【自分用】東高円寺D
:マジで何?
:羽純様いない
:高円寺ダンジョンだ
:ここ前も見たが
【¥100】きた(^v^)
:めっちゃ重装備まみち
:告知あった?
:ばっしゃばっしゃ鳴ってる
「あーうるせーうるせー、文句言うなら見んなおめーら。羽純は出ねーよ。なんも言ってねーし。ウチしか出んから、羽純が見たいやつは昼に上げた切り抜き見てな。一応主コメ置いとくか。えっとぉ……ほい」
【木雨雪羽純チャンネル】羽純は出ない
:いいよ見るよ
:期待して損した 登録切ったわ
:バラエティー番組のロケみたいな格好で草
:BADBADBADBADBADBAD
:まみち、何か辛いことでもあったのか。
:緊急で動画を回しています?
:羽純様のチャンネルなんだからスタッフは出しゃばんなよ
「勝手に言っとけー、ぼけが。別にこれおめーらに見せたくて撮ってるわけじゃねーし。じゃあ何で配信してっかってーと、そりゃ分かんねーけどさ。でも昔からずっと、視聴者1人とか相手にタラタラ配信してたから、ダンジョンに入ったら撮影すんだ、真美華は。はあっ、あーだる。はあ、はあ、これでいいかな。はあ、これならまあ、持つとこ多そう」
:口悪
:波走る渚ってよく出てるけど、もしかして生活圏?
:みんな羽純ママ見に来てるんだからチャンネル私物化みたいなのやめた方がいい
【¥1,000】がんばれ
:持つ所?
:バカデカ機械だ
:ちょ
:これロッククライミングの装備じゃん!
「はあ、はあ、はあ、ウチ苦手なんだ、高けーとこ。なのに全部買い揃えた。ヘルメットも、靴も、はあ、命綱も。はは、足スッゲー震えてきたわ。はあ、ここかな。うお、ぐぐ、はまった。よいしょ、はあっ、よーし」
:もたもた
:登るの??
:無理すんな
:危なくない!?
:つまらん
:何があったか分かんないけど、危ないことはやめたほうがいい
:これ羽純様知ってんの?
「小遣い使い切ったわー、はあ、このハーネスもお、アプローチシューズ?とかいうやつも、さっき飲んだ増強薬とかも……全部買って……うっし……15万ぐれーした、オキニのバッグ2個売ってさあっ、はあ、ゲームも売ってえ、あーくそもうハーネスなんか使わねーよ今後の人生で……よいしょ。はまれっ、この……うっわ!?」
:あああああ
:これ近くの誰か行って止めろよ
:やばいやばいやばい
:まみちって冒険者スキル何もないんじゃなかった?
:もうやめなよ
:まみちには無理だから、深呼吸してから帰ろうね
「ちょっと足滑らしただけだし! 通報とかいいから! はあっ、ぐぬぬぬ……はあ、はあ、はあ、チョーク……もっと……はあ、《登攀》取ったんだわ、あいつが1あれば登れるっつーから。だからここ最近、近所の滑り台に毎日登りまくって、取ったっ、ふう、でも全然大変すぎんじゃん……ぐう。はあー、はあー、はあー、ああーん? てめーら、ちくしょー、ウチを舐めやがってえ。いよし。へへ、へへへ、ほれ、こえーだろ。へへへへへ」
:ピィ
:おいやめろ
:わざと下映さないで!?
:まみち最悪すぎる
:滑り台ワロタ
:やっていいことと悪いことがある
:おしっこもれた
【¥1,000】何でこんなこと始めた?
「ウチは羽純みたく優しくねーからな、けけけ。っ……あ、ちょっと待ってぇ、ひーっ、ひーっ、命綱……カラビナはまってるよね……大丈夫、大丈夫……今ウチも下見ちゃった、これ漏らす気持ち分かるわ……。反省した、もうやんないわ……え何で? 何でかってもねー……ふんっ……ぐぬぬ、ひーっ……あったんだよお、いろいろとお」
:声めっちゃ震えてて笑う
:まみち虐に目覚めそう
:登るのゆっくりでいいからね
:もうこれ落ちたら死ぬ高さだろ
【¥100】まみち代
:命綱嵌められるところ減ってきたな
「ウチさあ、弱っちいんだわ。頑張れって言われたときに、頑張れなかったカスだから……はあ、はあ、スキルも取んなかった、ガッコも行けんくなった。ウチさあ、実は周りみんなガチ勢冒険者になりたいって学校通っててぇ、ウチみたいなフレーバー型ってマジで本気でやんなきゃいけなくってえ……くうっ、はあ! はあ! はあ! 風つえー! ……フレーバー型でガチ勢やってた先輩もいたけどぉ、あんなかっこよくて努力してんのにモンスターの前では無力でさあ、結局誰かに守ってもらうしかないって……! じゃあ私なんか絶対にまともなガチ勢になれねーじゃんって! 一生モンスターに太刀打ちできないんだろって! だから、どんなに努力しても、私はずっと守られる側でしかない、弱者のままの人生だって……はあ、くそお、ちくしょおぉ」
:まみちコンプレックスやばい
:頑張って
:ここまで登ったらもう頂上までいけ
:冒険者高校とかいたの?
【¥5,000】俺もフレーバー型だから分かる。ダンジョンのある時代に生まれたのに、役に立たないモブで終わるのはつらいよな。でもこのチャンネルのおかげでこないだ母親と初めてダンジョン1層を観光した。大嫌いだったダンジョンだけど、こういう親孝行もできるんだと思えたんだ。ありがとう。
【¥10,000】コメント見なくていいから落ち着いて登って!!!!!
:で、これ下りれんの?
「いまさら! いまさらマジになってさあ! 悔しくなったってさあ! おせーのは分かってっけどお……! ああっ、ぐっ、ぬぬぬ……ここ登れる? くそ、ちっちぇーなあウチの体……だったら、命綱引っ掛けてっ、っふひ、いくぞっ、おりゃっ! だっ……あ! ハマった! ハマったこれ! ひーっ、ひーっ、登るっ、登るぞぉ、いくぞっ……だああああ! んっ、死にたくないっ、手痛っ、ぐう、ふーっ、ふーっ、なんか音した? ああっ、ぐぬぬぬ、もうちょ……だはあっ! はーっはーっ、生きてる、はは、ははは……あー……どこまで話したっけ?」
:怖い怖い怖い見てらんない
:動きが素人すぎて心臓に悪い
:ゆっくりでいいがんばれ
:まみちが悔しがってるところ
:ジャンプこわ
【¥500】胸が小さくて悔しいみたいな話
:いけいけいけいけ
:もうやめて落ちそうだよ
:まみちが本気ってこと
「あーもう何でもいいや忘れた! 別に何か大事なこと話してーわけじゃーねーの、おめーらに聞かせてーわけでもねーの、っはあ、てっぺん見えてきた。空近けー。んー? アホかい、落ちるわけにゃいかねーっしょ。《登攀》1で登れるって羽純の言葉が嘘になっちゃうじゃん。そう、羽純だ。羽純にむかついてんだ、ウチは! っくそ、羽純にも、雑魚い自分にもむかついてる! 勝手に彼氏ヅラしやがる羽純にも! そんな顔させて、勝手に決められて、ホッとしちゃったウチにもっ、むかついてんだっ、ぐぐぐぐぐ……! はあ! はあ! はあ! 風やば。指の力も、やばい、くそお、水……水飲む、水っ、水っあ!? あー!」
:落と
:あああああああああ
:やめて
:(失神)
:ペットボトルさん落下
:怖い怖い怖い救助待って絶対もう無理だから
:これマジでやばいだろ
:通報してたから助けくるまでそこでじっとしてて
「ヒーッ、ヒーッ、やっばあ落ちてくの目で追っちゃったあ、ちっと漏れた、ちっとだけ、ヒーッ、もうやめてぇー。握力ぜんぜんねえーっ。いや、やめるとかもう無理だけど、怖すぎなんだってえ。でもっ、でもあと、あと少しなんだよな、あと少し、あと少しで頂上だからっ、諦めない、諦めらんない、ウチにだってできるって、役に立てるって……自分でそう思えなきゃ、もう前に進めないんだ……! ふんぬっ、ぐぐぐぐぐ……! これでえっ、ここ登ったら、これで頂上の天板……!」
:【悲報】まみち失禁
:こんなに必死なまみち初めて見た
:もうちょっと!
【¥500】お漏らし助かる
:こうなったら最後までいけ
【¥1,000】生還したらこの金でラーメンとか食え
:なんで俺まみちなんかで泣いてんだ?
:うおおおおおおお頂上くるぞおおおおおお
:あ
:え何で?
:うわ
:ドッキリ?
:はすみさま
「っぐぐぐ……っ、やったっ、これでっ、頂じょ……おっ、え! っ、羽純っ? っはあっ、ぐぬぬぬっ、いしょっ、はあっ、羽純っ、何でいんだよぉ、はすっ、はあ、はあ、はすみっ、はすみっ、何で……」
「……水要るかい?」
「いるっ!」
「……ふふ」
【¥5,000】無事に登れてよかった・・・
:羽純ママおるやんけ!
:よかった…もう大丈夫だ…
【¥3,500】きたああああああああ
:うわあああ
【¥2,000】まみちいいいいいいいいいママああああああああ
:おいまみちじゃなくて羽純様うつせ
:汗で化粧やば
【¥823】ママ
「んっ……ふっ、ふうっ、何でだよお……何でいんのお……?」
「向こう側の機械あるだろ、《跳躍》でそこから飛び付いてきたんだ。急いでいたから安全確保はできなかったが、足場が広かったから何とかなったよ」
「ええ……? 意味わかんね……はあっ、頭おかしーんじゃねーのお?」
「放送が始まって、小咲に教えられて急いで来たんだ。危険だから止めるべきかともと思ったが……そうすべきではないと思って。来ると信じて、待ってた。……起きられそうか?」
「起きゆ」
:景色…
:今北。ここはずっと昼?朝みたいな?
:あそこから跳躍使ったってこと?
:跳躍さん万能だからな・・・
【¥500】ママやさしい
:なんか関係性尊くない…?尊い…
【¥823】まみち、あまり羽純様を心配させるな
「うっわ……すげー光景。画面越しとは、ちげーわ、やっぱ。風強くて、冷たくて、立ち上がったら煽られて落っこちそう。命綱……ちゃんと付いてるよねえ。ん……みんなも見える? でもウチは景色なんかゆっくり楽しむ余裕、今あんまないかも。でも、ちょっとずつ……ちょっとずつ、落ち着いてきたかもしんないわ。……あのさ、羽純。いい?」
「どうした?」
「ウチさ、やっぱ頑張りたくなった。羽純が無理だって、危ないって言ってたあれ、頑張ってみたい。今から言いにって間に合うのか分かんねーけど、で、実際やったら多分めーっちゃ弱音吐きまくるけど、それでも大丈夫そーなら、や違う……許してもらえるなら、やってみたい。……羽純は、付き合ってくれる?」
「もちろん。いいよ、友達だろ」
「えっへ。ん……ありがと。……コメ、めっちゃ何の話ってくんじゃん。なーいしょ。けけけ。また今度話すから、いろいろ想像してな。……でさー……あのさー、羽純」
「んー?」
「こほん。……ここ下りんの、手伝ってくれりゅ?」
「……頑張れっ、応援してるぞ」
「えっ……あ、羽純!? 嘘ん!? うわマッジかあいつ!? 置いてっ、おい! 戻ってこ、ええっ!? 何なんだよお前! おまえー! あーもう! 分かったよ! やりゃいーんだろ! やるよ! 待ってろよ! 先帰んなよ! あ゛ーッ!」




