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60.北部戦線

Side: 府谷恭平

筑紫神社が占領されたそうだ。

「他の所はどうなってます?」

「筑紫館跡の東にある柴田城と中牟田城から兵が出て来るみたいです。」

「朝日山城方面はどうですか?」

「こちらはまだ集結中のようですね。」


そういうことなら筑紫神社をサクッと落としに行くか。

「舟酒さん、準備の方は如何ですか?」

「いつでも行けますぜ、所長。」

「なら出発しますか。」


舟酒さんのハイラックスを先頭に8台の連射弓搭載のEVトラックが続く、その後を電動バイクが30台ほど。

そして、無数の自転車が追いかける。


道が整っている為、30分程で筑紫神社に到着する。

まだ矢が届く距離では無いが筑紫軍の人達がビックリしている様子はよく分かった。

おそらく彼らの偵察隊を追い抜いてしまったのだろう。


皆んながガスマスクとゴーグルを着用し、戦闘態勢に入ったのを確認して、筑紫神社へ進軍する。

最初の鳥居に着いたタイミングで仕掛けのスイッチを押すと、筑紫神社中に催涙ガスが充満した。

さらに神社の裏手辺りに設置したスピーカーから盛大に鬨の声が響き渡る。

催涙ガスで目を奪った後に耳でも混乱させる。


これで大分、正面の守りが薄くなっているはず。

彼らが混乱している感じが伝わって来る、成功だ。

此処で突撃の命令を下すと、所定の部隊が一斉に突入していった。


先ずは白兵部隊が先行して安全を確保し、次に鉄砲隊が入り銃撃を行っていく。

今回は時間との勝負になると思うので、捕虜は取らず最低でも戦闘不能にするように指示してある。

こうして境内まで一気に制圧した。


上空からはドローンで監視し、逃亡者がいれば電動バイクの遊撃隊が追撃する態勢だ。

と思っていたら結構逃げ出した兵が多い、50人くらいかな。


やはり催涙ガスは一度使っているので、何かしらの対処がされてしまったのだろう。

今後使う際は要注意だな。


「下平さん、逃亡者がいます。ある程度追撃してきて下さい。もう一戦あると思うので程々で。」

「了解です。」


しばらくして舟酒さんから周辺の制圧も終わったとの連絡が来た。

そしてドローンで監視していた柴田城と中牟田城の兵だが、今こちらへ向かっているとのこと。


「所長、2つの城からはそれぞれ200人ずつが此方へ来ているそうですが、ここで迎え撃ちますか?」

舟酒さんが聞いてくる、迷うな。


前回と同じく包囲戦術でいくか?

しかし前と同じことをしても対処されているかもしれない。

敵を筑紫館跡の更地に誘い込めれば一番いいのだが。


「そうですね、敵を筑紫館跡に誘い込みたいです。なのであそこに布陣しましょう。」

「それだと筑紫神社が落ちたのがわかって、撤退されてしまいませんかね?」

「逃げてくれるならそれが一番いいです。」

「分かりました。」


筑紫館跡は更地ではあるが、小高い丘にあり川で遮られてることもあって、鉄砲と弓矢で籠るには良い場所だ。

しかし遮蔽物が無いので空からドローンで攻撃し放題だし、あちらへ撤退する際は川が邪魔をして逃げられなくなる。

まさに殲滅するには都合が良い。


あとは、敵が食い付いてくれるようにちょっと兵の数を減らすか。

ということで鉄砲隊の200人は後方で待機させた。

敵からは100人程度で守っているように見えるだろう。


布陣して暫くすると、敵兵が近づいて来た、まだ遠いな。

川の対岸まで来た、だいたい200mくらいか。


連射弓には川を渡ったら攻撃と伝えてある。

相手から矢が飛んできたが、遠すぎるのて盾で十分防げる。

敵兵が川を渡って来たので連射弓で射撃を始める。


こちらの人数が少なく攻撃も緩いせいか、敵が一斉に川を渡って来た。

凄い勢いで駆け上ってくるので、後退命令を出して鉄砲隊の所まで下がる。

と同時にドローン隊へ指示を出した、筑紫館跡に集結する敵に向かって催涙爆弾を落として貰う為だ。


敵はこちらが崩れたと思ってどんどん追って来る。

うまい具合に鉄砲隊のところ迄誘い込めた。


追って来る敵に対し鉄砲隊200人で一斉射撃場を行う。

ここで敵がパタッと止まった。


続けて連射弓も方向転換して敵に射掛ける。

敵が一旦筑紫館跡に集まって態勢を立て直し始めた。


こちらはガスマスクとゴーグルを装備して爆弾投下を待つ。

暫くするとドローンが投下しに行くのが見えたので進軍を開始する。


ドローンが投下した。

かなりの催涙ガスで敵が混乱しているのが見えた。

タイミング良くはまってくれたようだ、突入する。


先ず鉄砲隊で一斉射撃を行い、連射弓も狙いを付けずに叩き込む。

暫く鉄砲も好きに撃たせた後に白兵部隊で切り込んで行く。


遊撃隊は退路を断つ為、川の方へ回ってもらった。

こうなって来るとある種虐殺になってしまうが仕方がない、やらなければこちらがやられるのだから。


一時間ほどで掃討は終わった。


「所長、綺麗に決まりましたな。」

「ええ、やはり初見だったからでしょう。次からはこんなに上手く行くか分かりませんよ。」


とりあえず北は片が付いた。

次は南かな。

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