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59.部隊編成

Side: 島頼重

筑紫館を追われてから最も近い木山城へ身を寄せた。

それから殿へ筑紫館失陥の報告をしたらもの凄く叱責された、何せ本貫地と言っても差し支えない場所だ。


あと、筑紫館を失ったことにより、繋がりが途切れた支城の城代達からも当然突き上げを食らった。

何してくれるんだと、いざという時に後詰めを頼めないじゃないかと。


正直、胃が痛くなった。

しかし失地回復を図る為にも此処で挫ける訳にはいかない。


筑紫館奪還の為に増援を頼んだところ300人が送られて来た。

支城の城代達とも秘かに連絡を取り、3方向から一気に攻める算段も付いた。


ここで驚くべき事が報告された。

攻めるべき目標が無くなったというのだ。

綺麗さっぱり、更地になっているらしい。


これには困った。

なので殿に報告したところ、今度は殿がブチ切れた。


「兵を集めろ!全軍で攻める。」


元凶の天尊教を殲滅するとの事だ。

肥前では全ての領地に動員をかけるそうだ。

新しく手に入れた朝日山城も例外ではないらしい。


筑前の方は失陥した領地は動員がかけられないので、かなり兵の集まりが悪い。

支城の方も天尊教に入信した者が多数いて、こちらも兵の集まりが悪いらしい。

あいつらが筑紫の悪い噂を流しているからだ。


まあ今回は殿も本気だ、我らが筑紫神社と領地を奪還した後に北から攻め込み。

殿が指揮する肥前領軍が南から攻め込んで挟み撃ちにする。

これで奴らもおしまいだろう、いい気味だ。



Side: 府谷恭平

センターへの帰り道、通信圏内に入ったので着信を見たら豊令さんから結構連絡が入っていた。

要約すると『筑紫が攻めて来そうなので早く戻れ。』だそうだ。


「遅くなってすまない。状況は?」

「現時点では木山城に兵が集まっているぐらいですね。」

「木山城?それってどこにあるの?」

「ここから北西に4kmほどのところです。」

そんな所に城があったんだ。


「ただ、この城から3kmの距離に筑紫神社があります。もしかしたら狙いはそちらかもしれません。」

まあ、そうだろうね。領地取られてブチ切れてるだろうから取り返しに来るよね。


「兵力はどれくらいかな?」

「だいたい500くらいですかね。山城なので正確には分かりません。」


「あと、旧筑紫館の東にある2つの城と、朝日山城やそれより西にある肥前側の村でも動員がかかっているようです。」


「どう思います?舟酒さん。」

「まあ、普通に考えたら北と南から挟み撃ちというところでしょうなぁ。」

「待つのもダルいので各個撃破しますか?」

「ただ攻めるにも木山城は高い山の天辺なので、我々では攻められませんな。他の城もまだ集結中ですし。」


「それより所長、工事中の道路はどうしますか?あと、筑紫神社に出してる屋台も。引き上げさせた方が良くありませんか。」

「確かに呑家くんのいう通りだ、工事は一旦中止して引き上げよう。あと屋台も。」


「あと農民も戦闘に巻き込まれるかもしれないので、注意喚起だけでもしときませんか?」

「そうだな、筑紫が攻めて来るかもしれないと知らせておこう。それから必ず助けに来るからそれまで防衛に務めるようにと言っておこう。」


「助けに行くんですか?」

「いや、特に考えてはいない。ただ敵側に付かれないようにしとかないとね。」

「相変わらず酷いですね。」

そう言われても有効だから使わない手は無いと思う。

言うだけなら無料なんだし、筑紫氏を撃退したあとに助けに来たぞと言えば済む話だ。


「舟酒さん。そう言えば、筑紫神社の仕掛けって終わってましたよね。」

「ええ、終わってますよ。」

「それじゃ、筑紫神社が攻められたら占領させるに任せましょう。」

「分かりました。」

「あと突入部隊の人選は任せますので、ガスマスクの配布とレクチャーをお願いします。」

「ええ、了解です。」


「それから死村くん。」

「え、俺すか?」

「【天尊貸車】なんだけど。」

【天尊貸車】というのは自転車レンタルで使用しているサービスの事だ。


「今、100台で運用してると思うけど、今回の遠征で使うと思うので後200ほど追加しといて貰えるかな?」

現在、道路工事の通勤に一般会員は自転車を利用している人が多い。

なので歩兵と鉄砲隊の移動には自転車を使おう。


「了解しました。けど200台は多いですね。バイトを雇っていいすか?」

「そこら辺は任せるよ。」


「あ、そうだ、唐西さん。リボルバー銃って追加で渡せるもの有りますか?」

「8挺ありますね。」

「ならそれもお願いします。あと弾丸なんですけど。」

「3000発ほど準備してます。」

「結構頑張りましたね。」

「アルバイトを雇いました。再装填機はレバーの上げ下げだけなので子供でも出来ますしね。」

確かにアルバイトでいいよな。大量生産設備が出来るまではそちらで凌ぐか。


「舟酒さん、リボルバー銃の遊撃隊員を8人増やしましょう。人選はお任せします。」

「了解。」


後は鉄砲か、今鉄砲隊は40人だが、鉄砲は300挺ある。

この際、他の人にも鉄砲を配備して数で押した方がいいかもしれない。


「舟酒さん、鉄砲なんですが300挺有ります。鉄砲隊を拡大しませんか?」

「まあ、いいとは思いますが白兵要員がかなり減りますな。」

「それなら100挺はセンター防衛用にして、1人4挺配備の25人で運用してはどうでしょう?補助は非戦闘員を使えますし。」

「まあ、それくらいなら大丈夫でしょう。」


あと何があったかな?そうだ鉄砲の弾だ。

「早合の弾って足りましたっけ?」

「販売予定のが30000発ほどあるので足りると思いますよ。」


ふう、こんなとこかな。

「それじゃ、後はいつでも出撃出来る準備だけは整えておきましまょう。」

帰っていきなりバタバタして疲れたよ。


そして2日後、筑紫が攻めて来た。

案の定、木山城から兵が出て来て筑紫神社が占領された。

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