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悪役令嬢を名乗った私ですが、ラスボス竜騎士団長に「一生愛す」と求婚されました  作者: みー


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第13話:【夫婦の真実】初めての甘い夜と、悪女が手に入れた最高の幸せ

【注意】 このエピソードには、登場人物の情熱的な描写や、親密なスキンシップが含まれます。苦手な方はご注意ください。

「俺はお前を、一生愛す」


馬車の中で告げられたゼフィールの言葉は、私の心を縛り付けていた全ての鎖を解き放った。愛のない契約、破滅への恐怖、そして"悪女"としての演技――その全てから、私は解放されたのだ。


「ゼフィール……わたくしは……」


彼の胸の中で、私は初めて偽りのない感情を口にした。


「わたくしも、あなたの持つ優しさを知ってしまいました。あなたが孤児たちに見せる、誰にも言えない秘密の優しさを。その優しさに触れたときから、わたくしは……もう、あなたを悪魔の夫として恐れることなど、できなくなっていました」


私は彼の軍服を握りしめた。


「わたくしの目当ては、もう、地位でも富でもありません。ゼフィール。あなたの傍にいることですわ。あなたの孤独を、わたくしの手で癒したい」


それは、悪女の仮面を脱ぎ捨てた、一人の女としての愛の告白だった。


ゼフィールは、その言葉に深く息を吐いた。それは安堵であり、喜びであった。


「ああ、セシリア。お前がそう言ってくれるのを、どれほど待っていたか」


彼は私の顔を両手で包み込み、ゆっくりと、深く、私の唇に口づけを落とした。先日のような激情に駆られた強引なキスではない。優しさと、深い愛情に満ちた、真実の愛を確かめ合うキスだった。


「愛している。私の全てだ」


"黒竜城"に戻ると、ゼフィールは私を抱きかかえ、そのまま階段を上った。向かう先は、これまで呪いを鎮めるためにしか使われなかった、彼の私室だった。


「団長……今日は、呪いは」


「呪いは、もう関係ない」


彼の声は低く、熱い。


「お前は、俺の孤独と呪いを鎮める特効薬ではない。お前は、俺の愛しい妻だ。今夜は、契約ではなく、愛のためにお前を抱く」


彼の部屋は、これまで入ったどの部屋よりも、質素で殺風景だった。大きなベッドと、分厚い壁、そして魔除けの紋章。しかし、彼が私を愛していると知った今、その部屋は、私たちだけの聖域に感じられた。


ゼフィールは私をベッドに下ろし、優しく私のドレスのホックを外していく。


「お前のその悪女の仮面に隠された、真の美しさを、俺だけのものにしたい」


彼の指先が触れるたび、私の体は熱を帯びていった。


「愛のない妻など、もうやめだ。お前は、俺に焦がれる、熱烈な妻になればいい」


彼はそう言って、私の耳元に甘く囁いた。


「この命と、俺の力。全てをお前に捧げる。だから、俺もお前の全てを奪うことを許せ」


彼の熱い吐息が、私の肌を焼く。私は恥じらいながらも、彼の力強さと、そこに込められた真実の愛に、抗うことはできなかった。彼の体が私を包み込み、二人の肌が触れ合うと、彼は私を優しく抱きしめ、何度も私の名を呼んだ。


それは、これまでの不安や孤独を溶かし去るような、甘く、熱い夜だった。

ゼフィールの愛は、夜の闇のように深く、独占的でありながら、私を包み込む温かい光でもあった。


愛のない契約結婚は終わりを告げ、私たちは、真実の愛で結ばれたのだ。


__________

翌朝、私はゼフィールの腕の中で目覚めた。


目を開けると、彼の仮面のない素顔が、私を見つめていた。その瞳は、冷酷さの欠片もなく、私への深い愛情だけで満たされていた。


「おはよう、セシリア。昨夜はよく眠れたか」


「はい、とても」


私は微笑み、彼の首筋に頬を寄せた。


「お前を愛している」


彼はそう言うと、私の額に口づけを落とし、私の髪を優しく撫でた。その指の温もりは、最強の騎士団長のものではなく、私だけを愛する一人の夫のものだった。



私は、悪役令嬢としての破滅を避けるため、冷酷な悪女を演じた。だが、その結果、この世界で最も恐ろしいラスボスの、一生をかけた真実の愛を手に入れたのだ。


「この先、もう誰も、私たち夫婦に手出しはできませんわ」


私はゼフィールの腕の中で、確信した。

(第13話・了)

(次話予告:【新婚生活の甘い日常】夜の呪いと甘い抱擁、そして団長のデレデレな素顔)

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