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今日は久々に学校に長居したな。っていうかこんなに長くいたのは始めてでは無いだろうか。
それこそ入学したばっかりのグループに属していた時。
あぁ、考えてたら悲しくなってきた…。
結局あの後一人で掃除を終わらせた後、せっかくならということで先生の所に行って授業の疑問点だけ解決してきた。
うちの高校はそこそこの進学校らしく授業のレベルも高いらしい。
クラス分けは入学テストの成績順で5組から1組に分かれている。
俺は今5組に通っていてそれだと頭が良いのかと思われるかもしれないが、上に特進クラスが2つあるので実際は上から3つ目ってとこだろう。
しかし、実のところ俺は特進クラスに行けた。だが説明を聞いた時特進クラスのみ土曜日も授業があるらしく辞めておいた。
今考えるとただでさえ苦痛な学校に通わなくて済むからあの時の俺はナイス判断だっただろう。
クラスが違えば今と同じ状況に陥ってはいなかったかもという考え方も出来るが…。
さもあれ、学校で用が済んだらさっさと帰るのみだ。 今日は細い近道を通ろう。
俺は学校から駅までの道を早足で帰るが、始めて見る光景を目にしていた。
3人組に1人の少年が暴行を受けていた。
細い道で車とかの通れる道では無いので人目につかないところを選んだのだろうか。
やられてる方とやってる方が同じ制服を着ているので同じ学校であろう。体格的に中学生くらいであろうか。
普段は厄介事に首を突っ込まないようにしているが流石にこうも一方的にやられてる光景を目にして、しかも止められるのが俺だけの状態になると止めるしか無いな。
「おい、何してるんだ。 止めてやれ」
「…あぁ? なんだテメェ」
答えを返してきたコイツ、体格は凄いいいな…。
「3人組で寄ってたかって良くないだろ。その子がなんかしたのか?」
「あぁ、うるせぇ。関係無い奴は引っ込んでろ」
再び3人で蹴り出すので割って入った。
「辞めろって言ってんだろ、お前ら!」
「じゃあ、お前が替わりに蹴り喰らうかよッ!」
問答無用で足に蹴りを放ってきた。
蹴りを放った数秒後足を抱えてうずくまることになる。相手の中学生が。
「テメェ、なにしやがった!!」
「いや、何もしてないが」
断じて何もしてない。人に見えない速度で蹴りを放つとかそんな能力無いし。
「お前ら、やっちまえ!!」
「え、でも健児さんがやられた相手に勝てるわけ無いですよ…」
「いいからやれって言ってんだ!」
意外と意気地の無い連れだった。
丁度いいからこの状況を利用しよう。
「おい、お前ら。早くコイツを抱えて去れ。そうしないとコイツみたいになるぞ」
「わかりました、早く帰るんで見逃してください…!」
健児とかいう男を抱きかかえて帰るその他2人。健児とか言うのは最後までずっと騒いでいたが去っていった。
この場に残ったのはやられていた少年と俺の2人きりとなった。
「君大丈夫か?」
「ごめんなさい。 ありがとうございます…」
「普段からあんな暴力振るわれてるのか?」
「いえ、普段はパシリくらいなんです。 だけど今日あいつらに命令されて買ってきた飲物をあいつにこぼしちゃったんです…。 それが気に食わなかったのか僕のこと帰り道でボコボコにしてたって感じです…」
人にパシリさせてるんだから全く同情出来ない、100アイツが悪い。
「また何かされたら連絡してくれていいからな。俺の名前出したらイジメが止まるかもしれないし」
「申し訳無いです…。 ありがとうございます…!」
涙を流されながら連絡先交換を行った。こんな泣きながら交換するのも今後無いだろう。
少年はペコペコしながら帰って行った。
そういえば久々に連絡先交換したな…。
入学直後のグループに入ったときにした以来だ。1,2回しか連絡取らずに終わったけど…。
「はぁ…」