表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/69

42.鉄砲

Side: 大内義隆

周防国山口にある大内舘で、大内義隆は肥前侵攻が失敗に終わったと知らせを受け取った。

「五郎(陶隆房)、豊後守(杉興運)はまんまとやられて太宰府へ逃げ帰ったらしいよ。」

「それはなんとも無様な。大内の威信を何と心得ておられるのやら。」

「手紙には筑紫の裏切りがあったと書いてあるが、どこまで信じればいいんだろうね。」

「言い訳にもなりませんな。お屋形様、私にお命じ下されば、少弐の首なぞ即刻挙げてご覧にいれましょう。」

「まぁ、そう迅るなって、大友にも備えないといけないしね。」

ちょっと五郎(陶隆房)は不満そうだ、暴れたいんだろうなぁ。


「それにしても、豊後守(杉興運)は戦は今一つだけど、僕の珍品趣味をよくわかってる。」

「献上品のことですか?」

「そう、このホルマリン漬けの首なんてションベンちびりそうになったよ。」


まさかこの時代にこんな物が見れるとは思ってなかったんだよね。

そう言えば南蛮人ならアレがあったはず。

豊後守(杉興運)に探りを入れさせてみるか。


Side: 杉興運

「大内様からは何と。」

「太宰府の守りを固めよとの仰せじゃ。何とか首の皮は繋がったようじゃの。」

お屋形様から書状が届いた。

どれほどのお叱りを受けるかと思うたが、幸いなことに死罪は免れたようじゃ。


「それはようございましたな。」

「それでじゃ島井、今日そちを呼び出したのは頼みがあっての。」

「はい、なんなりと。」

「そなた、あの南蛮商人と商いをしておろう。」

「はい、それが?」

「『鉄砲』というものがあるらしい。それを南蛮商人から手に入れるように、と書かれてあってな。」

「それはどのようなものですか?」

「なんでも火縄で鉄の球を打ち出すものらしい。ワシには見分けが付かぬ故そなたに任せたい。」

よく分からんが、お屋形様がお望みとあらばそれを果たすのがワシの努め。

それにしても、お屋形様は何故そのようなものをご存知なのだろうか?


「お任せ下され。必ずや良い知らせをお持ちしましょう。」

まぁ、島井の報告を待つとしよう。


Side: 府谷恭平

門前町の工事も一段落し、今は社員寮を建設中だ。

皆んなの中では此方がメインだからね。

場所はセンターの南側、その為南側は柵外も開拓対象として切り開くことにした。

自宅のすぐ横で戦闘されるのも嫌だしね。

バッファを設ける為にも南側台地全部が対象だ。


あと工場施設などはセンター西側へ建設していく予定だ。

化学班の大苺くんからも、アンモニア抽出の実験は上手くいったので、プラントの建設をお願いされているからね。

そんな事を考えているとお客さんが来たらしい。


「お久しぶりです。島井さん。お元気ですか?」

「ええ、お陰様で。こっちはえらい活気ですな。」

「まぁ、ボチボチです。ところで今日は自らいらっしゃるなんて珍しいですね。」

いつもは代理の人が来てたはずなんだが。


「今日は、いつもの商いの他に用事がありまして。」

「ほう、何でしょうか?」

「鉄砲というものを知りませんか?」


おおっと!いきなりぶっ込んできやがった。

でもおかしいな?唐西さんに作成はお願いしたけど外部に漏れるはずも無いし。

ここはもう少し詳しく話しを聞いてみるか。


「鉄砲とはどのようなものでしょうか?」

「なんでも、大内の殿様が仰るには、火縄で鉄の球を飛ばす道具だそうです。」


ふむ、ウチの秘密がバレた訳じゃ無くて、まだ情報収集という段階か。

それにしても大内の殿様という事は結構大きな話になりそうだな。

ならばこれをビッグビジネスにするのも悪くない話だ。


「物はわかりますが、今手元に無いので少しお時間を頂けますか?」


島井さんは、手に入りそうだと分かると嬉しそうに帰って行った。

さて、兵器班の唐西さんに相談だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ