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悪役令嬢を名乗った私ですが、ラスボス竜騎士団長に「一生愛す」と求婚されました  作者: みー


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第15話:【共闘の始まり】竜騎士団の資料を漁る悪女〜呪いの謎と、新たな敵〜

ゼフィールとの愛で、私の心は満たされていた。しかし、私には、愛する夫のために果たすべき使命ができた。


"竜の血の呪いを克服する"――それは、彼を真の自由へと導き、私が彼の"命綱"ではなく、"対等な妻"として隣に立つために必要なことだった。


私は、ゼフィールに許可を得て、黒の竜騎士団の資料室への立ち入りを始めた。


「お前が"悪女"として、俺の機密を探るのならば構わない。だが、団の規律は守れよ、セシリア」


ゼフィールは私にそう忠告したが、その口元はデレデレと緩んでいた。彼は、私の"悪女の知恵"が、必ずや呪いの突破口を見つけると信じているのだ。



資料室は、王宮の書庫とは比べ物にならないほど冷たい空気と、古びた羊皮紙の匂いが充満していた。


私が探しているのは、ゼフィールの呪いに関する"竜の血の歴史"だ。


ゲームの知識では、竜の血は"最強の力だが、制御不能"という設定しかなかった。しかし、転生前の私が読んでいた『花冠の乙女と五人の騎士』の裏設定資料集には、こんな記述があった。


――"竜の血を持つ者は、古代魔法王国時代の"聖女"の血によってのみ、その狂気を鎮めることができる"


「聖女の血……。そんなもの、どこにあるのよ」


この国には、形式的な"聖女"はいるが、それは儀式的な存在で、真の力を持つ者ではない。


私は資料を読み進めるうち、ある驚くべき記述に辿り着いた。

『竜騎士団の創設時、初代団長の妻は、南の辺境国から来た"癒やしの力"を持つ巫女であった。彼女は団長の呪いを鎮め、竜の血を、国家の守りへと昇華させたという』


「南の辺境国……癒やしの力を持つ巫女」


これは、ゼフィールの呪いを鎮めるヒントになるかもしれない。南の辺境国は、魔導士や呪術師が多く、王都の貴族からは蔑まれている地域だ。


「ゼフィール、あなたはこれを……」


私は急いでゼフィールの執務室に向かった。


「南の辺境国の巫女……その資料は知っている」


ゼフィールは仮面を外し、私に正直に答えた。


「だが、その巫女の血筋は、何百年も前に途絶えている。もし、その巫女の末裔がいるとしても、王都の貴族が、下賤な辺境の巫女を妻として受け入れるはずがない」


彼はそう言って、私を優しく抱きしめた。


「お前は、俺の妻だ。お前を失うリスクを冒してまで、途絶えた血筋を探す気はない」


ゼフィールは、私を愛しているがゆえに、私を危険な探求に巻き込みたくないのだ。


「いいえ、ゼフィール」


私は彼の腕から離れ、彼の目を見つめた。


「わたくしは、愛のない契約であなたに縛られていた時よりも、今の方がよほど勇敢な悪女でいられますわ。このまま、あなたが夜な夜な苦しむのを見るのは、わたくしの悪女のプライドが許しません」


私は彼の頬に触れ、微笑んだ。


「その南の辺境国の資料には、巫女が持つ特別な紋章が描かれていました。この紋章が、今もどこかに残っているかもしれませんわ」


私たちの愛は、単なるロマンスではない。二人で課題に立ち向かい、互いの存在価値を高め合う、共闘の愛なのだ。



ゼフィールは、私の強い決意に、ついに折れた。


「……わかった。お前の悪女の知恵を信じよう」


彼は私を再び抱きしめ、熱いキスを落とした。


「ただし、危険な探求だ。決して一人で行動するな。お前は俺の命だ。お前を失えば、俺は真のラスボスとなり、この国を滅ぼしかねない」


その言葉には、私を失うことへの、強烈な恐怖と愛が滲んでいた。


私たちの前に、新たな課題が立ちはだかった。

しかし、その課題に立ち向かう私たちの元へ、予期せぬ妨害者が現れるのだった。


__________

その夜遅く。


王太子アルベールとリリアーナは辺境に追放されたはずだが、王都の暗い路地裏で、黒衣の怪しい男と密会しているという、極秘の報告がゼフィールに届いたのだ。


「追放されたにも関わらず、王都に残っていた?」


ゼフィールは怒りを露わにした。


「奴らは、まだ懲りていないようだ。王太子らを唆し、私たちを陥れようとした黒幕がいるのかもしれない」


私の背筋が凍る。ゲームのシナリオには、王太子とヒロインはただの"悪役"で、黒幕など存在しない。


「セシリア。お前は調査を続けろ。俺は、お前に手を出そうとする新たな敵の正体を暴く」


私たちは、真の愛で結ばれたばかりにも関わらず、この国を揺るがす新たな陰謀に巻き込まれ始めたのだ。

(第15話・了)

(次話予告:【王太子の反逆】追放された元婚約者が、新たな敵と結託する理由)

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