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19.襲撃者

Side: 府谷恭平

「開門、かいもーん!」

なんか完全武装の騎馬武者3騎が門をガチャガチャやっている。

さっきの流れからすると絶対、追手の人達だよね。

とりあえずインターホン越しに訪ねてみるか。


「はーい、どちら様ですか?」

お、ちょっと固まってる、ビックリしたのかな。

「早く開けんかーっ!、門を開けろ!」


ああゆう上から目線の物言いは嫌いなんだよね、とりあえずお帰り頂こう。

あと念の為、舟酒さんに指示して警戒担当に防衛準備をして貰う。

「当館の本日の営業は全て終了しております。おかえり下さい。」

お、怒っているっぽい。監視カメラ越しだがよく分かる。

「我らを筑紫館の者と知って愚弄するか!かくなる上は成敗いたす。覚悟しろ!」


彼等の反応を見て思い出す、転勤したらイスラムだった時のことだ。

当時もこういう訪問客がたまに居たなぁと。

全く対応が発展途上国の現地武装組織にそっくりだ。

彼らはこちらが弱者であると勘違いしている間は略奪対象としてしか見做していない。

弱者でないことを教えてあげないとずっと集って来る。


「武辺さん、筑紫の兵力はどれくらいか分かりますか?」

「館に居たのは50人くらいであろうか、しかし先の戦いで1000人ほどを率いた筑紫殿が討死し壊滅したばかりなのだ、無理に集めて200人も集まるかどうか。」


武辺さん達の味方だった筑紫氏だが、先の戦いで討死したらしい。

裏切ったのは息子の方で、筑前守護代さんを執拗に追っているのは、寝返った際の手柄首にでもしたいのだろうとのことだ。


「所長、奴ら馬から降りて金網の方に向かってますぜ。」

舟酒さんから連絡が入る。

「彼らが敵対行動を取ったら即座に反撃して下さい。鎧武者に対しても連射弓が通用するか試したかったので丁度いいです。」

「それは殺しても構わないという事でいいんですね?」

「はい、むしろ殺すつもりでやって下さい。」

舟酒さんも初めからその積もりのようだ、その後は特に確認もない。

あとドローン隊にも連絡しよう。


「豊令さん、今来ている襲撃者以外に周りに敵が潜んでいないか警戒をお願いします。あと襲撃者が逃走した場合には何処に戻るか追跡をお願いします。」

「了解しました。」


こちらは豊令さんからの連絡待ちになるので、とりあえず現場に駆けつけることにした。

外に出ると、丁度、連射弓を金網に向けて撃っている所だった。

金網をよじ登ろうとしたのだろう、こちらとしては丁度よい的だ。


ふむふむ、鎧武者といえど、脇の下や太腿、顔から首にかけてはガラ空きだな。

弓矢で一射づつ狙うのであれば難しいのかもしれないが、連射弓は微調整しながら狙えるので割と簡単に当てられそうだ。


そんな中、1人連射弓を撃てないでいる警戒担当者がいた。

やはりというか皆んなが直ぐに戦闘が出来る訳ではないらしい。


「所長、終わりましたぜ。一騎逃げて行きますがどうします?」

いつのまにやら隣に舟酒さんが居た。

「そちらの追跡は偵察班にドローンで追って貰っていますので大丈夫です。」

「分かりました。」


「ところで舟酒さん、弓を撃っていなかった人がいましたが。」

「ああ、古田さんですね、どうしても人が殺せなかったみたいですね、こちらの方が本来正しいのでしょうが。」

「他にもそういう人は出てきますよね、何か対策を考えないと。」

「そうですな。あ、所長、捕虜がいますが尋問しますか?」

「え!あんだけ撃たれて生きているんですか?」

「1人ですがね。もう1人は死亡しています。」

「尋問しましょう!」

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