表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天仕の少女と魔人の少年(天女と魔年)、天仕の少年と人間の少女(天年と人女)の物語  作者: 説那


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/79

天女と魔年 後編 第七話 望み

 病を患っていたマクシミリアンは、私の魔力を摂取したことによって、症状は治まった。その後のやり取りも、別れる前と特に変わらなかった。

 結局、マクシミリアンが防護室を出た後寝てしまい、気づいた時には、部屋に敷かれた寝具の上だった。私を抱きしめながら、こちらを見ている彼と目が合った。


「おはよう。リシテキア。」

「・・おはよう。貴方は休めたの?」

「これ以上ないほど、ぐっすりと眠れた。」

 そういう彼の顔色はよくなっていて、嘘はついていないであろうことが分かった。彼が湯あみをしたせいか、腕の中はとても暖かく、石鹸らしきいいにおいがする。

 私も湯あみをしたいなと思っていると、彼の手が私の背中を撫でた。


「背中の羽も消えた。寝て魔力も回復したようだな。もう、この部屋を出られるだろう。」

「それはよかった。」

 私は、身体を起こそうとするが、彼の腕は私をがっちりと寝具に縫い留めていて離れない。

「動けないけど。。」

「リシテキア。」

 彼は、私の顔の近くで、口の端を上げて笑う。

「君を私にくれないか?」


「それはどういう意味?」

「言葉通りだが。先ほども言ったはずだ。私たちが回復した後のことを心配すべきだと。」

 幸いこの部屋は防音だ。いくら声を出しても外には漏れない。と彼は言葉を続ける。

「私はいいけど。。身体が痛くなりそうよ?」

 私たちが寝ているのは、硬い床の上に敷かれた寝具の上だ。しかも暖かいとはいいがたい部屋。この後、汗をかくような行為をするとはいえ、風邪をひかないだろうか?

 私の返答に、なぜか彼は戸惑ったような様子で、腕の力を緩めた。


「マクシミリアン?」

「慌てるか、嫌がるかされると思ったが、意外と冷静に返されてしまった。」

 彼が横に視線をそらした。

「なぜ、嫌がると思うの?私たちは結婚するのでしょう?そういう行為もするものではないの?」

「君は分かっていないわけではなかったのだな。」

 彼は軽く息を吐いた。


「もしかして、天仕でいう結婚と、魔人でいう結婚は、違うものなのかしら?」

「いや、同じだと思うが、魔人は、あまり結婚はせぬ。」

「しないの?」

「結婚する必要が特にない。別に結婚しなくても、子が欲しければ作ればいいし。相手と一緒にいたければいればいい。だが、君は私と結婚してもらう。」

「それはするものと思っていたけど。」

 私が首を傾げると、彼はさらに言葉をつづけた。


「君は天仕だから、私と結婚して、他の魔人が付け入る隙を与えないようにしておきたい。他の魔人に分かりやすく、私の庇護下である旨を示すのに、結婚することが必要なのだ。」

「なら、結婚するのはあくまで形式的で、私とそういう行為はしないの?」

「それは・・。」

 私を見つめる彼の瞳が揺れた。こういう時、彼は自分の気持ちを押し殺してしまう。私は別に彼がそれを望んでいないのならそれでいい。それに彼以外の人に抱かれるつもりは少しもなかった。


「私は、君が嫌がることはしたくない。」

「私が望んでいたら、してくれるのね?」

「リシテキア・・。」

 彼が私の首筋に顔をうずめてきた。首筋に温かく柔らかい感触が当たる。

 ・・必要以上に彼のことをあおってしまったらしい。私が彼に言いたかったのはそういう意味ではなかったのだが。私は慌てて言葉を紡いだ。

「マクシミリアン。ちょっと待って。」

「どうした?」


 彼が私の首筋から唇を外し、私の顔を見つめてくる。彼が中断されて怒っている様子はないことを見てとって、私は首を横に振った。

「今はまだだめ。私からも条件を付けさせて。」

「条件?」

「そう。つまらないことかもしれないけど。私はいくつか理想?めいたものがあるの。貴方なら叶えてくれるでしょう?マクシミリアン。」

 彼は、私の言葉を聞いて、口の端を上げる。

「もちろん。君の望みはすべて叶えてみせよう。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ