第7話「瀬戸際」
いやー、前回言っていた面白い部分の25パーセントしか書けなかったです。
これは100%私のミスですね。すいません。
しかし、次回はあと75%の面白みと、ようやく物語が大きく動きます!!
しかし、その”いつも通り”は今日までだった。
午前1時13分49秒。妹の部屋からTikTokで流行っている音楽がまだ流れていた。その時、突然の閃光と轟音が庭を襲った。
ドーン!
その一瞬で、人工芝を敷いた庭は真っ黒こげになり、雨が降っているにもかかわらず、火が上がった。しかし、時間が経つと徐々に雨で消えていった。
家族や周りの住人はその雷を聞いて、はっと目が覚めた。それもそのはず、近くで雷が落ちたのだから。しかも、その雷は過去に例を見ないほどの大きな雷とまで言われるものだ。
妹もさすがにTikTokの再生を途中で止め、布団にくるまり、怯えていた。両親はすぐさま俺と妹の安否確認をした。そのあと、妹は親と兄である俺を2階にある自分の部屋から呼んでいた。1人でいるのが怖いのだろう。仕方ない、まだ中学生なのだから。
1階にいる親は、今からでも避難するべきかどうか、落雷した庭の状態を確認しようともしていた。テレビは先ほどの落雷で停電になったためつかず、ろうそくを1本テーブルに置き、ラジオをつけて話し合っていた。その落雷の影響だろうか、家の1階の一番大きな窓は割れ、雨風が家の中に入ってきていた。
一方、俺はというと、今ベットの上に設置されていたエアコンに喰われている。どういう状況かというと、頭の上のエアコンが自分の頭に落ちてきたのだ。なぜ落ちてきたのかというと、俺の記憶と予想を織り交ぜたものだが、まずステップ1、自分(家族)の家の庭に過去最大の落雷が落ちた。これがすべての元凶だ。本当に許せない。そしてステップ2、その落雷から出た枝分かれした雷が俺の部屋と壁越しの横にあった室外機に雷撃。クリティカルヒット! 次にステップ3、その電流が室外機を通ってエアコンに侵入。最後にステップ4、エアコンに侵入した電流はエアコンの外に放電、その影響でエアコンは俺の頭に向けて落下。ステップ5、俺の頭全体がエアコンの中に。あら、びっくり。そんなこんなで今に至る。
妹は俺の返事が一切ないことに気が付いた。「兄ちゃん?」そう言い、くるまっていた布団をそっと置き、俺の部屋へ向かった。「お兄ちゃん」そう言っても俺は返事を返さない。いや、返せないのだ。「開けるよ、お兄ちゃん」そう言って妹は俺の部屋のドアをそーっと開けた。そこにあったのは、エアコンにミミックのように頭を喰われている状態の俺だった。
エアコンからは焦げた煙とにおいが部屋一面に広がっていた。もちろん、ちゃんと頭に電流は受けている。もう、生きることはできないだろう。
妹はその光景を見て、震えながらも両親を呼びに行った。「お父さん、お母さん、兄ちゃんが…!」
両親は階段をどかどかと上がり急いで駆けつけた。妹が俺のことは今は「兄ちゃん」と呼んでいたので「お兄ちゃん」と呼ぶことは俺が通信制の高校に進む前まではよく言っていたが今はない。だから、それを知っていた両親は妹の焦った声と呼び方で良星が異常事態であることは容易にわかった。そして、両親は俺の状態を見て愕然とした。母は涙を流しながら、「どうしてこんなことに…」と呟いた。
父は冷静さを保とうとしながらも、震える手で救急車を呼んだ。しかし、雷の影響で通信が途絶えていた。
「どうしよう…」父は絶望的な表情を浮かべた。
エアコンに喰われた状態の俺は、意識が遠のいていくのを感じていた。頭の中で、過去の記憶がフラッシュバックのように駆け巡る。
幼い頃、家族と一緒に行った海辺の思い出。波打ち際で遊んだあの日、父と母の笑顔が鮮明に蘇る。あの時に俺は溺れそうになって海が怖くなり、泳げなくなったんだよな。妹が初めて歩いた瞬間、家族全員で喜び合ったあの瞬間。俺はあの時4歳だったかな?けど、その記憶だけは風化しない。すごくうれしかったから。だから俺が通信制に行って、妹の対応が冷たくなってそのことについて謝りたいな。俺が通信制に入って迷惑かけてるんだったら、ごめんって。通信制高校に入ってからの新しい出会い。あいつらにいわれたとおり、避難所に行っていれば。そんなことより、あいつら2人と学校生活最後までバカやりたかったな。俺と友達になってくれてありがとうって言いたかったな。全てが一瞬で頭の中を駆け巡る。
その時、脳内で何かが変わった。普段使っている脳のリミッターが解除されたような感覚が広がる。意識がクリアになり、周囲の状況が鮮明に見えるようになった。まるで時間が止まったかのように、全てがスローモーションで見える。
脳内で電流が走るような感覚が広がる。まず、電流は視覚脳を通り抜け、視界が一気に明るくなる。次に、聴覚脳を刺激し、周囲の音が鮮明に聞こえるようになる。さらに、運動脳を通過し、全身に力がみなぎる感覚が広がる。最後に、前頭前野に到達し、強い意志が芽生える。
「俺は…まだ…生きている…」心の中で強く念じた。その瞬間、脳内の電流が全身に広がり、体が再び動き始めた。だが、エアコンの重さはまだ圧し掛かっている。
「絶対に生き延びて、今度はもっと自分に素直に生きてやる…」その強い意志が、俺の体を再び動かし始めた。視界が一気に明るくなり、周囲の音が鮮明に聞こえるようになった。しかし、その後すごい眠気が襲ってきた。
その時、ようやく通信が復旧し、父は震える手で救急車を呼ぶことができた。「救急車をお願いします!息子が…」父の声は震えていたが、確かに救急隊に伝わった。
数分後、救急車のサイレンが遠くから聞こえてきた。家族は俺を担ぎ出し、救急車に乗せた。妹は泣きながら俺の手を握りしめ、「兄ちゃん、頑張って…」と何度も繰り返していた。両親も必死に声をかけ続けた。
救急車の中で、俺は妹や両親の顔を見つめながら、心の中で誓った。「もうそんな顔させたくないな。いや、させない」と。
救急車の中は緊張感に包まれていた。救急隊員が迅速に処置を施し、俺の状態を確認していた。妹は涙を流しながら、「兄ちゃん、お願い、目を開けて…」と何度も声をかけていた。両親も必死に祈り続けていた。しかし、それに反して眠気は強くなる一方だ。
病院に到着すると、医師たちが迅速に対応してくれた。俺の意識は次第に薄れていったが、家族の声が遠くから聞こえていた。
「良星、頑張って…」母の声が最後に聞こえた。
作業の一部、AIによる使用をしました。(https://www.microsoft.com/en-us/licensing/news/Microsoft-Copilot-Copyright-Commitment)(https://openai.com/policies/terms-of-use/#3-content)