14.論功行賞
Side: 府谷恭平
手当てについて考える。
役職と能力について上乗せするとは言ったが具体的にいくらとは言って無かった。
先ず役職手当、これは責任者になった人に払うべきだ。
次に能力手当、これは各担当に就いた人に払うべきだろう。
さらに超過勤務手当、これについても定めなくてはならない、先ほどの作戦に参加した人への報酬だ。
ということでビジネスチャットでアンケートを取ることにした、回答期限は今日の17時。
タイトルは『手当の金額について』だ。
内容は各手当が高いか安いか妥当かを答える。
・班長(常時) 5万円/月 各班の責任者
・担当(常時) 3万円/月 各班の担当者
・担当(随時) 1万円/日 警戒担当勤務者
・戦闘(随時) 2万円/日 戦闘参加者
・殊勲(随時)10万円/ 回 戦勝に貢献した人
とりあえずこんな感じで出してみた、後は結果を待とう。
特に問題無ければ(妥当が一番多ければ)このまま。
高いや、安いが多いものに関しては、金額を変更する。
早速反応があった、センターメンバーの皆んなからだ。
全部安い、安いのオンパレードだ。
中には『センター保守業務はどれになるんですか。』や『所長は幾らなんですか?』なんてのもある。
センター保守業務は担当(常時)で、所長は班長(常時)扱いと答えておいた。
あと、妥当と思う金額も回答しておいてとも伝えておく。
「この殊勲というのは何ですか?」
おっと呑家くんから通話で来た、チャットを打つのがめんどくさくなったんだろう。
「何かのミッションで活躍した人にボーナスを出そうと思ってね。今回の作戦に参加しなかった人も居ただろう、皆んなの士気を上げる為にもこうゆうのは必要かなと思ってね。君たちも候補者を挙げておいて、理由もあった方がいいな。」
今回の殊勲賞は、俺は唐西さんの連射弓に1票だな。あれは凄く役に立った。
それからは特に質問は来なかった、あとは回答期限まで放置だな。
唐西さんが気になったので、兵器班(?)の様子を見に行った。
そもそも兵器担当は唐西さん1人で、他の3人は建設班からの出向だ。
早めに戻してあげないと栗井場さんが困ってしまうだろう。
「唐西さん、携帯連射弓はどれくらい出来ました?」
「今はパーツの切り出しを優先的にやって貰ってますので、完成品は有りませんが30以上は作れる分量です。」
「それでは今ある分の完成を優先させましょう、長射程連射弓に関してはどうですか?」
「まだ試作品が1つですね。」
「ああ、今朝のヤツですね、あれは完成では無いんですか?」
「別の、もっと射程が長い弓でも試してみようかと思いまして。」
「初めからそちらを試さなかった理由とかあるんですか?」
「持ち運べるギリギリを探っていましたが、結局、試作1号は持ち運べるけど微妙に重いという結果になったので。ここは割り切って、据置型になるけど飛距離を取ろうかと思いまして。」
「なるほど、それでは引き続きよろしくお願いします。」
出向者を戻す話しはもう少し落ち着いてからにしよう。今は数を揃えるのが優先だ。
この後、警戒担当の遅番への引継ぎと、偵察班の新メンバー確認等を行った。
回答期限も過ぎたのでアンケートの結果を見てみる、ほとんどセンターメンバーしか回答していない。
これは夕食で集まった際に周知しなくては、メンションされたら必ず返信はするようにと。
こんな特殊な状況ではあるけど、彼らは新入社員なのだから会社のルールは地道に教えて行かないとね。
とりあえず、各種手当は以下のように決まった。殊勲賞は連射弓の唐西さん。
・班長(常時) 10万円/月 各班の責任者、所長、警備室長、産業医
・担当(常時) 6万円/月 各班の担当者、センター業務従事者、警備員
・担当(随時) 1万円/日 警戒担当勤務者、スポット作業従事者
・戦闘(随時) 2万円/日 戦闘参加者
・殊勲(随時)20万円/ 回 戦勝に貢献した人、特別な成果を上げた人




