1/1
そうだ、タイムトリップしよう
目が覚めると、空が真正面にあった。いつもの、見なれた薄青い空だ。
平日の昼下がりの公園。私はなんの恥ずかしげもなく、堂々とベンチに寝転がっていた。もちろん、それに対する罪悪感とかはない。今の時間、来るといってもせいぜい、犬の散歩に来たおじさんや、トイレを使いにタクシーの運転手が来るくらいだ。よっぽどの事がない限り、私はここを動く予定はない。例えば警察に見つかって職質でも受けたら、動くかもしれないけれど。
「ちょっと、どいてくれませんか?」
その声は、突然頭の辺りから降って来た。一瞬頭がパニックになる。なんとか声を出す。
「あ、邪魔ですよね!どきますねすみません!」
私の中で好感度100%の高めの声で、謝罪する。