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53.弾薬製造

Side: 府谷恭平

化学班の大苺くんより、硝酸製造機が出来たとの連絡があった。

要はハーバーボッシュ法のアレだ。


「でも圧力容器なんてよく作れたな?」

「ああ、そっちは高圧反応容器がセンターにあったのでそのまま使えました。」

「え、天尊ってそんな物まで扱っているの?」

「ええ、どちらかというとコークス炉を作るのに苦労した感じですか。小さいのしか無かったので、大きいヤツを一から作ってましたよ、飯論くんが。」


凄いな飯論くん。

システムエンジニアなのにそんな物まで作れるんだ。


とりあえず火薬製造の目処は立ったみたいなのであの件を相談してみるか。

「因みになんだけど、雷管の火薬って作れるのかな?」

「うろ覚えなんですけど、雷管爆薬はジアゾジニトロフェノールだったと思います。それでしたら、コークス炉から出る副産物のコールタールから作れますね。」


お、相談してみるもんだな。

なんか解決できそうな雰囲気だ。


「それって簡単に出来そう?」

「簡単では無いですね。いろいろ確認しないと詳しいことは言えません。」

「了解。それじゃ次は雷管爆薬の製造に着手して欲しい。」


「えー、やっと硝酸製造機の作成が終わったばかりなのに。」

「そこはそれ、もっといっぱいワインなんかを買っていいから。」

「むー、しょうがありませんね。」

「それじゃよろしくねー!」



実りのある良い話が聞けた。

これは唐西さんにも教えてあげないとな。

ということで唐西さんを探して兵器班が使っている工房へやってきた。


「もう在庫が無いか。」

おや?唐西さんが困り顔で何か話してるみたいだ。


「どうかしたんですか?」

「あれ?所長。どうしたんですか?こんなところへ。」

「いえね、雷管爆薬の目処が付きそうなので知らせに来たのですが、何かありました?」


「実は・・・、」


種子島タイプの鉄砲は300挺を超えた。

しかし、ここで一つ問題が持ち上がったそうだ。

とうとう適当なサイズの鉄パイプが尽きてしまったとの事だ。


大内から鉄砲の注文はまだ来ないが、どちらにしろ鉄砲は今後も作り続けるつもりなので、なんとかしなければならない。


「唐西さん、銃の砲身って普通どうやって作るものなんです?」

「円筒形の鉄柱を作って銃口を削ります。」

「削れるものなんですか?」

「工作機材は揃っているので、削るのは問題ないのですが。」

「何か問題でも?」

「砲身を作る素材としてクロムとモリブデンが無いので、炭素鋼で作ることになります。」


「炭素鋼だと何か不味いんですか?」

「特に不味い訳ではありません。今の段階では炭素鋼がベストの選択肢になります。」

「それでは先ず試作品を作ってみて下さい。使えるかどうかは試作品を見て決めましょう。」

「そうですね。ただ炭素鋼を作るとなると専門ではないので、それなりに時間がかかると思います。」

「それなら炭素鋼の作成は金属加工所に任せて、先に別の銃の生産を行いましょう。」


「分かりました。そうなるとリボルバー銃の生産を優先しますか?」

「そうですね、リボルバー銃をお願いします。ところで今出来ているのは何梃ですか?」

「はい、7挺になります。」

「それはもう試験済みですか?」

「済んでいます。いつでもお渡し出来ますよ。」

「了解です。出来たものは警備室長の舟酒さんへ渡しておいて下さい。」

「わかりました。」


「あとリボルバー銃の弾丸ってどれくらいありますか?」

「今のところ400発くらいですね。」

「作成は手作業ですか?」

「手作業ですね。」

「こちらも後々は大量生産の方法を模索しないとですね。」


そもそも開発と製造は分けるべきだと考える。

だとしたら、大量生産システムを作る部門を別に作るべきかな。

そうなると飯論くんか、今度相談してみるか。

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