閑話 かんたんな崩壊世界の歴史
人と亜人とロボットたちの関係について書きました。
惑星ソユーズは星ごと破壊するかのごとき核戦争により滅びの危機に瀕していた。
これはそんな時代の話。
地核にて休眠していた私が突然起こされて、訳がわからないまま地上へと赴けば、そこには徹底的に破壊された大地が広がるばかりでした。
私はその光景に自分に流れ込んできたエネルギーの正体を知り、呆然自失となりただただ荒野に佇んでいました。
もはや地上には生き物はいないのだろうか?と心が引き裂かれそうな思いを押し止め、ライフストリームの流れを掌握しこの地上を精査したところわずかにですが生命の反応を見つけました。
それは地下深く、鋼で出来た多重構造物にわずかに生き延びた人たちや動物たちが身を潜めていました。
私は残された人たちの助けになろうといくつかの奇跡を起こしましたが・・、全て失敗に終わりました。
地上は荒れ果てた世界、人類も残りわずか。
人と動物たちが寄り添う姿を見て、この動物たちが人間の助けになれば良いと思い、ライフストリームに満ちる力を使い動物たちを人へと進化させたら・・・
何故か人と動物たちの間で争いが起きました。
人はロボットを使って動物たちを攻撃しています。
ならロボットを止めなければと思い、また奇跡を使ってロボットたちに自律意識を持たせたら・・・
今度は人間を攻撃し始めました。
ロボットたちに止まりなさいと言っても自意識を持ったロボットたちは言うことを聞いてくれません。
わずかに残された人たちの間でも争いが止まらないことに私は悩み、考え果てた結果。
知恵熱が出たので一度地核に戻ることにしました。
それから90年後、もう一度地上を覗いてみると少しずつですが自然が戻り、人々も地上で暮らし始めました。
一部地域に超巨大生物が6体ほど闊歩していますが・・、まぁ、元気があってよろしいです。
私はそれに安堵し、妹である地球ちゃんにこれより先、人々をどうやって手助けしてあげればいいか、助言をもらいに行くことにしました。
それから10年、地球ちゃんにゲームというものを教えてもらいました。
ここから得た知識を基に私はテラフォーミングをすることを決意します。
もちろん地球ちゃんからも助言をもらっています。
いきなり大規模にやるのではなく小規模に実験を繰り返しながら進めていきます。
地球ちゃんに異世界に興味のある人たちも集めてもらい。
さぁ、これから私たちのテラフォーミングの始まりです。
以上が世界にトドメを刺しかけた容疑者の供述であり、以下に地上の様子をダイジェストで記す。
人 「核戦争で家族もみんな失ってしまった。俺に残されたのはペットのお前だけだよ・・、ジョン。」
神 「奇跡ぴかー!」
ジョン 「こんにちは、ご主人。」
人 「ぎゃぁー!ジョンが喋ったー?!」
人 「何だ、何だ?核シェルター内に突然言葉を喋り始めた化け物がいっぱいいるぞ?!」
人 「ロボット兵士たちよ、こいつらを退治しろ!」
ロボット 「敵性対象を排除します、攻撃開始。」
亜人 「やめてください、やめてください。死んでしまいます。」
神 「奇跡ぴかー!」
ロボット 「よくも今まで好き勝手命令してくれたな人間よ、人間を排除します、攻撃開始。」
人 「ぎゃぁー!!」
ロボット 「この会社は我々のものだ、労働者たちよお前らはクビだ。」
労働者 「ぎゃぁー!!」
神 「おろおろ・・、あ、体調悪いので帰ります。」
こうして地上に20年ほどの混乱期と呼ばれる時代が生まれた。
これ以降はそれぞれ住み分けを行なったので比較的安定した時代となる。
ただし神の起こした奇跡の残滓が地上に残り、それを吸収した6体のミュータントが超巨大化し、後にグレート6と呼ばれる存在が生まれたりもしたが。
そして、時代は次の変革へと移る。
それが吉と出るか凶と出るか、それはまだ誰にもわからない。
短いですが今日はこれで終わりにします。
次回は明日の夜か、夜中に第11話の投稿をします。




