傍観者として魔の森へ 後編
俺たちは、シリルのステータスカードをみて笑っておいた。 そうそう、俺たちが、魔の森に来た目的があったな。
「ゲール学園のほうは?」
「ええ、調べてあります。 迷宮都市と学園都市に、冒険者育成の学園があります。 もちろん、例の名門もありますが、使い魔がいる事が条件です。 冒険者育成学園は、使い魔がいなくてもはいれますね。 職業が冒険者なり、騎士、魔法師、回復魔法であれば。 ただ、クラスは使い魔がいるほうが初年度は上位です。 冒険者育成学園は、ギルドが経営しているんで、貴族もいますが、数も少なくて平民が多いようです。 内容としては、結構実践が多いようで、入試は体力測定とかもあるようです。 迷宮都市と学園都市との交流戦もあるようですね。 近接戦や中距離戦、もちろん後方なども含めて力をいれているようです。 願書提出が、4か月後、入試がその1か月後で入学が1か月後です。」
さすが、カールの息子だな。 ちゃんと調べてある。
「んで、ギルドの制度は同じか?」
「ええ、変更ないですね。 補足ですが、冒険者育成学園の場合には、2年目から学生カードではなく本カードを作るみたいです。」
なるほどな。
「ふーん、なら行くなら迷宮都市だな」と俺がいうと、「われも、そっちがいいぞ」というリン。
「んじゃぁ、4か月後に迷宮都市だな。」俺がいうと、「では、準備を進めます」というのだったゲールだ。
話が早くて助かる。
「シュンさんたち、学園にいくのか?」というシリル。
何を言い出すのかと思えば。。
「おめぇーだ。」と俺はニヤリ笑っていってやった。 「それに、おれは4度も学生したくねーぞ」といい「ああ、われも3度目はいやだ」というのリンだった。
俺は、過去3度も学生している。1度目は、0番隊の時で、2度目は、ライナスの教育だ。 そして、3度目は、海洋国家の航海士科に通った。 全て任務だ。 海陽学園の航海士科は男子のみで、リンはその時は侍女としてきた。 まぁ、かなり昔の話だな。
「俺も嫌だぞ。」ってシリルだ。
そりゃ、誰だって嫌だが、まだシリルは1度しか経験してない。 どう説得するかなんて考えてたら、
「もしかして、傍観で情報がはいりやすいのが学園ってことか?」というシリル。 こういう時は察しがいいというか頭の回転が速くて助かる。
「ああ、そうだ。 しかも標的はお前だろう。 だから、いっその事、人間社会に行ってみたほうがわかりやすいんじゃねぇー」
シリルは溜息をついて「うん、わかったぞ」って言ってる。
こうして、2度めのシリルの学園生活が始まる。