表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

112/169

第106話 準備

 部屋へと戻ってきた、二人は食べすぎでベッドの上でぐてーっとしている。

 さて、俺は武器の準備を始めるか。

 今日買ってきたのはポンプ式のショットガンと小型の大砲、青銅製なので青銅砲と呼ぶことにした。

 まずはショットガンからスマホでSHOPアプリを呼び出し、弾を買う。

 種類は……20ゲージ弾と12ゲージ弾の2つの規格にそれぞれの弾種、散弾かスラグ弾か。

 とりあえず20ゲージと12ゲージの散弾を1つずつ買ってみる。

 画面が光り、光が形を取り始める。

 床に落ちない内にそれを掴み取り、手を開く。

 手の平に調度納まるかのように12、20と書かれた円筒形の弾が一つずつ。

 長さは一緒だが12ゲージ弾の方が20ゲージよりも一回り太い。

 あー、確かショットガンの弾は特殊な数え方をして、数が小さい方が大きいんだったけか。

 長さは7cm、直径は2cmぐらいか?

 重さはマグナム弾の2倍ぐらいかな、見た目よりも軽い。

 とりあえずひとつずつ銃口に合わせてみる。

 20ゲージは……ちょっと小さいな、隙間が出来た。

 12ゲージは……ぴったりだ。

 この銃は12ゲージ用らしい。



 さて、次は弾種だが散弾とスラグ弾の2つがある。

 散弾は小さな鉛の玉がたくさん入っていてそれをばら撒く、ショットガンの定番だ。

 スラグ弾は玉が一つで大きい、普通の銃と一緒の形式の弾だ。

 当然、銃口が大きいので弾頭もそれなり、俺のマグナムリボルバー(M686)よりもずっと威力があるだろう。

 リボルバーとショットガンを比べた場合、ショットガンの銃口はリボルバーの倍あるからな。

 さて、どちらを選ぶかだが、これは最初から決まっていた。

 散弾だ。

 今回の相手はグール、それも大量に相手をすることを想定した場合だから、弾が拡散しまとめてなぎ払えるような散弾の方が好ましい。

 スラグ弾にも興味はあるがね。

 やはりでかい銃弾というのはそれだけでロマンがある。

 前に出会った、ワニみたいなトカゲ相手に使ってみたいものだ。


 12ゲージの散弾を50発追加で買う。

 値段は一発5ルーブルで250。

 これだけ買ってもまだルーブルの預金は1461残っている。

 しばらく弾には困らない……いや、SHOPアプリで新しい装備を買った方が良いか?

 そろそろヘルメットも欲しいし、ミケちゃんたちもコートではなく戦闘服の方が良いのかな……。

 でも懸念だった、手足が丸出しだったのは鍛冶屋で買った篭手と具足でカバーできたからなぁ。

 まぁ、とりあえず貯めるか。

 SHOPアプリ製なら改造できるからな。

 何が当たりかわからないし。


 次に青銅砲のチェック。

 砲身は鋳造ちゅうぞうで出来ているようで、長さ60cm、木で出来た持ち手が20cmで全長80cmほど。

 使われる弾頭は直径5cmの鉛の玉で重みがある。

 先込め式か。

 銃口から火薬、弾頭の順で詰め込めていくタイプのようだ。

 その為の木の棒が砲身の横にくくり付けてある。

 弾頭と火薬を詰めたら、次に着火する為の空砲を薬室の横に空いた穴に差し込んで、引き金を引けばハンマーが下りて発射されるというわけだな。

 空砲は9mm弾が手持ちにいっぱいあるから買わなかったが、今から作るか。

 9mm弾を5つ取り出し、先っぽの鉛の弾頭を抜くのだが……。

 あ、やべ、ペンチとか無いぞ。


「……これで何とかなるか?」

 ナイフを抜き、切っ先を弾頭に当てる。

 ぐっ!と力を入れ、切っ先がめり込んだところで固定、銃弾の尻を持ち、回す様に引き抜く……

 固いが少しずつ回っていく……、別に信管を叩くわけではないので暴発はしないはずだが、冷や汗が出る。

 引き抜き終わると、中から黒い砂粒見たいのが零れ落ちた。

 それを掃き集めて、また中へと戻す。


「これが火薬なのか?」

 思ってたよりも粒が大きい。

 もっとさらさらしているのかと思っていたが、実物は粗引きの黒コショウみたいだ。

 零さないように銃弾を立て、次に空いた箇所を埋める準備だ。

 前にネズミの仕掛け作りに買った綿のあまりを用意。

 それを千切り、指で丸めていく。

 綿の玉を弾頭の代わりに詰め込んだ。

 確か、ガンショップの店主の説明ではこれで良いはずだ。

 綿を詰めた弾を逆さにするが零れないし、綿も外れない。

 良さそうだな。

 さて……


「あと4つかぁ」

 なかなかスリリングな作業だ。

 素直に買っておけばよかったなと後悔した。





 ……

 …………

 窓から朝日が室内へと差し込む。

 それを薄めで確認し、そろそろ起きて最後のチェックを始めるかと起きる。

 準備は昨日の内に終えたが不安が残り、寝つきはあまり良くなかった。

 不安を払拭するかのように装備のチェックをする。

 ごそごそとベッド脇で作業をしていたところ。


「おはよー、もう準備?」

 ポチ君が起きてきた。


「うん、ちょっと心配でね」


「そうだよねー、あのでっかいの怖いし」


「ああ、ギガントは極力相手にしないつもりだけど。そこらへんはガイドの人次第かな。

 上手く避ける道があればいいんだけど」


「だねー」

 そう言うとポチ君も装備の点検を始める。

 二人が使う9mm弾は残り283発、ライフル弾は27発か。


「ライフル弾、もう少し要る?」


「んー、これだけあれば多分足りるんじゃないかな。グール相手には使わないし」

 まぁ、足りなくなったらSHOPアプリで買えば良いか。

 ミケちゃんの方の準備はと見れば、ミケちゃんはすぴーっ……と寝息を立てている。

 そろそろ起こすか。


 準備が出来たら、ガイドさんに会う前にまずクーンを迎えに行かないとな。



いつも読んでいただきありがとうございます。

今週の投稿はここまで、来週は中篇製作5回目(全6回予定、それでも時間が足りなかったらこれを優先で更新、できるだけ急ぎます)なので。

次の投稿は再来週の金曜日(10/21)になります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング よければお願いします。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ