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8.連射弓

Side: 府谷恭平

中庭には、呑家くんと唐西さんがスタンバっていた。

「早かったね、そんな簡単に作れる物なんだ。」

「というより、唐西さんがかなり作り慣れていますね。電動糸鋸を使用したのもありますが、サクサクッと木材を切り出して、パパッと作っちゃいました。」


呑家くんが少し呆れ顔で説明する、唐西さんが持っているのがその連射弓なんだろう。

なんだか想像していたクロスボウよりかなりゴツくて、矢をストックする弾倉部分と一体化している為、正面から見て縦に長い。

特徴的なのは大きな歯車で、これを電動ドリルで回して弦を引くのだろう。


「それでは、早速見せてもらってもよろしいですか?」

「はい、では20mの距離からいきますね。」

と携帯型だろう電動ドリルのトリガーを引く、アッとゆう間に的に十数本ほどの鉄の矢がズガガガガッと突き刺さる。


「は?」

一瞬、理解が追いつかなかった、ヤバいなんてもんじゃない。

人に向けて打っちゃ駄目なヤツだろうと思ったが、武器なので当たり前かと思い直す事にした。


「採用。」

「え、まだ20mしか打ってませんが?」

「威力が充分なのは見て分かりました、どれくらいまで飛ばせますか?」

「50mまでは確認しましたが、殺傷力があるのは30mくらいまでだと思います。」

「因みに矢が唯の鉄串に見えますが?」

「はい、矢羽があると矢の装填が複雑になるのと装填数を多くする為、バーベキューで使う唯の鉄串を使用してます。」

ふむ、そんなものかと思いながら舟酒さんにも意見を聞いてみる。


「舟酒さんどう思いますか?」

「これはいいですなぁ、でもちと射程が短いですね。」

舟酒さん的には、近距離武器としては申し分ないとのこと、これとは別に射程が長いものも欲しいらしい。


「これは携帯を前提に作ったヤツなので、勿論、長射程の構想もあります。よかったらそちらも作ってみたいのですが。」

と唐西さんもやる気満々だ、しかし、その前にこの携帯型連射弓ももう少し数が欲しい。


「唐西さん、こちらの携帯型も数を揃えたいです、他の人に作り方を教えることは可能ですか?」

「いやいや、これはそんなに複雑な物ではありませんので、設計図通りに木材パーツを切り出せば誰でも作れますよ。」


ということなので、給水班の3人に木材パーツの切り出しを依頼した。

丁度、給水機設置が頓挫して暇だったからだ。

流石、本職の大工さん、もとい建設作業員、電動糸鋸を使って上手い具合に1セット分を切り出してみせた。

唐西さん監修の元、弓と電動ドリルを取り付ける。


「試しに撃ってみて下さい。」唐西さんから手渡されたので射撃場の的に向かってトリガーを引くと、見事に鉄矢が突き刺さる。

「こんな簡単に出来るものなのですね。」


量産化の目処は立った。

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