トリガー
※フィクションです。
─カチャーン!
小学校の時の給食の時間。
俺のスプーンが床に落ちた。
わざと落としたわけじゃない。
手が机にぶつかった拍子に落ちたのだ。
スプーンの落ちる音が教室内に響いた瞬間だった。
俺は席を立ち、教室を出て走って逃げた。
校門を出て、近くの小さい公園のところまで走って逃げた。
突然の行動だった。
当時の俺は真面目でつまらないやつだった。
テストはいつも百点だし。
宿題もいつもきちんと提出していた。
学級委員長もよくしていた。
問題行動をするやつじゃなかった。
だけどあの日。
スプーンが床に落ちたあの日。
あれから、俺は変わった。
テストは0点ばかり取るようになった。
宿題もほとんどしなくなった。
学級委員長もサボりまくって、途中で降ろされた。
ただ、スプーンが床に落ちただけなのに。
俺は、俺自身が驚くほどに、あの日を境に人が変わった。
変わった…というより、変わりたかったのかもしれない。
真面目なだけのつまらない俺の日々を…
変えたかったのかもしれない。
何でもいいから、トリガーが欲しかったのかもしれない。
俺のトリガーは、あの日…スプーンが床に落ちた時。
ただそれだけのことなのに。
あの日から俺の人生は大きく変わった。
スプーンが床に落ちただけなのに。
何故この詩を書いたのか私自身よく分かってないので、感想をいただいても返信が難しそうで。なので、感想欄は閉じます。
お読みくださりありがとうございましたm(_ _)m