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【白銀の黒帝:7】女神の使い魔と無職の少年  作者: 八木恵
2章:森での修行
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魔の森での修行

シリルが魔の森にシュン達と生活して2年が経過。 12歳となったシリルの身長は130CMとなった。


シリルが、シュン達と生活した2年間は、スパルタいや地獄の日々だった。

シュン達にとっては普通なので地獄だと思っていないが受ける側は地獄だ。


朝食後は基礎体力向上という名で、魔力制御をつけたまま永遠とダッシュ。 疲れて動けなくなれば、シュンによる強制回復により、復活させられてダッシュは必ず2時間続く。 その後は、シャワーを浴びて綺麗になると、教材を渡され昼食また独りで勉強。 昼食後は、体術、槍術、剣術、魔力コントロールの基礎をし、その後は模擬戦という名のしごき。 夕食後は、また模擬戦で、リンのデザートができるまで続く。 その後も就寝時間まで勉強。


基礎が出来ると、適当な森で狩りをさせる。 魔術の基礎も叩きこまれる。 ある程度、狩りが出来るようになると、20~30の魔物の討伐をさせる。 毎日魔力不足になるまで続く。


その2年の間、半年に一度シュンとリンは3週間いなくなる。 たまに、コリーという町人風の男性がきたり、ルシファと名乗る色気のある男性がきたり、セバスチャンと呼ばれるダンディーな男性もくる。 みなシリルと模擬戦をしては、ボコボコにするも、ちゃんと後は遊んだり、また勉強を教えてくれる。 シュンとアークは勉強は独りでやるものと考えているので教えないで教材や必要な物を読ませるのであった。


◇◇◇

そんなシリルも成長し、初級レベルの魔術まで使えるようになっていた。 

そんなある日の事。


「師匠、腕輪が一個解放されたぞ」

そういうシリルが、シュンに嬉しそうに解放された腕輪を見せるのだった。


「んじゃ、魔武器の使い方もまなばねーとな」


そのシュンの言葉通り、更にしごかれるシリルだった。 魔武器は伸縮型の槍だった。


それから、2か月間さらに魔武器の使い方や索敵などを覚えさせられたシリルは、シュン、リン、またはアークの同行で『魔の森』の入口付近の魔物討伐も出来るまでに成長するのだった。


◇◇◇

とある日、シュンがいつものベンチで片膝つきながら胡坐スタイルでエールを片手にタバコをふかしている。 なにか資料を読んでいる。 一方、シリルは、リンと魔術の練習をしていた。 


「シリル、お前さ、将来何にりてーとかあんのか? ここ来た時は復讐してーって言ってたけどよ」


「俺、ここで生活してたら、あんま復讐っていうのバカバカしくなったんだぞ。 関わりたくないし、関わってほしくないぞ。 ただ、俺は出来れば自由に旅したいぞ。 それに、ステータスカードで決まる職業ってのもバカバカしいんだぞ。 そういうの関係ない所で生活したいぞ」


シリルは、この2年間以上の魔の森での生活で、強靱な精神力もつき、シュン達の影響もあるのか、幼馴染たちに対する興味がなくなってしまったのであった。 というよりも他人に対する興味というのが薄れている状態に近いのだった。


シュンに声をかけられて、シリルとリンは鍛錬を中断して、シュンのいるベンチにそれぞれ座りながら話してている。


「だろー、バカバカしいよな。 ステータスカードってので職業が決まるってやつ」

「シュン、どうしたんだ?」

「コリーに人間社会の事調べさせてて、報告書読んでるがな、ステータスカードってやつにある職業にあわせて、学園とかつく職業が決まるらしいや。 すげーつまんねーよな」

「それは、つまらない。」


俺は、シリルはまだまだだが、ある程度基礎もできつつあるというのもあって、コリーに人間社会の事を調べさせている。 もちろん、傍観もあるが。 その中に、ステータス主義ってのになっていて、ステータスカードに書いてある職業にしか、今の人間は就くことが出来ないらしい。

シリルが、ここに来る前の奴らに復讐するならそれはそれでいいが、今の本人には特に関心がないみたいだ。 なんて事を考えながら、俺はタバコをふかしていた。


「そういや、師匠達ってステータスカードないのか?」

「「ない」」


俺とリンが即答すると、シリルが不思議な顔をしている。 っていうか、今さら聞く話なのか?と心の中で俺はつっこんでおいた。


「うん? ステータスカードないし、そういえば、師匠達が使い魔召喚したのも見た事ないんだぞ。 あれ? なんで俺 魔術ならってるんだ?」


俺とリンは、そんな今更聞くシリルの質問に爆笑した。 

「シリルって、結構ぬけてるよな」

「われもそう思う」


シリルって、天然なのかってツッコミたいぐらい、抜けてるな。 まぁ、そこがまた面白いんだが。。


「俺がお前に魔術教えてんのは、俺の本業が魔術師だかんな。 魔術はおのれの魔力のみを使い、自然の断りを理解して発動すんだろ。 だったら、使い魔なんていらんだろ。 で、お前は使い魔いねーし、魔術教えてんだ。」


「そういう事なのか。 でも、よかったぞ 俺。 演唱なんて、はずかしいぞ」

「だろー。 演唱なんてした事ねーよ」


「まぁ、おめーにちゃんといってなかったが、俺らの事情もあんけど、俺らがお前の面倒をみんのはお前が成人する18歳までだ。 それまでは面倒みんが、シリルがなりたい職業は自分で決めろ」


「そうなのかだぞ。 もし、自由でいいていうなら、俺、冒険者になって旅したいぞ。 いなくなった竜を探したいぞ! あと神獣も見たいんだぞ!」

そういった、シリルは目を輝かせている。


俺は、そんなシリルを見て、ライナスに似た家系は代々竜が好きなんだななんて思いつつ、なんでこいつら代々女神に嫌われるんだ?と考えて、苦笑いしていた。 リンも同じ事考えているみたいだ。


「そうか、んじゃ、どうせ学園いかなきゃいけーねんだし、おめーが13歳になったら、迷宮都市いって、てめーの学費を稼げ。 んでだ、15歳になったら、学園にはいる。 当面の目標だ。」

「師匠、了解だぞ」


そう言った、シリルは、リンの指導で魔術の練習にはげむのだった。

俺は、そんなシリルの様子をみつつ、引き続きコリーの読みにくい報告書をよみつつ、シリルのステータスカードを解析していた。 あー、なるほどな。 俺はある計画をおもいつきつつ、ニタリ笑うのだった。。


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