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27.遺体処理

Side: 府谷恭平

追撃に出ていた武辺さんが敵大将の首を持って帰って来た。

「大将首は丁重に扱ってやらねばなりませんからな。」

要らない、正直要らない、人の生首なんて見たくない。


流石に武辺さんに「捨てて来なさい。」とは言えないので困っていると、縛尾くんから提案があった。

「元々、杉さんの敵なので、杉さんにお渡ししたらどうでしょう。」

なるほど、杉さんが欲しがるかどうかは謎だが筋は通っている、杉さんに押し付けてしまおう。


「これが、筑紫下野守の首か。」

杉さんに、筑紫氏が攻めて来たので帰り討ちにしました、と報告して首を進呈した。

正確に誰なのかは分からなかったので、留置所にいる捕虜の人に確認したら「殿っ!」と言っていたので、まぁ間違い無いだろう。


「捕虜に確認したところ、大将首で間違いないとのことです。」

「分かった、天晴れである。討ち取った者の名を聞こうか。」

「下平兵さんです。」

「そうか、その者にも褒美を取らせねばな。」

「首はどうしますか?」

「太宰府へ持ち帰る、首桶に入れておけ。」

と言われたが首桶なんか当然無い。

縫野先生にお願いしてホルマリン漬けにでもしてもらうか。


「筑紫氏も撃退しましたので、そろそろ太宰府へお送りしようかと思いますが。」

「そうか、出立はいつになる。」

「明日の朝にでもと考えています。」

「ならば、よろしく頼む。」


杉さんの所から戻って来ると、舟酒さんに呼ばれた。

「所長、遺体をどうしましょう?流石に今回は数が多すぎるので川に流す訳には…」

遺体は150を超えている、ここは無理矢理にでも隣村の連中を巻き込むしか無い。

「隣村の人に手伝ってもらいましょう。」

「押し付けるということですね。」

舟酒さん、分かってるぅ。


あれだけの戦いを筑紫氏相手に行ったんだし、恐らく村人は攻撃はしては来ないだろうと思いつつも、完全武装した舟酒さん達10人程と隣村を訊ねる。

勿論、現地アドバイザーの武辺さんも一緒だ。


「村人が居ませんな。」

舟酒さんが呟く、村人、誰も居ない。

「これは村が戦場になったと見て逃散したのでござろう。」

武辺さん曰く、戦争の巻き添えを避けて近くの山に避難したのだろうとのこと。


「所長、当てが外れましたな。」

全くだ、少なくとも共同墓地の場所くらいは教えてもらおうと思っていたのに。


「なんか、どっと疲れが出て来たんですけど。」

もう駄目だ、今日はもう何もやる気が起きない、明日にしよう、と思うが、明日には太宰府へ出発してしまう、どうしよう。

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