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【ダンジョン生配信】八王子ダンジョン第1層

:急に始まる

:アラーム見て飛んできました

:羽純さま〜〜〜〜

【¥100】こんにちは(^v^)

:八王子のダンジョンかな

:まみち欠席?


「冬青2年3月25日、17時00分16秒17、18……。ここは八王子ダンジョン第1層、“冥府ヶ原”。木雨雪 羽純だ、マツ男カートの配信から1週間ぶりぐらいだな。……もう4500人か。多くの人が見てくれているんだな。感謝する」


:かっこいい!前と違うジャージだ

:冥府ヶ原って観光する所ある?

:羽純さまに感謝してもらえる人生だった

:あれ、まみちいない?

【¥5,000】今日もお姉さま麗しくてすき……

:まみち欠席とか言う奴、神器で中継してるからいるに決まってんだろ

:マツ男カートが何だったんだってぐらい今日人いるな

:冥府ヶ原は行く価値ないよ。見るものないしさっさと次の救世砂漠行った方がまだ撮れ高ある


「さて、突然の配信となってしまったが、今日の配信は少しお知らせをさせてもらおうと思う。あ、真美華はちゃんといるぞ」

「やほー。うちはねー、今はちょっと画面の後ろいるー。《ノイズキャンセリング》のスキルで声聞こえないようにしてるだけだよー」


:【朗報】まみち生存確認

【¥100】まみち代

:大事なお知らせ・・・?ウッ心臓が・・・

【¥823】羽純さまがいっぱい喋ってくれると健康にいい

:悲しいお知らせですか…

:戦闘見たいです!

:ママぼくおしらせこわい

:これいま八王子に行ったら凸れるってこと?

:↑行ったら私がころす二度ころす


「まずお知らせその1だ。えー、このチャンネルの名前が変わる。『マミミンダンジョンTV』から『木雨雪羽純チャンネル』となる」


:えー!

:羽純さまガチでウィーチューバー転身!?

:【悲報】まみちクビ

:よっしゃあああああ!!!!

:羽純様が堪能できるチャンネルってことですか!?!?!?

【¥1,000】うおおおおおおお

:まみち…お前はトークはつまらんかったが実にいいやつだった…

:羽純様メイン!

:あ

:まみち出現


「あい、ここはウチが説明すんねえ。ウチはこれからこのチャンネルの専任スタッフとして、この撮丸で羽純を撮ってきます。たまに動画にも出るけど、あくまで羽純の伝えたいことを伝えるために、画面の外に行こうと思うんだ。まー顔出したら、そんときは羽純ぐれー歓待しろよなー」

「これは二人で相談して決めた、というか真美華から説得された。この方が視聴者が見やすいそうだ。チャンネル乗っ取りみたいで、全く気は進まないが……」

「つーか、ウチがそうしたいんだって! あのさ、ウチこれ別に目立ちたくてウィーチューブ始めたわけじゃねーんだ。そりゃお金稼げるから登録者数増やしたいけど、そもそもはウチの生まれ持った神器が撮丸でさ、結局これしかできんくて、これしかやれんかったから、今までがむしゃらやってただけ。ウチ、出演者やるより、あっち側にいるのが向いてっかなって。まーお前らがあんまり残念そうじゃないのがちょっとムカつくけどぉ」


:初期のつまんないキャンプ配信知ってるから…

:羽純様が来るまで登録者1500人ぐらいだったしな

:でもまみちに吸引力がないのはそう

:いるのは分かってるし

:初期の視聴回数300の動画とか見ると、残念でもないし当然

:俺は古参だ… かつてはダンジョン生配信という物珍しさから登録した… まみちが控えめになることが寂しくないわけでもないが… ずっと無理してたしつまんなかったのはかなり分かってるから今後のためにもいなくなるのはマジで英断だと思う… まみち、いままでありがとう…

:長文古参にさえ見切られてるのは流石に同情するレベル

【¥200】まみち代多め


「何なんだよおめーら!? あーもう、寂しがってるやつのためにサブチャンネルでも作ろーかとか思ってたけど、やめるわ! ばかやろー! はい、じゃあもう羽純にパスすっかんね!」

「あ、ああ。今後真美華はスキルで声は聞こえないようにするらしいが、ディレクターとして常に一緒にいてくれるから安心してくれ。それとお知らせ2だな。これは……見てもらった方が早いだろう。絶刀、顕現」


:え

:嘘

:なん

:ぜっとが

:なんこれ

:あああああああ

:神器が!

:は?

:刀ないなってる


「私は、“機能喪失”という原因不明の病気なのだそうだ。戦闘型の神器が変異し戦闘力が失われるというもので、去年の冬ごろに発症した。前のように戦えなくなったため活動休止していたが、治療法が見つからなくてな。スタッフやチームの仲間とも何度も話し合いをしたんだが、結局オルタナもそれで辞めることにした。ホライゾンの人が私の今後を(おもんぱか)って契約解除理由を非公開にしてくれたんだ」


:こんなことあるんだ

【¥10,000】泉水さんとのお付き合いについて

:羽純さま…

:じゃあもうダンジョンいるの危なくない?

:こんな神器で冒険者なんかもう

:ああー

:もう戦ってる羽純さま見られないんですか…

:こんなの泣いちゃう

:↑プライベートのこと聞くの良くないし否定してただろ

:すぐ出て!もうダンジョンに入らない方がいいかも!


「こうなってしまった以上ダンジョンの攻略はできないが、それでもダンジョンの魅力を伝えることはできると思う。多少のモンスターなら対処できるしな。んん、そうだな。真美華、見せていいか? 嫌か? どうしても? むう、仕方ない。許可は取れなかったがやることにしよう。すーっ」


:えっ何

:何してんの

:ホイッスル?

:魔物笛

:わ

:ギャア!

:画面ゆれ

:魔物笛だめだめだめだめだめ

:音デカ

:まみち嫌がってんだろ

:鼓膜さんさよなら

:許可とれよ

:ガチ勢冒険者はスルースキルも高い

:え、これモンスター呼ぶやつ!?


「よし。真美華、離れていろ。え? うん、ドローンにした方がいいだろう。そういうことじゃない? 大丈夫だよ、第1層で魔物笛鳴らしても大したことにはならない。さあ来たぞ」


:うわ

:アリ来た!

:逃げて

:5匹もいる

:コワイコワイコワイ

:俺は覚えている… 八王子ダンジョンでまみちがアリに襲われてカメラ吹っ飛んでたとき、誰かに助けてもらってた… 一瞬見切れるように映っていたが、まさかあれオルタナだったのか…?

:あいつ噛まれるとすごいやばいやつじゃ

:うわわわわわわ

:はすみさま逃げて!!!


「知られているとおりモンスターは神器以外の攻撃は基本通用しない。が、例外はある。神器なしの戦いは正直お勧めはしないが……まあ、見ていてくれ」


:何するつもり?

:ダッシュ

:足はや

:逃げる逃げる

:まみち追って

:羽純さま〜〜〜

【¥5,000】うおおおスパチャ投げるなら今だ

:めちゃめちゃ走ってる……?


「敵が多いときには各個撃破がセオリーだ。個体ごとに足の速さとスタミナは違う。後ろ見えるか、1匹突出したな。最初にあれを無力化させる。いくぞ」


:突っ込んでってる!

:反転はやすぎィ

:え、危ないって

:これマジ

:あ

:ぶっこぬいた!

:うわわわわわわわわわ

:ブチブチいってる

:2匹目いった

:速すぎる

:触角が


「撮れてるか? 撮れてたみたいだな。《腕力》は戦闘に使える基本スキルのうちの一つだ。私は8あるが、引き抜くだけなら2もあれば十分だろう。アリは情報把握のほとんどを触角に頼っているから、ああなるともう戦えないし巣に帰れない、1日ぐらいで勝手に死ぬ。あとは、そうだな。この絶刀でも使い道はあるぞ。見てろ」


:止まったらやばい

:腕力8!?MAX10のうち、8!?!?

:でかいぐろいやめて

:腕力8ってマジで世界で通用するレベルだろ

:マジでアリのたうち回ってる

:モンスターこわいすぎ

:あ

:え今の何

:ありがありころした

:首取れた!?

:何

:受け流しだ!


「最後はこう! らッ! よし、こいつは触覚を抜いてッ、これで対処は終了だ。今のは《受け流し》、アリの攻撃を他のアリに向けたぞっ。アリは攻撃方法が顎しかないから読みやすい。確かに表面は硬いが、関節部と脚は比較的脆いからそこを狙うといい。あとは放置でもいいんだが、第1層に仕留め漏らしを放置するのはマナーが悪いから殺虫剤を使うぞ。これはヒズマ製薬の8000円のやつだ、ダンジョン専門店なら大体どこでも売ってる。1匹で1本必要なのと、不規則に動く相手にはほぼ効かないからなるべくトドメを刺すときに使うようにな」


:これ無料で見ていいの

:やば

:本物のガチ勢ってこんな強いんだ

:すげええええええ

【¥1,000】鮮やか過ぎて、今泣いてます

【¥5,000】討伐報酬

:いや殺虫剤たっか

:あまりにもステゴロに慣れすぎている

【¥8,000】すごすぎて参考にならないが栄養になる

:アリ1匹に8000円か・・・

【¥1,000】まみちも撮影頑張ってた

:お金かかりすぎィ

:コスパわい


「うん、そうだな、金はかかる。見ろ。一応、アリの攻撃を食らっても大丈夫なようにこうやってリストバンドを着けてきた。汎用性が高いから1層ハイキングのときでも装備しておくのをお勧めするぞ。これはホライゾン社の出している4万円のものだ。白龍の毛が編み込んであり、アリ程度だったら5回ぐらい攻撃を耐えてくれる。今回の私は戦ったが、みんなはそのときになったら背中を殴られながら全力で逃げ切ってほしい。ダンジョンで生き残りたかったら、金は惜しむな。命は金では買えないからな。私もこの配信を始めるにあたって、真美華のお兄様から200万借りた。みんなは装備をケチって死ぬより金を出して生き残ってほしい。約束だよ」


:ママ…

:こんな強いママみ、僕のデータにないぞ!?

:4万かあ~~~!

:まみち兄何者?

【¥30,000】はい、羽純ママに一生ついていきます…

:たっけえ

【¥1,000】まみち妹キャラだったのかよ!!!(大歓喜)

:めちゃめちゃバイトしよう

:にひゃくまん

【¥50,000】羽純様ママ概念助かる

:心に羽純ママを住まわせていきていきます

:この人が俺のママだったのか


「アリの素材は採るのに時間かかるから、まあこれは配信後に集めておくよ。そうだな、あとは……え? ああ、うん。そうか、冥府ヶ原の魅力についてだな。……んー、そうだなあ。ああ、少しマニアックな話になるが、見てみろ。冥府ヶ原は大量のタンポポが自生している。ここのタンポポは全て在来種のカントウタンポポだ。花の下の部分が丸いだろう、よく見る外来種のセイヨウタンポポはここがささくれ立っている。昨今カントウタンポポは土地開発とかで生息地が減っているから珍しいぞ。……こんな感じか?」


:へー

:そうなんだ

:珍しいたんぽぽ

:ふーん

:ためになる

:そっか

:知らなかった

:なるほどー


「みんなあんまり興味なさそうだな……。うーん、あとはタンポポは食用になるから、この先の層で食料問題が出たときは洗って食べてもいい……ぐらいか? むう、喋りももっと勉強しておかないとな。ん? そうだな。このぐらいにしておこう。今日はゲリラ配信でもあったし、このへんで失礼するよ。いいな? うん、それではこのへんで……と、最後に一言だけ。泉水(せんすい)(あらた)とはチームメイト以上の関係は無かったし、仮に私が今後どんな恋愛をしようと君たちに関係のないことだ。ではまた、次の配信で」


:おつまみー

:お疲れ様でした。

【¥100】またやって(^v^)

:プライベート詮索イクナイ

【¥500】次も楽しみにしてます!

:それは確かにそう おつかれさま

:ママありがとう

:おつまみみん

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