後期の専攻
前期のテストが終了し、シリルは総合1位となる。
Cクラスの生徒が1位になるのは快挙であった。
後期専攻の希望で学園長と担任との面接の日。
シリルが学園長室に入るとタバコをふかすシュンがいる。
「うん? なんで、師匠またいるんだ?」って突っ込んだ俺だぞ。
「モーリスが、てめぇーの専攻で話があんだとよ、座れ」って師匠に言われた。
グレッグはなぜか恐縮している。
「シュン殿、お呼び立てして申し訳ないのじゃ。」と頭を下げるモーリス。
師匠がタバコをふかしながら、「んで、何のようだ」というと、モーリスが説明する。
「カーティス君なんじゃが、自由にさせてしまったらのう、学年1位になってしまったのじゃ。 さすがシュン殿のお弟子さんなのじゃが、本来はもしカーティス君が高位冒険者クラスになってもクラス替えはなくこのままCクラスに在籍なのじゃ。 じゃがな、異例ということもあって、Sクラスの担任がSクラスにしたほうがいいんじゃないかといっておる。」
どう言う意味だぞ?
モーリスもなんか、溜息混じってるぞ。
「うらにはSクラスにおる第二王子と聖女たちが、カーティス君を取り込もうと必死じゃが、常にカーティス君が授業以外はおらんので躍起になっておるというのもあるんじゃ。
カーティス君がのう、Sクラスに行きたいというのじゃったら、問題はないんじゃが。」
そう言う事なのかだぞ。
「シリル、お前Sクラスにいきてーか?」って聞いてきたのは、タバコふかしてる師匠だぞ。
「顔面偏差値の高いキラキラ集団のところなんて、行きたくないぞ」
本当に行きたくなり俺は、もの凄く嫌な顔していったぞ。 師匠だってキラキラ嫌いだぞ。
「それ嫌だな。 んじゃぁ、いまのクラスでいいんじゃねーの」って師匠も同意だ。
「では、今のクラスのままじゃ。 んでじゃな、このままカーティス君が通うと勧誘やら、やっかみも増えるかも知れないのじゃ。 で、実はその事態も想定してじゃな、実技に関してはカーティス君はこの前期で既に高位冒険者クラスの単位を取得済みじゃ。 あとは、学科となるのじゃ」といって、40冊の本をつみあげる学園長のモーリス。 話が早いぞ。
「後期の始業の午後に卒業テストをうけて平均60点以上で事実上の卒業で、あとはギルドランクをAにして、学園の行事と始業と終業、そして卒業式にでるだけでそれ以外は免除とするというのはどうじゃ?」
事実上の卒業は嬉しいぞ。
「学園の行事ってなんだ?」って俺が聞いたぞ。
そしたら、やや空気になっていたグレッグ先生が話始めた。
「後期は、ダンジョン研修と対抗戦、来年は3週間の合宿と対抗戦が前期にあって、後期はダンジョン研修と対抗戦だ。 ただし、今年の後期の対抗戦で代表になると、前期にある学園対抗戦にでるから、長期休暇の1か月は合宿で、長期休暇中に迷宮都市で試合がある」
師匠は師匠で積み上げられた教科書をパラパラめくってる。
「ふーん、でシリルどうする?」聞かれて、「授業でなくていいなら助かるぞ。 なら、試験受けるぞ」って即答したぞ。
「じゃぁ、決まりだな。 んじゃ、俺は帰るな」といって師匠はタバコの火を消して転移するのだった。
俺、置いてかれたぞ。。 しかたなく、教科書をマジックバックにしまって「俺も帰るぞ」といって学園長室をでた。
◇◇◇
学園長室にいるグレッグは、シュンの転移に驚いていた。
「今のって、転移ですよね。 しかもここ魔法禁止の結界があるのにですよね。 えーと、彼がカーティスの保護者って、いやすごい若いし美形だし、イケメンだし、えーと俺は夢みてるんですかね、学園長」
だんだんと狼狽するグレッグだ。 そんな様子をみるモーリスは呆れるしかない。
「あまり深くかんがえてはいけんのじゃ。 魔術師は特にじゃ。 ただし、カーティス君の保護者に直接接触することはしてはならぬぞ。」と最後はかなり念をおすのだった。
◇◇◇
前期も終わり、今回も食堂は3か月の休業にはいる。
明日から3か月も魔の森に居られるから、喜んでいるシリルである。
「シリル、今回は魔の森にもよるが、別の所いくぞ」というシュンに、「別ってどこだ?」と目を輝かせているシリル。
「明日の楽しみだ」というシュン。
「うん、わかったぞ」と言って喜びながら部屋にいくシリルだった。