学園の食堂
ある日の火曜日、昼食時間にキースが「シリル、食堂いこうぜ」といってくる。
「おれ、食堂はいやだぞ」というと、キースが苦笑いしながら「お前この前、ジェニーが食堂にテラス席があって、そこなら人が少ないからどうだって聞いたらお前、”いいぞ”っていってたぞ」といわれ、「覚えてないぞ。 でも人が少ないならいいぞ」といって、キースと一緒に食堂へ向かうのである。
行きたいないけど、いつの間に行くっていったんだぞ。 仕方ないから行く事にしたぞ。
既に、ジェニー、クリス、ディアナは先にいって場所を確保してくれているらしい。
キースで食堂の買い方を教わりながら、購入し、ジェニーたちの所にいくと確かに人は少なかった。
俺は、パスタを頼んでおり一口だべると「師匠のほうが美味しいぞ」というと、キースが「あの料理を毎日たべてたら、そうなるな」と苦笑するのであった。 皆で食事をしていると食堂の入り口が騒がしい。
顔面偏差値の高い男女の生徒の集団がやってきたようだ。
すると、ジェニーが説明してくれる。
「あれってもしかして、第二王子の取り巻きと聖女と特待生たちじゃない。 噂になってるのよ。 第二王子が聖女にご執心で、他第二王子の取り巻きも結構ご執心で聖女の騎士気取りしてるって。 しかも、みんな婚約者いるのに、聖女って女性達にも慕われていて、婚約者たちもお茶会ひらいて聖女のご機嫌取りしてるって噂よ。 なんせ、皇国が聖女を迎えたいっていう話もあるし、王国としても聖女を手放したくないみたい。 にしても、美男美女の集まりよねー。 」
「聖女って、あのピンク色の髪の生徒だよな。 いや、すげーかわいいな」っていうのはキース。
クリスも「ああ、だな」というと、ディアナが「私はかわいくないですわよ」と不貞腐れて、クリスはディアナのご機嫌とりをするのである。
キースが「シリルだって、かわいいと思うだろ？」といわれ、特に興味もないシリルは「いやまったく、おれあの集団キラキラして嫌いだぞ。」というと、キースが「美男美女に囲まれてるもんな」と苦笑するのであった。
そうこうすると、顔面偏差値の高い集団のなかから5人ほどの男子生徒がこちらに近づいてくる。
俺が立ちさろうとするとキースが腕をつかみ「あいつらきっとお前に会いにきてるんだ」といわれた。
「なんでだ？」と聞くと「お前、結構学園のうわさになってるぞ。 お前は知らないかもしれないけど、2年に対抗戦の代表に模擬戦で勝ったやつがいるってな」というのだった。
うーん、面倒だぞ。
そんな会話をしていると、その5人が来ると、クリスとディアナは立ち上がり貴族の礼をする。
キースとジェニーも緊張した面持ちで立ち上がるのだった。
クリスが真ん中に立つ男子生徒とはなしをしていて、シリルは無理やりキースに立ち上げさせられると、その男子生徒が「君がシリル・カーティス君だね。 君の噂は聞いているよ。」というが、俺は無言。
その男子生徒が「緊張しているのか。 君とゆっくり話がしたくてね、今日の放課後、私のサロンでお茶会をするので、是非参加してくれ」と言われ、俺は「放課後は用事があるから無理だぞ。 それに俺、いきたくないぞ。 だから、さそわなくていい」といって去ろうとした。 途中他の生徒が道を阻むも、軽く回避して帰るのだった。 邪魔だぞ。
周りは唖然としつつ、シリルは第二王子の誘いを断ったとして噂になるのであった。
