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ログアウトブレイバーズ  作者: 阿古しのぶ
エピソード4
78/128

78.累卵の危うき



 アメリカや日本、BCUと仲間達、俺は全て見えてるつもりで、見えてない事が沢山あった。



「ゴオオオオオオオオオオオオッ!!」


 全身真っ黒に染まった大男バグの奇怪な叫び声が、どんよりした空に響く。


 北大西洋沖にある海上プラットフォーム巨大施設。

 その広い甲板の上で激しい戦闘を行っているのは、プロジェクトサイカスーツに身を包んだサイカ。あのブラッディメイカー社の研究施設であった一件以来、サイカの事をしつこく追いかけてきては事ある毎に襲い掛かってくる大男バグと彼女は再び対峙していた。そして、今回は紆余曲折あってブランと共闘している。


 外でバグとブレイバーの激闘が繰り広げられている中、施設内にはアメリカ海軍の特殊部隊ネイビーシールズ・チームナイン九名が侵入。テロリストグループと激しい銃撃戦が繰り広げられていた。

 何処にも属していないサイカと、アメリカ軍所属ブレイバーのブラン、そしてネイビーシールズ。彼らが北大西洋のど真ん中で合同作戦を展開して共闘したという事実を、俺が後で知った時はとにかく驚いたものだ。


 いったい何が起きたのか、まずはその一部を説明しておこう。




 まず、サイカがここに来た目的は、この施設で『バグ因子』を使ったテロを計画している集団を殲滅する為だった。事の発端はサイカ達が単独で侵入した事で始まり、その目的を知ったアメリカ軍は協力体制に移行。施設内に増援として侵入したネイビーシールズ・チームナインは人質の救助及び、敵の陽動と攪乱(かくらん)を行ってくれている。そしてブレイバーブランも合流した事で、この作戦は順調に進んでいた。

 しかし、テロリストのリーダーに水陸両用二足歩行機械兵器を持ち出された時は度肝を抜かれた。


 二足歩行機械兵器『フロンティア・イーラ』は、アメリカ軍が試験導入を検討中の次世代兵器。

 全長三十メートル、全幅十七メートル、全高四十メートル、体重二十五トン。機動力を極限まで高める人工筋肉を包む装甲は、セラミック・チタン系複合装甲。武装はバルカン砲とレーザーバルカン、そして腕にミドルレンジコイルガンを装備し、両肩に多弾頭中距離ミサイルまで備えている。そんな重武装でありながら、潜水にも対応した小型原子力ブースターエンジンも背中に搭載しているのが見える。


「まだだ、まだ終わっていない! 我が理想郷実現の為! たかがブレイバー風情、このフロンティア・イーラで踏み潰してくれるわ!」

 と、拡声器による操縦者、テロリストリーダーの声がする。


 そんな強力な兵器で対抗されたが、プロジェクトサイカスーツに換装したサイカと、同じくプロジェクトサイカスーツで駆けつけてきたブラン、二人のブレイバーの敵では無かった。

 次々と発射されるミサイルやレーザーバルカンを、二人は高速な空中戦闘機動で避ける。


「これならどうだ!」


 そう言って、フロンティア・イーラは両腕をミドルレンジ・コイルガンに変形させる。

 電磁気力で弾丸を発射するその武器が、空中移動するブレイバー二人に目掛けて連射される。鋭く尖った口径百八十ミリ、長さ七百ミリの砲弾が間髪を入れずにサイカとブランへ襲い掛かる。しかし、二人にそれが当たる事は無い。


 続いて大量の中距離ミサイルの雲が空に絵を描く中、ブランがランチャーで脚を破壊。それによりフロンティア・イーラが態勢を崩したので、サイカが急速接近してノリムネ改でコクピットを貫く。


 コクピット内部で、ノリムネ改の刃に胸を刺されたテロリストのリーダーが、血反吐を吐きながら言った。


「ぐぅっ……貴様らには……分からんだろう……先進国の人民がのうのうと生きている中で……貧困国じゃあ……何百万と言う人間が餓死をしている……その為の革命……分からんだろう……貴様らには……な……」


 そんな事を死に際の言葉として、操縦席の男は息絶えてしまう。操縦者が死亡した事により、大きな音を立てて倒れるフロンティア・イーラ。

 しかし操縦者がいなくなっても、AI制御により動こうとしたので、サイカはハンドレールガンで制御部を撃ち抜き完全に停止させた。




 脅威を排除したので、後はこの施設を時限爆弾で爆破するだけ……という段取りだったが、そこに現れた謎の航空機から飛び降りてきたのが、今戦っている大男バグである。



 スケルドバグ。



 それが、アメリカ軍がこの大男バグに付けたコードネーム。

 スケルドバグはとにかく硬く、サイカとブランがあらゆる攻撃を仕掛けても、硬い皮膜によって致命打を与える事ができなかった。更には、以前サイカを苦しめた圧倒的なまでのパワーで、思いきり殴られたブランは吹き飛ばされて甲板を転がって海へと落下しそうになる。が、何とか耐えて復帰した。


 その間にも、サイカはスケルドバグに負けじと攻防を繰り返しているのが見える。

 様子をブランの視界で見ていた栗部蒼羽(くりべあおば)が言った。


(まるでタイラントだな。燃えてきた)

「冗談を言ってる場合か。なんなんだこいつは」

 と、ブラン。


 するとクロエから通信が入った。


『何者かがバグ因子をこちらの世界で生み出し、それを人間に注入した結果生まれた化け物……つまりこのスケルドバグは人工バグになります』

(これが元人間だって? ブレイバーの間違いだろ)

『ミスターアオバは黙って。気になるのは、スケルドバグをここまで運んできた所属不明のステルス航空機です。これはブラッディメイカー社だけでなく、もっと大きな組織がバックにいると推測できます』

「冷静に解説してる場合か!」

 と、ブランはプロジェクトサイカランチャーを両手に構え、叫ぶ。


「サイカ!」


 声に反応したサイカがスケルドバグから距離を取ったので、ブランは空かさずランチャーを発射した。

 放たれた特大ビームがスケルドバグを包み、海の彼方へと真っ白な線が消えていく。大体のバグであればこれで跡形も無く消滅するはずだ。が、スケルドバグはその場に立っていた。


 しかしダメージを何とか与える事には成功していて、完全無敵ではないことは見て分かる。

 だからこそ、サイカはノリムネ改をフルブーストで振るって追い討ちを仕掛け、スケルドバグを斬り飛ばした。近くで倒れている二足歩行機械兵器フロンティア・イーラに衝突したスケルドバグは、そのまま内部へと食い込んでいった。


「ゴオオオオオオオオオオオッ!!」


 スケルドバグは雄叫びを上げると共に、自身の身体の一部を溶かしていく。と思えば、壊れたフロンティア・イーラの機体へと融合を開始した。

 壊れたはずのフロンティア・イーラが再起動。


(嘘だろおい!)


 蒼羽が驚きの声を上げる。

 先ほどまで戦っていた二足歩行機械兵器が、スケルドバグと融合して一気に黒い巨大兵器バグへと変化してしまったのだ。破壊したはずの脚も再生され、機械式で人工筋肉のその塊は、頑丈な装甲までも我が物として、更なる進化を遂げる。


 サイカが再びノリムネを構えたので、その横でブランもランチャーを捨ててノリムネMkⅡを構えた。

 そして増援として飛んで来たのが、両手にグレネードランチャーを持ったアマテラス、剣と盾を持ったスサノオ、日本刀を持ったツクヨミ。三体のアンドロイドが作戦の役目を終えて、サイカとブランの隣にやって来て、何も言葉を発する事無くそれぞれの武器を構えた。


 するとブランは横にいるサイカに言った。


「勝てると思うか?」


 サイカは質問を返す。


「怖気づいたか?」

「いや、大きな玩具(おもちゃ)で遊べるからワクワクしてる」

「そうか」


 フロンティア・スケルドバグの目が赤く光る。

 そして元々の装備であった、レーザーバルカンやミサイルの発射態勢へと移行。全長三十メートルのその巨体が、サイカ達を狙う。


 その時だった。


 サイカとブランがプロジェクトサイカスーツのフェイスパーツの内側で、耳に取り付けてるイヤホンマイクからサムの声が聞こえた。


『準備オーケー』


 サイカ達はそれを待っていた。


「どうやら、戦う必要はなさそうだな」


 ブランがそう言ったので、サイカ達は空を飛び後退を開始。

 併せて施設内で交戦中だったネイビーシールズ達も撤退を始め、素早く呼吸用の水中ボンベを着用して海中へと潜水して行く。この戦闘でネイビーシールズの隊員に負傷者が出なかったのは、それだけ彼らの戦闘技術が優れていたという証拠である。


 その頃、混乱に乗じて単独行動をしていたサムは、主要箇所に時限爆弾を仕掛ける役目を遂行していた。そして最後の時限爆弾を設置した際に全ての爆弾を起動しており、その爆発はすぐに始まった。

 少し出遅れてしまったサムだったが、全速力で走って、そして施設の屋上から海に向かって飛び降りた。そんなサムの背中を爆風が後押しして、百メートルの高さから落下する。


「ヤッハァーー!」


 海の真ん中にある巨大施設の至る所で大きな爆発が起き、ハイになったサムはそのまま海に向かって落ちて行く。

 この高さから水面に落下すれば、下手したら死ぬかもしれない。そんな状況でも、サムは恐怖を感じていなかった。


 それは、空を鳥の様に飛んできたサイカが、見事にキャッチしてくれるからだ。




 空中でサムを受け止めたサイカは言った。


「無茶をするな。サム」

「ナイスキャッチ」

 と、サムは笑顔で親指を立てた。


 爆発して崩れゆく建物と共に、足場が崩れて落下するフロンティア・スケルドバグ。そのまま瓦礫や炎と共に北大西洋の海へと沈んでいく。

 ブランがそんなフロンティア・スケルドバグに、ノリムネMkⅡの最大火力で一太刀浴びせた。海水を二つに割り、バグの巨体を破壊した事による凄まじい爆発と水飛沫。そして巻き上がった海水が両脇の崖となったと思えば、すぐに重力に吸い寄せられ、半壊したフロンティア・スケルドバグを飲み込む。


 それを見届けたブランは、海の藻屑へとなっていく建物の残骸を見送りながらゆっくりと上昇。上空でサムを抱きかかえるサイカと合流した。


「つまらない玩具だったな」

 とサイカが言ってきたので、ブランは微笑で返す。


 するとサムが言った。


「あんた、アメリカ軍のブレイバーだろ。なんでここに来た」

「それはこっちの台詞だ。どうしていつもいつも、俺たちの先にいる」

「それは相棒に聞いてくれ」


 サムがサイカに話を振るが、フェイスパーツで顔の見えない彼女は無言だった。


 上空で勝利の余韻に浸っているブレイバー二人と人間一人、そしてアンドロイド三体。任務を終えて、爆発と火災を発生させて崩壊しながら、荒波を立てて沈み行く巨大施設を空から見下ろしている。

 気がつけば、周囲にアメリカ海軍の巡洋艦や航空母艦などが一帯に集結してるのが見えた。その数は三十隻で、それだけこの海上巨大施設でのテロリスト排除がアメリカ軍にとっても重要な作戦であった事が窺える光景だった。


 サイカに横抱きされているサムは、沈み行く建物から救命ボートで必死に脱出を試みるテロリスト達を見た。今回の作戦、余計な殺生は避けたので、百人近くの人数が無事に脱出できたようで、きっと彼らはこの後、アメリカ海軍のお世話になる事だろう。

 そんな事を考えながら、半分放心状態で救命ボートの行く末を眺めているサム。



 その時だった。



 サイカの手がビクッと僅かに振動したのが、サムの体に伝わってきた。

 なのでサムはサイカの顔を見ると、サイカは北西方面の遥か地平線を見ていたのだ。その方角に『何かを感じた』といった様子である。


「どうした?」

 と、最初に質問したのはブランだった。


 するとサイカはしばらく黙った後、ブランにサムを押し付ける様に渡す。


「サムを頼む」

 と、サイカ。


 急にブランに横抱きされる形となったサム。


「なんでだよ! ちょっと待て! 相棒!」


 そう問い掛けるも、サイカは翼を広げて背中のブースターをフルスロットルで噴射して移動を開始。

 サムを抱いて飛んでいる時とは比べ物にならないほど、マッハの速度で彼方へと見えなくなってしまった。


 置いていかれる形となったサムは、訳が分からないといった様子を手振りで見せながら、ブランに言った。


「……アメリカの軍艦に食堂とシャワーはあるよな?」


 そんな煤だらけの彼が放った質問を聞いて、ブランはサムの顔をまじまじと見つめる。そこへクロエからの通信が入った。


『人質の救助完了。チームナインの帰還も確認しました。全員無事です。ブレイバーブラン、状況報告を』

「……捕虜を一名確保した」

「捕虜じゃない!」

 と、サムは思わず大声を出した。






 そして、話は日本へと戻る。


 サイカが何かを感じる少し前、真っ黒な陣雲がまるで夕焼けの様に染まった北海道札幌市。

 建物が崩れ、大規模な火災が発生している焼け野原の上を航空機F35Aが二機、航空自衛隊千歳基地から出撃したスカイワンとスカイツーが空を駆けていた。パイロットが狙っているのは、炎の中心にいる巨大なバグ。


『標的を確認。特撮映画の撮影じゃないよな?』

 と、スカイツーのパイロットから通信が入る。


「巨大ロボットや宇宙警備隊なんて存在しない。俺たちの目的はミサイルの有効性を調べる事だ。まずは背後を取る」

『了解』


 上空を旋回していた二機の戦闘機は、巨大バグの背後を取り、ミサイルの発射態勢に入る。


「ロックオン。フォックスツー、発射」

『フォックスツー、発射』


 ミサイルの発射ボタンが同時に押され、二三式空対艦誘導弾が計四発、機体から放たれる。四発のミサイルは一直線に巨大バグの背中に命中して、それぞれ爆発を起こした。

 そしてバグの頭上を二機が通り過ぎる。


「全弾命中を確認。どうだ」

『大きな的だぜ。どうってことない』


 しかし、スカイワンのパイロットが目視で確認する限りでは、巨大バグに傷一つ負わせる事が出来ていなかった。


「ダメか。通常兵器が効かないというのは本当だったんだな。スカイツー、回り込んでもう一度だ」

『了解』


 二機の戦闘機がもう一度攻撃を仕掛けようと、進路を変更した時だった。

 巨大バグの赤い目が光り、そしてすぐに口から光線が放たれた。


「回避しろ!」

 と、スカイワンのパイロットが叫んだが、時既に遅い。


 スカイツーが光線の直撃を受けて、空中で爆発。破片が飛び散ったのが見えた。


「スカイツー!」


 呼びかけるも、撃墜されたスカイツーからの応答が返ってくる事は無い。

 続いて巨大バグから第二射となる光線が放たれ、スカイワンがエルロン・ロールをして機体を回転させて回避を試みるも、右翼を光線が掠めて融解。すぐにコントロール不能へと陥った。


「ちっ!」

 と、墜落は免れないと読んだパイロットは、緊急脱出装置を発動した。


 パイロットを放出したスカイワンの機体は、そのまま墜落していき、札幌市街のビルへと衝突。爆発、炎上した。

 航空自衛隊の戦闘機が撃墜された為、距離を取ってホバリングしていた陸上自衛隊の攻撃ヘリ・アパッチが撤退を開始。



 その様子を固定翼モードで飛行中のオスプレイの中から見ていたクロードが言った。


「あーあ。なにやってんだ、自衛隊の奴ら」


 クロードの横にはジーエイチセブンもいて、共に戦場と化した札幌市街を眺めていた。

 地上では、陸上自衛隊第七師団の戦車連隊が巨大バグから距離を取って、建物の陰に隠れて待機している所も見える。

 

「こっちの世界にも、こんなにデカイ奴が現れるとはな」

 と、ジーエイチセブンも深刻そうな眼差しで状況を見ていた。


 するとクロードが手に持ったライフルのスコープで、遠くで光線を放っている巨大バグの姿を確認した事で、彼の脳裏に異世界のディランで対峙した巨大バグの姿が浮かんだ。


「似てる……か」


 ジーエイチセブンがクロードの独り言に反応する。


「何にだ?」

「いや、前にサイカと一緒に戦った事があるバグにな……」

「その時はどうやって倒した」

「俺が口に手榴弾を放り込んで、サイカが空を飛んで胸を貫いた」

「俺に空を飛べってか?」


 そう言ってジーエイチセブンが笑った時、二人が装着している片耳イヤホンマイクからBCU本部の園田(そのだ)真琴(まこ)から通信が入る。


『今から陸上自衛隊の戦車連隊が、敵の注意を引き付けてくれます。それに乗じて接近し、攻撃を仕掛けてください。そう何度もチャンスはありませんので、確実に仕留めてください』


 それを聞いたクロードは、

「無理難題を押し付けてきやがるぜ、ほんと」

 と、笑みを浮かべた。


『返事!』

「「了解」」


 すぐに、隠れていた戦車連隊が動き出した。

 予備戦力を除いた五十両の一〇式戦車が隊列を組み、札幌市街を進行。巨大バグに必要以上に近づかない様なルートで、包囲していくのが見える。


 やがてそれぞれの戦車が目的地点に到着して停止、ゆっくりと砲塔が動き、そして砲口が巨大バグに向けられる。

 全台配置について間も無く、すぐに百二十ミリ滑腔砲から新型徹甲弾が発射され、四方から巨大バグに向かって徹甲弾の雨が降った。


 巨大バグに現代兵器である徹甲弾は効いておらず、反撃の光線で戦車が次々と撃破される。勝ち目の無い相手に勇敢に攻撃を仕掛けた乗員達が脱出する間も無く爆発する様は、見ていられない光景だ。

 それでも陸上自衛隊戦車群は砲撃を続ける。ブレイバーの攻撃を信じて砲撃を続ける。


 放たれる光線の対象が地上に向けられている間に、BCUのオスプレイが巨大バグに急速接近。


 その頭上を通り過ぎる時、

「行ったれジーさん!」

 と、クロードが叫ぶと共にジーエイチセブンが大剣を両手に飛び降りた。


「うおおおおおおおおおおおおおっ!」


 巨大バグの奇形な身体の最頂部に剣を突き立てた。

 ジーエイチセブンは夢世界スキル《インペリアルソード》を発動して、全身から眩いオーラを放ち、周囲の重力を強める事で巨大バグを地面に押し潰そうとした。


 しかし、巨大バグは態勢を崩しながらも何とか耐え、まだ立っている。

 その衝撃で戦車を狙っていた光線が乱れ、見当違いの地面を焼いた後、宇宙に向かって消えて行った。なので、ブレイバーの攻撃が始まった事を認識した陸上自衛隊は、戦車隊に砲撃中止を指示。


 そんな中で、ジーエイチセブンは刺した剣をしっかりと握ったまま、バグの表面を駆ける。皮膜を引き裂きながら、バグの下半身に向かって下って行った。

 更に翼を垂直にしてホバリング飛行へと移行したオスプレイから、クロードが追い撃ちを仕掛けていく。


 最新型スナイパーライフル・マイルメーカーから発射された特殊ラプアマグナム弾が、バグの宝石の様な赤い目に直撃。バグの視力を片方奪う事に成功した。

 巨大バグは混乱して滅茶苦茶に光線を放ってきたので、オスプレイのすぐ横を白い線が通り過ぎた時はクロードも思わず身構えていた。


「驚かせやがって」

 と、クロードはまだ残っているもう一方の目を撃ち抜く。


 続いて、目以外の箇所に弾を命中させていくクロード。だが、あまり有効ではないと感じ、更にはこのマイルメーカーという銃の扱い難さに嫌気が差し、それを乱暴に置いて、ロケットランチャーを手に召喚した。夢世界バトルグラウンドに登場する対戦車擲弾発射器である。

 そしてオスプレイの操縦士に向けて言った。


「もう一度だ。もっと近づいてくれ!」

「し、しかし! これ以上は危険です!」

 と、操縦士が意見を述べる。


「日本の命と自分の命、どっちが大事なんだよ」

「……わかりました」


 操縦士は渋々了承といった様子だったが、オスプレイをロケットランチャーの射程距離まで寄せてくれた。

 その頃、地上まで降りたジーエイチセブンは苦しみ暴れる巨大バグの足を斬っていた。だが、あまりにも巨大なそのバグの大樹の様に太い足を切断するまでには至らず、動き回る足に蹴飛ばされて建物の瓦礫へと衝突。


 その音に反応したのか、巨大バグは大きく口を開けて、起き上がるジーエイチセブンに向かって光線を放とうとしてきていた。なのでジーエイチセブンは盾を召喚して、防御態勢に入る。

 しかし、クロードが放った対戦車ロケット弾が、バグの口に命中。


 巨大バグの頭部が、中から破裂した。


「俺がいて良かったな!」

 と、クロードはジーエイチセブンに通信を入れる。


『ああ、助かった』


 そこからクロードの指示で、頭部が破裂して光線が放てなくなったバグの上までオスプレイが移動。そしてクロードがその上に飛び降りた。

 今度はロケットランチャーを投げ捨て、愛用の夢世界武器であるアサルトライフルSCARを手に召喚。巨大バグの破裂した部分に着地するや否や、フルオートで全弾撃ちこんだ。


 ズバババババババ。そんな発射音と、弾がバグの体内へと捻じ込まれていく鈍い音が鳴り響く。弾切れになっても次のマガジンを装填。撃ち尽くす。装填。撃ち尽くす。

 それでもバグのコアにまで弾が至らない様で、再生が始まってしまった事もあり、クロードは次に夢世界武器であるC4爆弾を召喚して設置。更に全弾撃ち尽くして弾切れとなったライフルを投げ捨て、手に日本刀キクイチモンジを召喚した。


 クロードは刀を鞘から抜き、その刀身に映る自身の顔を覗き見る。

 この刀は、彼の夢世界には存在しないはずで、彼の記憶には無い武器である。だがそれでも、クロードにとってはサイカとの繋がりである刃物と知らされた物。こうやって召喚させる為に、彼は何度もワールドオブアドベンチャーやバトルグラウンドのキクイチモンジを見てイメージを掴んでいたのだから、それだけ特別な思い入れがあるのだろう。


「さてと、こいつの切れ味は如何ほどだ」

 と、巨大バグの上に立ったまま呟くクロード。


 その時だった。


 クロードの視界に、崩れた建物の瓦礫に足が挟まって動けなくなっている女性が見えた。十七歳くらいの若い女性で、それを引っ張り出そうとしている十歳くらいの男子の姿もある。

 そんな光景を見た後、クロードはC4爆弾を起動し、巨大バグから飛び降りた。落下しながらキクイチモンジで斬り込みを入れ、下で待機していたジーエイチセブンがクロードを受け取ると同時、C4爆弾が大爆発を起こし、ようやく巨大バグのコアが破損した。


 煙の様に消滅を始める巨大バグ。

 爆発で砕け散ったコアの破片が、キラキラと青い雪結晶の様に綺麗だった。


 クロードを地面に降ろしながら、ジーエイチセブンが言った。


「クロがその武器を出すなんて珍しいな」

「うるせーよ」


 ジーエイチセブンに言われて恥ずかしくなったのか、クロードは出したばかりのキクイチモンジを投げ捨て消滅させた。


 そしてすぐにクロードは何処かへ歩き出したので、

「おい、何処行くんだ」

 と、ジーエイチセブンが呼び止めようとする。


「ちょっとな。真琴ちゃんに報告よろしく」


 そう言い残したクロードが向かったのは、先ほど巨大バグの上から見えた子供二人の所だった。

 火に囲まれながら、十歳の男子がその小さな手で、必死にコンクリートの瓦礫を持ち上げようとしている。だが全く動かないといった様子だ。


 片足が挟まって動けない女子はそんな男子に向けて言った。


「もういいから。逃げて」

「ダメだよ! 今助けるから!」

 と、諦めようとしない男子。


 そこへ、道を塞いでいた瓦礫を蹴飛ばして退かしながら、クロードがやって来た。

 クロードはそのまま何も言わずに、コンクリートの瓦礫を両手で持ち上げ、男子がいくら頑張っても動かせなかったそれを簡単に動かしてしまった。


 突然現れた金髪で迷彩服の男に、二人とも驚いた様子だったが、助けられた女子がお礼を言う。


「あ、ありがとうございます。貴方は……」

「通りすがりのキザ野郎さ」

 と、クロードは女子の足の状態を確認したあと、横抱きして持ち上げる。


「ちょ、あの……」


 こんな危機的状況であるにもかかわらず、照れて頬を染める女子。

 彼女は学校の制服の上にコートを着ているので、学生なのだろう。男子の方は私服ではあるが、どう見ても小学生くらいである。


「安全な所まで運んでやるよ」


 クロードはそう言った後に、隣で立っている男子に顔を向けた。


「お前は一人で歩けるな?」

「うん!」

「良い子だ」


 クロードはそれ以上は何も言わず、名も知らぬ女子と小さな男子を安全な所へと運び出す。

 彼らが歩く札幌市街は、建物が倒壊して、雪と瓦礫が入り交じった惨憺(さんたん)たる光景が残されていた。火災も発生していて、炎を巻き込んだ竜巻状の空気が渦となって、火災旋風がその猛烈な炎と風によって急速かつ広範囲の火災延焼を引き起こしている。


 それはまるで大地震でも起きたかの様だと、テレビのニュースレポーターが口癖みたいに言っていた。


 クロードは言葉を交わす事無く、ゆっくりと道路の真ん中を歩く。

 ひっくり返っている車、倒れた信号機、割れた道路、完全に崩壊しているビル、雪を溶かす炎、遠くでガスに引火して爆発も起きているのが見える。そんな中、クロードは足が骨折してしまっている女子を抱えて、後ろに男子を引き連れて歩みを進めた。


 やがて、クロードに抱かれた女子は言った。


「あの……貴方は……もしかしてブレイバーさん……ですか?」


 クロードは彼女の問いに対して、

「今は何も考えなくていい」

 と、答えた。


 それからしばらく、比較的安全な道を選んで進んでいると、自衛隊や消防隊が被害地に突入して来たところに遭遇した。

 逃げ遅れた市民がまだ多く残っていて、瓦礫の下敷きとなってしまっていたり、建物に閉じ込められてしまっている者も多い。そんな市民達を救おうと、自衛隊員と消防隊員による救助活動が始まったのだ。


 駆け寄って来た救急隊員に名も知らぬ女子高生と、男子を預けるクロード。

 そんなクロードへ、BCU本部から通信が入った。園田さんだ。


『クロード、何やってるんですか! 勝手な行動しないでください!』

「人命救助だよ真琴ちゃん」

『真琴ちゃん!? と、とにかく、既にジーエイチセブンは合流ポイントCに到着しています。貴方もすぐ来てください』

「了解」


 その時だった。


 大惨事となっている札幌市の上空を、飛行物体が猛スピードで通り過ぎた。

 それはまるで翼を広げた人型サイボーグ。そう、プロジェクトサイカスーツを身に纏ったサイカである。


 スーツの背中に装着されたブースターの轟音と共に、サイカはあっと言う間に通り過ぎ、クロードが上空を見上げる頃には札幌市街を東京方面に通り過ぎてすぐ見えなくなってしまった。

 それを目撃したクロードの足は、自然と速くなっていた。


「あの! 名前を!」

 と、女子高生の声が後ろから聞こえたが、クロードは何も答える事なく、背中を向けたまま手を振ってその場を去った。






 そんな札幌市の光景と、飛び去るサイカの姿は、報道ヘリの空撮にもしっかり映されていた。

 俺はミーティアやケークンと共に、それをテレビで見ていた。それは巨大バグがクロードの手によって消滅し、ほっと救われた気分になった矢先の事だった。


 映像を見ながら、俺は園田さんに通信を入れる。


「今、サイカが通った!」

『ええ、こちらでも確認しています。未確認飛行物体が北海道から東京方面に急速で移動中』

「未確認じゃない! あれはサイカだ!」

『情報が足りないので、まだ断言はできません』

「何処に向かってるか分かる?」

『……いえ、まだ経路は予測できる状況ではありません。ですが、気になる事象の報告がSNS上にあります』

「気になる?」

『東京都北区で、光の柱を見たと言う目撃者が多数。写真もアップロードされています』

「送ってくれ」

『今、送ります』


 俺はスマートグラスを取り出して耳に掛ける。

 視界に映し出された映像に、園田さんから送られて来た一般人がスマートフォンで撮影したと思われる写真が浮かび上がった。浮かび上がる画像データを、俺は指で触れて横に弾いていく。すると、数十枚はあろう写真へと次々と切り替わった。


 この画像の柱、俺が能力を使った時のソレに似ている。


「これが目撃されたのはいつ?」

『画像の投稿時間からして、四時間ほど前の様です』

「ちょうど札幌にバグが出現した頃か……よし、俺が見てくる」

『分かりました。何があるか分かりません、ブレイバーと一緒に向かってください。地下駐車場にあるバイクを使ってください』


 そう言われた俺は、その場にいるブレイバー二人を見た。

 ミーティアもケークンも会話から事情を察したのか、何も言わずに頷いてくれた。なので俺は、早速ライダージャケットを着てスマートグラスと同じ機能を持ったヘルメットを手に持ち、玄関まで移動する。


「たっくん!」

 と、千枝に呼び止められたので俺は応える。


「行ってくる」

「……気をつけて」

「ああ」


 一緒に行きたいという気持ちが千枝の表情から窺える。でも、今回はブレイバーがいるから、彼女を無理に連れて行く必要も無い。

 そして私服から戦闘服となったミーティアとケークンが玄関にやってきて、ミーティアの腕にはワタアメも抱かれている。


 そこで俺は彼女たちブレイバーに指示を出す。


「ミーティアとワタアメは俺のバイクに。ケークンは走って移動。行けるね?」

「楽勝」

 と、ケークンは自信たっぷりの様子だ。


 そして明月(あかつき)朱里(しゅり)も笹野さんと玄関まで見送りに出てきて、

「何があっても気を確かにな」

 と、いつになく真剣な眼差しを向けてくる朱里。


 そうやって千枝、朱里、笹野さんに見送られながら俺たちは部屋を出てマンションのエレベーターに乗り込んだ。



 マンションの地下駐車場には、俺の緊急出動用にBCUが用意した新型バイクが置いてある。

 緑のボディに白くて太いタイヤ、まるでSF映画に出てきそうなフォルムを実現したそのバイクは、日本の大手自動車メーカーが開発した大型の試作オートバイ。二〇三四年のドイツバイクショーで発表されたばかりの代物である。


 これに乗る為に、俺はバイクの大型二輪免許を取らされた。


 せっかく取った免許が無駄では無かった事を今証明してやろうじゃないか。

 俺とミーティアがフルフェイスのヘルメットを被り、ライダーとなる俺が先に乗る。そして遅れてミーティアが後ろへと座り、そのミーティアにワタアメが尻尾を伸ばして上手く絡まり彼女の背中で固定した。


 後ろに可愛い人形を背負った女性騎士を乗せ、奇妙な絵面となってしまっている。前にこうやってミーティアと二人乗りした時、彼女はスーツを着ていたが、前回の稲城市での出来事でスーツは使い物にならなくなったので、今はブレイバーとしての装備になってしまっている。

 俺はヘルメットの電源スイッチを押すと、ミーティアも合わせて電源を押す。すると二人の視界に様々な情報が表示され、事前に園田さんが設定してくれた目的地へのルートも浮かび上がった。それだけでなく、現在のバイクの速度やバッテリー残量、視覚補正により付近の動く物や障害物の明度を高め、際立って鮮やかにしてくれる。


 バイクの起動スイッチを押し、電動モーターが起動すると、車体が緑色に輝く。そしてその静かなモーター音に反応したかの様に、目の前のシャッターが開く。

 俺は後ろに座るミーティアに言った。


「しっかり掴まって」

「分かってるわ」

 と、ミーティアはぎゅっと俺の腰に腕を回す。


 ミーティアの腕の感触を感じた俺は、右手でアクセルを徐々に回す。クラッチとギアチェンジが自動遠心クラッチと無段変速装置によって自動化されている為、後輪ブレーキを左手のレバーで操りながら、地下駐車場を出る坂道をゆっくりと上った。

 そうやってバイクのヘッドライトも点灯させ、俺達は夜の東京へと飛び出す。


 外で待機していたケークンは、俺が運転するバイクを追いかけて、民家やマンションなどの建物屋上を素早く飛躍しながら移動を開始した。

 そんな風にバイクを追いかけるケークンは、本当にヒーローアクションを見ているかの様である。




 俺達が出発してから、部屋であった出来事にも触れておこう。


「ま、あいつらなら大丈夫だろ」

 と言い残した朱里が、自室に入っていくのを確認した笹野さんはスマートフォンを片手にリビングへと移動した。


 そしてリビングに誰もいない事を確認した後、ベランダに出て、誰かと通話を始める。

 朱里は自室に入った振りをして、そっと部屋を出て音を立てずにリビングへと移動し、姿勢を低くしながらソファの陰に隠れた。そうやって完全に閉まっていないベランダの窓ガラスの隙間から、微かに聞こえる笹野さんの声に聴き耳を立てる。


「明月さんが今出ました……はい……はい……そうですね……分かりました」


 笹野さんがこの時、BCU以外の何処かに隠れて電話をしていたという事実を朱里から聞いた時は、とにかく驚いたものだ。

 電話は非常に短く、すぐに終わりそうな雰囲気だったので、朱里は速やかに自室へと戻る。


 今度は朱里が、散らかった部屋の隅に置いてあったタブレットを手に持って、誰かにメッセージを入力した。が、その相手もBCUの誰かではなく、朱里の個人的な『知り合い宛』である。

 この事を俺が知ったのは、もっとずっと先の話だ。


 俺は彼女たちに何の疑いも持っていなかったし、いつまでも味方であると信じていた。

 だからこそ、この事に俺が気付いてさえいれば、もっと別の道があったのかもしれない。もっと話が出来ていれば、この後起きる事件の数々を防げたのではないか……と、思う。



 アメリカや日本、BCUと仲間達、俺は全て見えてるつもりで、見えてない事が沢山あった。

 この状況は、まさに累卵の危うきにあると言えるだろう。






【解説】

◆ネイビーシールズ

 アメリカ海軍の特殊部隊。その歴史は米軍の近代特殊部隊の中で最も古く、陸海空問わずに偵察、監視、不正規戦等の特殊作戦に対応出来る能力と、高度な水泳と潜水スキルを持っている。

 複数のチームが存在するが、チームナインは表向き欠番となっている極秘部隊。


◆フロンティア・イーラ

 様々な状況、地形からミサイルを発射することができる二足歩行型の戦車。単独での作戦行動が可能で、核ミサイルも搭載可能。他にも種々の武器も装備することができる。

 今となっては様々な種類が存在するフロンティアシリーズで、その中でもこの『イーラ』は人工筋肉、AI制御、水陸両用を実現しており、アメリカ軍が試験導入を検討中だった機体。ミドルレンジコイルガンと呼ばれる電磁石の力で、高威力の弾丸を撃ち出す武装を搭載している。

 テロリストがこれを持っていた理由については、現在調査中。


◆スケルドバグ

 ブラッディメイカー社の研究施設で人工的に作られたバグの一体。バグ因子を人間に注入した事により、突然変異をしてしまっている。

 執拗にサイカを狙い追跡してくる中、それを手助けする組織と、防ごうとするアメリカ軍がいる為、厄介な存在である事は間違い無い。

 その見た目と強さから、栗部蒼羽はとあるゲームに登場する「タイラント」と言った。


◆航空機F35A

 アメリカの航空機メーカーが開発した単発単座の多用途性を備えたステルス戦闘機。コンピュータによる情報統合を推し進めており、ヘルメットディスプレイまで実現している。

 今回登場したのは、航空自衛隊千歳基地に配備されていた物で、二三式空対艦誘導弾と言うミサイルがバグに有効かどうかを調べる為に出撃していた。


◆陸上自衛隊第七師団の戦車連隊

 陸上自衛隊の師団のひとつ。北部方面隊隷下で、師団司令部を千歳市の東千歳駐屯地に置く。その歴史は古く、陸上自衛隊で唯一の機甲師団とされる。

 一〇式戦車に新型徹甲弾を搭載して出撃し、BCUの攻撃を支援した。


◆C4爆弾

 アメリカ軍をはじめ世界的に使用されている軍用プラスチック爆薬の一種。

 今回クロードが使用したのは、実物ではなく、ゲーム『バトルグラウンド』で登場したC4爆弾なので、仕様は少し異なる。

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