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【白銀の黒帝:7】女神の使い魔と無職の少年  作者: 八木恵
2章:森での修行
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ようこそ魔の森へ

シリルが目を覚ますと、そこは牢屋ではなく見知らぬ天井だった。。 

そして寝ているのは、冷たい床ではなく、ふかふかのベットの上だった。 

「夢?」

そうつぶやき、シリルは頬をつねるが痛い。 

「あれ、身体がうごく。」

しかも、いままで、起き上がる事もできなかったはずなのに、身体が少しうごく。

起き上がったシリルは、自身の身体を触りながら確認するのだった。


「うん? 傷も治ってる。。」

そう、身体中の傷は綺麗に治っており、何カ月もお風呂にもはいっていなかったはずなのに身体は綺麗で、着心地のよい寝間着を着いたのだった。


ここはどこなのか不思議になり、壁つだいに歩きながら、部屋のドアをあける。 

廊下の先がダイニングになっているようで、美味しそうな匂いと共に男女の会話が聞こえる。


「誰かいる?」

そう独り言をいいながら、シリルは壁づたいに歩き、ダイニングに向かうと、そこには短髪赤髪で瞳も赤く容姿端麗だがすこしやんちゃな顔をした20代中旬の青年と、その隣には黒の帽子を被り髪の家は銀髪かグレーなのかわからないが瞳が紺で10代後半の男性がタバコをくわえている。 


「ぼうず、起きたか!」

そうシリルに声をかけてきたのは、短髪の赤髪の青年。 

その青年は、シリルを抱き上げ、ダイニングに座らせる。 

「リン、朝食」

そう言ったのは、帽子をかぶっている青年だ。 リンと呼ばれた紺色の長い髪を二つに纏め、瞳は紺で、可愛い系だが綺麗な女性で年齢はやはり10代後半ぐらいが、シリルの前にスープとジュースを置いてくれる。


それから彼女は、彼らの前にコーヒーを置き、帽子を被ったの青年の隣に座るのだった。

その様子をただただ無言で様子を見ているシリルだった。


「ぼうす、食え」

そう言ったのは、帽子を被った青年で、タバコをふかしながら言うのだった。


シリルは無言でうなずき、久しぶりのまともな食事であるスープを一口飲んだ。 

。。今まで食べた事の無いほどの美味しい。。。 シリルは自然に涙をながしながらももくもくと食べるのであった。  男女3人はただその様子をみて苦笑いしていた。


シリルが食べ終わると、リンがホットミルクをおいてくれる。


「まず、自己紹介な。 俺はアーク、で帽子をかぶっているのがシュン、で隣のねーちゃんが、シュンの奥さんのリンだ」

そう赤髪の青年 アークが、シリルに優しい目線を向けながら紹介するのだった。


「お前は?」


シリルは、黙り下を俯いている。 目の前の人達を信じていいのかどうかわからない。 お腹が空いていたため、出された料理を食べてしまったが、今更自分に優しくしてくれる人なんているわけもなく、ここもきっとすぐ追い出される。 あえて、答えなかった。


「このガキの隣にカードがあってよ、拾ってきたんだ。」

黙っているシリルをよそに、シュンがタバコをふかしながらいう。


「なになに。 名前は、シリル・マクレーン、性別は男、人種は人間、職業は無職、体力はGで、魔力と属性が傍線。 なぁなぁ、称号が、すげーぞ、女神に嫌われし者だって」

そう言って、シリルのステータスカードを読みあがりシュンだった。

「なんだ、そのカード。 笑えるな!」

「うん、いい感じだ」

「だろ、笑えるよな」


そういって、アーク、リン、そしてシュンは、面白がって笑っている。 そこには、嫌悪や拒絶という感情ではなく、ただ面白いものを見たという感じで笑っているのだ。


ただ、笑われているシリルにとっては、悔しくなり、強く拳を握りながら悔し泣きするのだった。


「ガキ、なに泣いてんだ。 こんな糞カードきにしてんのか?」

そう聞いたのはシュンで、タバコをふかしている。


「だって、そのカードのせいで、あと使い魔召喚できなくって、俺は牢屋に閉じ込められ、毎日大人から暴力をうけ、友達だと思っていたやつらにも魔法の実験台にされてたんだ!」

そう言ったシリルの心には憎しみ、怒りの感情に支配されていくのだった。


「俺が、何したっていうんだ! なにもしてないのに、殴られ傷ついて、なのに誰も助けてもくれない、殺してといっても殺してくれなかった!」

席から立ち上がり、シリルは怒り叫ぶのだった。


「強くなれっていわれたって、俺は強くないし、どう強くなったらいいかもわからない。 悔しいんだ!」

そう叫だ、シリルは涙を拭きながら訴えるのだった。


「ぼうず、落ち着け。 強くなりたいのか?」

そう聞いたアークは、苦笑しつつも目は真剣だ。


「なりたい!! 強くなったら、あいつらに復讐する!」


「復讐ねぇ。 まぁいい、俺らが自分の身を守れるぐらいに強くさせてやるっていったらどうする?」

そう言ったシュンの言葉を聞いて、いままで救いがなかったシリルにとっては、それが本当なら、なんとしても手に入れたい、願ってもやまない話だった。


「それが本当なら、俺を強くして!」

「んじゃぁ、だったらよ、何があっても耐えろよ。」

「うん、強くなれるのなら、何だって耐える!」

そう承諾したシリルの目にようやく生きる希望をもったような目になるのだった。

そして、少し冷静になったシリル。

「というか、ここどこ? で、なんで俺ここにいるの?」


今更の質問に爆笑するシュン達3人であった。

「「「ようこそ、魔の森へ」」」


「。。魔の森って? 森って事は、俺は捨てられたのか?」


「「「そこかよ!!」」

シュン達は、まさかシリルが魔の森を知らなかった事に驚き、とうとう魔の森の存在まで知られてないのかと逆に突っ込むのだった。


当然、シリルには、彼らが何を突っ込んでいるかはわからない。。。


こうして、シリルは、シュン達と出会い『魔の森』での生活が始まるのだった。





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