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45.山賊退治

Side: 府谷恭平

島井さん達は此処に来る途中の山道で山賊に襲われたらしい。

後で監視気球の映像で調べたら、それらしい画像があったので本当のようだ。

幸い、数は多くなかっので被害は無かったようだが問題は帰りだ。


「定期的に荷を運んでいるので、目を付けられたのかも知れません。」

島井さんが言うには、結構頻繁に行き来しているので目立ってしまったようだと。

なので、襲って来たのが少人数だったので助かったのだが。


「帰りに待ち伏せされているかもしれません。護衛に何人か出して貰えませんか?」

「護衛は構いませんが、どちら迄ですか?」

「ここから北に1里ほどのところに峠があります。そこを抜ける迄お願い出来れば。」

ふむ、まぁ4kmくらいなら遠足だ、それくらいならいいか。


「いいでしょう。任せて下さい。」

と、その日は島井さん達には泊まって貰うことにした。

幸い門前町には大浴場もある、旅の汗も流していってもらおう。



そして、その日の夜。

「豊令さん、どんな感じですか?」

「ああ所長、お疲れ様です。集まってますね、30人ほどですか。」


監視気球の映像から、山賊と思しき集団を特定していた。

その後、定期的に赤外線カメラの付いたドローンで監視していたら、盗賊行為をしている証拠も取れた。

なので。


「今日の内に駆除してしまいましょう。」

「え、やっぱりやるんですか?」

豊令さんがちょっと引いてる。

何故なら空から火炎瓶をバラ撒いて、森ごと燃やしてしまおうということだからだ。


「だって30人の山賊相手に、山の中で白兵戦なんてしたくないですよ。」

そうだ、俺たちはただの一般人だ、戦闘には全く向いていない。

常にアウトレンジから一方的に攻撃する、これが基本だ。


「分かりました。でも爆薬は無くていいんですか?」

「はい、今回は火炎瓶だけで行きます。」


今回、爆薬を使わないのは『山賊達が山で焚火をしてて、それが原因で山火事になっちゃったね。』という体を取りたいからだ。

あまり大事にしたくない。

要は明日、護衛中に山賊が襲ってこなければそれでいい。



Side: とある山賊

「親分、明日はやつら来ますかね?」

「おう、来るとも。此処んとこ毎回あのなんか変な所に泊まってはここを通ってるんだ。荷物をがっぽりせしめるぞ。いいかお前ら!」

「おおー!」


俺は元々百姓をしていたが、戦で村ごと荒らされ散り散りになった。

流れ流れて山賊なんかやってるが食う為だ仕方ない。

どうせ百姓に戻っても奪われるだけだ、俺が奪って何が悪い。


なんて考えていたからなのかバチが当たった。

突然、空から大量の何かが降って来た。

割れる音がすると思ったらいきなり周りが火の海になった。


分からない。火が森の木に燃え移っていく。

なんでこうなった。

これは天罰なのか。



Side: 府谷恭平

北の方の空が赤く照らされている。

うん、山火事だ。


「豊令さん、お疲れ様です。」

「とりあえず山賊達周辺には投下出来たと思います。赤外線カメラが使えないので結果確認は火が消えてからになりますね。」

「そうですね。明日、護衛で向かう際にドローンでの偵察をお願いします。」



そして翌日。

島井さん達も昨夜の山火事はよく見えたようで、ちょっと不安そうにしていた。

「島井さん、どうします。出発は明日に延期しますか?」

「いいえ、空が赤くなっていた時は驚きましたが、火も消えているみたいなので大丈夫です。行きましょう。」


出発してから2時間ほどで山賊達が居た場所に差し掛かる。

偵察班からは、山賊の姿は確認出来ないとの報告が上がっていたので少し余裕だ。

一応、連射弓を持った社員が10人と、新たに組織した鉄砲隊を連れて来ている。


鉄砲隊は先の射撃大会での成績優秀者8人で組織した。

下平さんは入っていない、弓の方がいいと断られた。

リーダーは小次郎くんを抜擢した。


「これは酷いですな。」

島井さんが顔を顰めながら言う。

山賊らしき人の死骸が十数体あった。

何も言わずに手を合わせておこう。


更に2時間後、峠を越えて特に何事も無く筑前の国に入る。


「いやあ、どうも助かりました。この御恩は何かの形でお返し致します。」

「どういたしまして。それではお気をつけて。」


暫く見送った後、自分達も帰ることにした。

帰る途中に誰かが言った。

「そう言えばここって、国道3号線が通ってたとこだよな。」


確かにそうだ、この焼野原を拡張すれば道が通せるのでは?と思い付く。

そうすれば車で太宰府まで行ける!

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