過ぎ去りし栄光2
スマホの時計を見る。
サ終まで5分もない。
数年間共にしてきた相棒、いや欲望と理想を煮詰めて作り出した本当になりたかった自分。
時代遅れと言われたMMORPGを飽きることなく時間という見えない財産をふんだんにつぎ込んだ。
ソレ故に、満足感と虚しさが心を覆う。
「最後にアレ使うか。」
集めたアイテムは無に帰す。
ならば今使わなければ。
アイテムボックスから黄金の鍵を取り出すと何もない空間に鍵穴が出現。
鍵を回すと、扉が開く様な大きな音。
中に一歩踏み出すと金銀財宝が山のように積み上がった部屋に転送された。
その部屋は壁が遠くにありすぎて見えず、天井は20メートルほどの高さにある。
金銀の硬貨を踏みしめながら歩き。
金の延べ棒で作られたピラミッドを登り、その頂点に一つの椅子。
そこにゆっくりと座る。
この椅子に座ったのは今回で二回目。
宝物庫と言うのは名ばかりで珍しいアイテムなどをとりあえず此処に突っ込んでいくための倉庫が完成した時に座った。
だが、今は宝物庫の名にふさわしい。
世界を歩き、手に入れた貴重なアイテムや宝石が大地のように眼下に広がっている。
どこをみても目が潰れそうなほどの輝きを放つ宝に、征服欲がみたされ満足そうに微笑む。




