

「しばらくは倉庫に預けずに記念に持っておく事にするよ」

「持ってるだけで隠し効果があるって言うアイテムもあるからな、それも有りだろう。それと、もう知ってるだろうが、明日から一週間、首都対抗戦がある。俺たちは参加するが、お前さんも参加するんだろ?」


 首都対抗戦、各都市の近くに四つの砦が出現して、それを守りつつ、他の都市の砦を攻めると言うイベントで、その期間中、その砦周辺ではPKペナルティが発生しなくなる。プレイヤー全員が協力しなければならないイベントの一つである。


「シノビセブンが参加するなら、僕も参加する事になるだろうね」

 とサイカが答えたところで、リリムがジーエイチセブンの肩を叩く。


「おっと、そろそろ行かないとな。それじゃまた」


 そう言うと、ジーエイチセブンは歩き出し、リリムも後ろを黙ってついていく。


「いってら」


 サイカはニ人に声を掛けつつも、ニ人の背中を見えなくなるまで眺めた。

 親子でMMORPGをプレイすると言うのは、今では珍しくも無いのだろうが、サイカは実際にそう言ったプレイヤーに会ったことが無かったので、不思議と暖かい気持ちになっていた。


 それからどれくらい経っただろうか、初心者訓練場の門がゆっくりと開かれる音を聞き、サイカは思わず立ち上がって門を見た。


 そこにはレベル一の亜人族のプレイヤー、職業は見習い。銀色の長い髪をなびかせ、キラキラと眼を輝かせた少女がそこに立っていた。褐色の肌、そして頭に二本生えた黒いツノ。


 名前は……アヤノ。


 サイカはその分かりやすい名前を見て、呆れ顔になってしまう。

 アヤノは人を探すように、周りを見渡し、やがてサイカの事を見つけると手を振りながら駆け寄ってきた。


「おまたせしましたー!」

「ど、どうも」

「おお! なんか忍者って感じですね! そしてめっちゃ可愛い! 先輩、こう言う子がタイプなんですねぇ」


 舐め回す様にサイカの外見を見るアヤノ。

 すっかり忘れていたが、こうやってリアルの知り合いとサイカで会うのは少し気まずい。リアルは男なのに、キャラは女。珍しい事ではないが、それでも恥ずかしさはあった。

 サイカは自身の外見から話題を外らす。


「亜人にしたんだね」

「そうなんです! 小人族と迷ったんですけど、でもやっぱり褐色肌がいいなって思って! どうですか? 可愛いでしょ!」



 このゲームWOAでは、最初のキャラクタークリエイト時に六種類の種族の中から一つ選ぶ様になっている。人間、エルフ、獣人、亜人、小人、精霊。これは見た目だけでなく、ステータスや覚えるスキルにも影響を及ぼす。特に亜人、小人、精霊の三種族は癖が強くかなり難易度が高く、キャラクタークリエイト時に選び直す事を勧められるのもあって選ぶ者もほとんどおらず、不人気な種族の一つが亜人族だ。

 ちなみにサイカは人間族、ジーエイチセブンも人間族、ワタアメは獣人族、リリムはエルフ族である。


「亜人、結構難しいって言われてるけど大丈夫?」


 サイカは心配するが、アヤノは楽しそうだ。


「なんとかなるなる!」


 こうやって改めてゲーム内で会話してみると、ワタアメに雰囲気がよく似てる事をサイカは実感する。


「わかった。とりあえず、このゼネティアの町を案内するから付いてきて」

「オッケー!」




 まずはクエスト案内所にやってきたサイカ。ここはプレイヤーのレベルに応じた、日替わりクエスト、月替わりクエスト、期間限定クエストを受注する事が出来る。主にモンスター討伐、採取、採掘、NPCへの配達などで、経験値も通貨もそこそこ多い為、初心者にお勧めだ。


「やる事に困ったらここに来るといいよ」

「なるほどなるほど」


 次にニ人がやって来たのは、ゼネティアで一番の市場通り。様々なNPCが販売をしており、品揃えは日替わりで変わる。実はレアアイテムが普通に売り物になってる場合も多く、NPCの店だからと馬鹿にはできないところだ。在庫と言う概念もあり売切れもあるのと、セールなどが行われる事もある。それでいて品揃えが変わる時間はランダムになっているから、実はこの市場にて儲け目的にずっと待機しているプレイヤーも多い。

 この市場にはNPCに商品を預けて売ってもらうプレイヤーショップの受付もあり、プレイヤーショップを調べて買えるNPCも存在する。そして、プレイヤーが自ら店を開きアイテム販売もできる。


「何か欲しいアイテムがある時はここに来るといいよ。あとモンスターが落としたアイテムで、いらない物はとりあえずプレイヤーショップに出す癖をつけた方がいいね」

「人がいっぱい! なんか見てるだけでも楽しいですね!」




 次に出向いたのは交流広場と言われる場所だ。緑豊かな公園で、名の通りプレイヤー同士が会話をしたり、パーティーやギルド勧誘等で盛り上がっている。別名として、出会いの場なんて言う人もいる。こう言った広場がゼネティアには三つほど存在しており、待ち合わせスポットとしても活用されている。


「ここは、初心者の内はあんまり来る事ないだろうけど、ネトゲの醍醐味みたいな場所だよ」

「ここも人がいっぱいで賑やかですね」


 次の場所に向かう最中、大きな建物の前でアヤノは足を止めてそこを指差すと、

「これはなんですか?」

 とサイカに聞く。


「そこはコロシアムとカジノだね」


 コロシアムはその名の通りプレイヤー同士が戦う場所で、ソロ戦、タッグ戦、チーム戦等で毎日の様にプレイヤー達が腕試しをしている場所である。公式にてトーナメント戦も行われる事があり、その際はプロの実況と解説付きでインターネット生配信もされる。更に観戦者はどちらが勝つか賭ける事が出来る事や、地下にあるカジノでもスロットやモンスターレース等が楽しめる為、一攫千金の夢が詰まった場所だ。


「初心者にはオススメしないけど、コロシアムの試合は見てるだけでも楽しいから、暇な時は来てみるといいよ」


 実は対人戦に強いクノイチであるサイカは、公式トーナメントのソロ戦で準優勝した経験がある事については語る事は無かった。




 次にニ人が訪れたのは、職業紹介所。その名の通り、転職を行う場所である。

 このWOAの職業は、初心者が最初になっている見習い。そして見習いをレベル五まで育てるとなれる基本的な職業が、剣士、槍術士、騎士、格闘家、弓使い、魔法使い、盗賊、商人の八種類。

 そこから一定の条件を満たす事で新たに選べる様になる派生職業が、十六種類ほどある。

 更に未だに条件が特定されておらず、運営の気まぐれで選ばれてるとまで噂されている隠し職業が十二種類有り、サイカのクノイチはこの隠し職業の内の一つだ。

 それでいて、同じ職業でも種族によってステータスの上がり方や、覚えられるスキルが変わってくるのだから奥が深い。

 転職は何度も行えるが、職を変えるとレベル一に戻される事もあり、経験値テーブルが厳しいWOAでは気軽にできる様な事では無い。


「ここで職業を変える事ができるけど、何になるかはよく調べて自分がやりたいのをやるといいよ」

「先輩は何の職業なんですか? 服装的には忍者って感じですけど」

「僕は……ちょっと特殊だから参考にしないほうがいい」

「そうなんですか。ううん、悩みますね」

「見習いはまずレベル五にしないといけないから、それまでゆっくり考えておくといいよ」

「わかりました!」




 その隣にある、訓練所にも立ち寄る。ここはレベルが上がる度に貰えるスキルポイントとステータスポイントを振り分ける事ができる場所なので、レベルが上がる度にお世話になる施設だ。

 ステータスは、レベルが上がった際に職業と種族毎に特有の上がり方をするが、それとは別にプレイヤーがステータスポイントを振り分ける事ができる。


 STR(腕力)AGI(俊敏性)VIT(生命力)DEX(器用さ)INT(知力)LUK(幸運)の六種類のステータスがあり、基本的には一つ又はニつに偏って振る事がセオリーだ。

 バランス型の人間種族であるサイカの場合はSTRとAGI、少しのDEXと言った形で振り分けている。


 スキルに関しても本当に様々なスキルがあるが、基本的には戦闘スタイルによってもっとも効率が良い型が決まっている。

 キャラクターのレベルとスキルのレベルによる派生で覚えられるスキルの他に、隠しスキル、通称『固有スキル』と呼ばれる会得条件不明のスキルも数多く存在する。固有スキルについては運営側がプレイヤーのプレイ状況を見て、ゲームマスターが振り分けていると明言している。つまりは長くプレイしている人、何かで活躍した人、プレイマナー等で総合的に判断され、ゲームマスターから貰える勲章の様な物だ。これにより、固有スキルと言うロマンを夢見るプレイヤーは多く、一定の秩序が保たれていると言っても過言ではない。


「ステータスやスキルについては、職業と種族によって大きく違うから、やる時はネットで調べてからやるんだよ。一応、課金で振り直しもできるけど、勿体無いからさ」

「ふむふむ。なんだか難しそうですね」


 サイカは固有スキルを一つ持っているのだが、それはまだアヤノに話す事ではない。

 次は死んだ場合の復活地点となる教会に向かうサイカ。また途中でアヤノは何かを見つけて足を止めた。


「先輩! これなんですか?」


 そこには女神の像があり、プレイヤーが赤や青の水晶石を女神の手に置くと、置いた水晶石が輝きを放つと共に置いたプレイヤーにアイテムがドロップされる装置。その女神像の前で、集まったプレイヤー達が泣いたり喜んだりしている。


「それは課金ガチャってやつ。リアルマネーでやるギャンブルみたいなものかな。闇だからあんまり手を出さないほうがいいよ」

「闇?」

「僕が着てるこの忍び装束、そのガチャで排出率アップのイベントがあった時に狙って当てたんだけど、十万使ったと言えばわかるかな」

「うげぇ。確かこのゲーム月額課金制なんですよね。無慈悲な商売と言うかなんと言うか……そこまでしなきゃいけないんですか?」

「課金ガチャに関しては別にやらなくたって強くなれるよ。ただし、課金ガチャには悪魔が潜んでいる。やってればその内わかる」


 ちなみに隠し職業のギャンブラーは、このガチャで出る事があるらしい。




 そんな会話をしながら、プレイヤーが死亡した際の復活地点となる教会の前にやって来る。とても大きな教会で、中から続々とプレイヤーが悔しそうな表情で出てくるのが見えた。


「ここが教会。モンスターにやられたりして、HPがゼロになるとここで復活するんだけど、デスペナルティがある。衰退って言う全てのステータスが三分の一になってしまう状態異常が一時間付く上に、その間は走れず、スキルも使えなくなるから、実質ここで復活したら一時間休憩する事になる」

「じゃあ死んだら誰かに復活してもらった方がいいんですか?」

「それが、蘇生アイテムや魔法はこのWOAには存在しないんだ。都市伝説としてはあるって話も聞いた事あるけど、僕は見たことないな」

「そんなぁ」

「ある意味、モンスターやボスに対してゾンビアタックみたいな事ができないから、その緊張感がプレイヤーに評価されてる部分でもあるけどね」




 続いて教会からすぐ近くにある居住エリアに足を運ぶ。そこは沢山の建物が並び、まさにヨーロッパの住宅地と言った風景が広がっており、それが一望できる高台にやって来た。


「うわ! なにこれ! 凄い!」

 と大喜びするアヤノ。


「ここから見える建物は購入する事で、マイホームに設定できるんだ。買うとなると馬鹿みたいに高いけどね」


 一アカウントに一つまでと言う制限付きだが、ゲーム内通貨で建物ごと買う事ができる。立地や間取りによって値段も大きく異なるが、初心者では到底手が出せない値段設定だ。自由に家具を置いて自分の部屋にしたり、ギルドの拠点にしたりする事が主な目的だが、賃貸システムで稼ぎとして利用する事も可能になっている。


「先輩の家はあるんですか?」

「僕は無いよ。マイホーム買うくらいなら、強い装備欲しいから」

「えー、それは残念です」

「とまぁ、町の案内はこれくらいかな。ここ首都ゼネティアは、日本の関東エリアのプレイヤーが多い町なんだ。他にもこう言う首都が五十箇所ある」

「えっ、こんな広い町がそんなに?」

「町だけでなく、フィールドも現実と同じくらい広くて、小さな町や村も沢山あるから、たぶん全部拝める事は無いと思うよ」

「確かこのゲームって三十カ国で流行ってるゲームなんですよね」

「そうだね」

「例えばアメリカのプレイヤーと会う事ってできるんですか?」

「アメリカ? 確かアメリカの首都は地域によっていくつかあるけど、それこそ馬や船を使って行くのに一ヶ月は掛かるかも。旅をしてゼネティアまで来る外国人はたまに見かけるね。でもなんでアメリカ?」

「なんか、この町を見てたら、昔、アメリカに留学した時の事思い出しちゃいまして、懐かしいなーって」

「留学かぁ。凄いね、アヤノさんは」

「アヤノでいいですよ。さ、そろそろモンスター倒しに行きましょう!」

「うん、そうだね」




 サイカとアヤノは首都ゼネティアの正門からフィールドに出ると、まずは手頃なレベル一モンスターであるスライムを見つけ、それを倒す事にした。


「スライムなら楽勝です!」


 そんな事を言いながら、意気揚々とアヤノは訓練所で貰ったノービスソードを片手にスライムを攻撃する。

 スライムのHPを僅かに削り、すぐにスライムが反撃してくると、アヤノのHPが大きく減る。


「えっ!? なにこれ!?」

 と、アヤノが驚く。


 ただ攻撃して、モンスターの反撃を受けてを繰り返せば勝てるほどこのゲームは初心者に甘くは無い。

 同じレベル一同士の戦いでも、スライムの方が与えるダメージが大きいのだ。


「先輩! このスライム強いです〜!」


 剣をぶんぶんと振り回し、適当な攻撃をするアヤノを見て、このままでは早速死んでしまうと判断したサイカは、今アヤノが相手をしているスライムを蹴っ飛ばした。

 サイカに蹴っ飛ばされたスライムはHPが一瞬でゼロになり、空中で消滅する。


「アヤノさん。防御と回避って初心者訓練場で習わなかった?」

「えっと、こうですよね」

 と左手に持ったノービスシールドを構える。


「そう。攻撃したら防御する。防御したら攻撃する。まずはそれで戦ってみて。たぶんギリギリ勝てるから」

「わかりました!」


 そして次のスライムを早速攻撃しようとするアヤノを見て、サイカは再びそのスライムを蹴っ飛ばして消滅させた。


「アヤノさん、自分のHP見て」


 アヤノのHPは半分を切っていた。


「あ、そうか、回復!」


 アヤノは初心者訓練場で配布されたポーションを取り出し、それを飲むとHPが全回復する。

 そして再びアヤノはスライムを攻撃。

 今度はサイカに言われた通り、アヤノは斬って防いでを繰り返す。自身のHPがニ割くらいのところで、スライムを倒す事ができた。


「倒しました! やった!」

 と大げさに喜ぶアヤノ。


「その調子。ポーションで回復して、次のスライムを倒して見て。今度はステップによる回避にも挑戦してみようか」

「ステップはたしか、こう! ですね」


 アヤノはそう言いながら、右へ左へ反復横跳びをする様に回避行動の練習をすると、再び剣を構えて次のスライムに攻撃を始めた。

 今度はスライムの単調な攻撃を回避しながら、攻撃をする。逆に動きすぎて、攻撃を外していたが、それでもほとんどダメージを受けずにスライムを倒した。

 アヤノはニ匹目を倒したところで、レベルアップの通知音が鳴った。


「レベルアップ! よし次!」


 次のスライムを攻撃しようと、走ろうとしたアヤノは、


「あれ?」

 と息切れを起こし思うように足が進まない事に気付く。


「スタミナ切れだね」

 と、サイカが説明する。


「スタミナ?」

「ほら、HPとMPのゲージの下に、SPってゲージがあるよね」

「このオレンジ色のやつですか?」

「そうそれ。このゲームはあらゆる行動にスタミナ消費が伴うんだ。激しい動きはその分スタミナを多く消費するから、管理を怠らない様にしたほうがいいよ」

「なるほど。なかなか奥が深いですね」

「しばらく立ち止まってればすぐ回復するけど、座るともっと早く回復するから、覚えておいてね」

「よしっ! 全回復!」


 そこから、ただひたすらスライムを倒し続けるアヤノを岩の上に座り暇そうに眺めるサイカ。


 その後も安定してスライムも倒せているので、安心したサイカは空をぼーっと眺める。

 流れ行く雲。照り付ける太陽。美しく青い空がそこにはあった。

 このWOAのゲーム内時間と季節設定は現実と同じである。なので、普段は仕事終わりに遊んでいるサイカにとって、真昼間の景色は休日にしか味わう事ができない。


「先輩〜!」


  アヤノの声にサイカは我に返り、声のする方を見ると、レベル五のコボルトに追いかけられているアヤノがいた。


 サイカは座りながら、スキル《短剣投擲》を発動。ナイフを取り出し、コボルトに向けて投げる。スタミナ切れで足が止まったアヤノを攻撃しようとするコボルトの頭にナイフが刺さり、消滅した。

 見ると、アヤノのHPはあと僅かであった。


「た、助かった…」

 とポーションを飲むアヤノ。


「コボルトはまだ攻撃しちゃダメだよ」

「は〜い」


 アヤノのレベル上げはそれから夕方まで続いた。



  *



 昨日からディランの町に降り続いていた雨は止み、ブレイバー達の多くは引き続き救助活動をしていた。

 エムもその内の一人で、怪我人の治療を手伝っていた。


 ブレイバーズギルドの建物は怪我人の収容所となっていた。その中で多くの治癒魔法の使えるブレイバー達が怪我人を治療しており、治療系の魔法を持たないエムは、水や包帯を運んでいた。

 治療の様子を見てエムは気付いた事がある。治療魔法の類いは、この世界の人間に有効ではあるが、即効性は極めて薄い。そして蘇生魔法は効果が無いのも解った。

 規格外な能力を持つブレイバー達でも、生命の死を覆す事はできず、これにより世界のバランスは保たれているとも言える。


 エムが井戸から水を汲み、血で染まったタオルを洗っていると、マーベルがやってきた。


「エムちゃん。そろそろ休んだら?」

「いえ、こんな時に休んでられません。マーベルさんは治療魔法は使えないんですか?」

「一応あるよ」

「では……」

「むやみに魔法使ってると、いざって時に戦えなくなるから」


 そのマーベルの言葉に、エムはバグによる再度の襲来がある可能性を失念していたことに気付かされる。同時にマーベルもサイカと同じ様に、こう言った事を何度も経験しているのだ。


「バグは……どうして人を襲うのでしょうか」

「それは永遠のテーマね。でも、みんなブレイバーの呪いみたいな物と考えてるわ」


 エムは先日目の前でバグとなったブレイバーを思い浮かべた。


「呪い……ですか」

「ブレイバーの呪いであるバグを倒す事もできるのもブレイバー。皮肉な物よね。それでいて、私たちの寿命は五年持てば良いほう。エムちゃんもこれから色々感じ考える事もあるだろうけど……」


 そこまで言いかけたマーベルは、エムの小さな頭に手を置くと、

「サイカの事、守ってあげるんだよ」

 と優しく微笑んだ。


 そんなやり取りをしていると、町の大通りの方が騒がしくなった。

 エムとマーベルはすぐにそれに気付き、互いに目を合わせて頷くと、走り出す。


 バグ襲撃の傷が癒えないディランの町に、大人数のブレイバーが列を成してやってきた。

 そのブレイバーの数は約三十人。皆、屈強な見た目をしている。

 皆は復旧や救助活動の手を止めて、大通りに集まってきた。エムとマーベルも現場に居合わせた。まずエムがマーベルに問う。


「あの人たちは?」

「あれは、王国直属のブレイバー精鋭部隊よ」

「精鋭部隊? 支援に来てくれたって事なんですか?」


 嬉しそうにするエムとは裏腹に、マーベルは一人険しい表情になっていた。


「きな臭い。エムちゃん、サイカを呼んできて。まだ宿屋にいるはずよ」

「は、はい!」


 マーベルに言われ、慌てて宿屋に向かい走り出すエム。

 ブレイバー隊の先頭を歩く鎧の男をマーベルはよく知っている。マーベルは人知れず彼の名を口にした。


「シッコク……」






【解説】

◆CPU

 中央処理装置。コンピュータの制御や演算や情報転送をつかさどる中枢部分で、パソコンの性能や価格に大きく関わってくる。


◆POP

 主に商店などに用いられる販売促進のための広告媒体。この時代も、電子表示装置フラットパネルディスプレイを用いた電子POPが主流である。


◆VRゴーグル

 バーチャル・リアリティを体験する機器で、頭に装着して使用する。ヘッドマウントディスプレイとも言う。


◆裏作業

 主にゲームをやり込んでる人は、ゲームを起動したままゲーム外で何か調べ物をしたり別の作業をする場合がある。そんな「ながら作業」をしていた事の説明として、「裏作業してた」「裏で○○してた」なんて説明をする。


◆リアフレ

 ゲーム内の知り合いではなく、現実リアルでの知り合いや友達の事を、ゲーム内ではリアフレと説明したりする。


◆未確認アイテム

 アイテムに隠し効果があるワールドオブアドベンチャーにおいて、初めて入手するアイテムを未確認アイテムと呼び、大切に扱われる事が多い。それは何て事の無いアイテムに見えたとしても、実は驚くべき効果が隠されていた前例がいくつもあるからである。


◆固有スキルと隠し職業

 ワールドオブアドベンチャーは、会得条件不明のスキルや職業が存在する。プレイヤーのプレイ状況を見て、ゲームマスターが会得イベントの発生フラグを振り分けているとのこと。その全貌や基準は明らかになっていないが、可能性として大きいとされるのがプレイ頻度やプレイマナーと考えられていて、ゲーム内の秩序悪化の抑止力となっている。


◆ゾンビアタック

 何度も死んでは復活を繰り返し、強敵に挑むこと。 由来はゾンビの如く何度も復活することから。


◆王国直属のブレイバー精鋭部隊

 エルドラド王国で優秀なブレイバーを集めて結成された部隊。国王の命令で動き、国内で起きるあらゆる事件を解決に導く大役を担っている。


挿絵(By みてみん)

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