食堂閉店前の来客 前編
学園の後期が始まり、シリルは学園に通い始める。
食堂も営業時間を変更し再開。
後期が始まり2週間ほど経過した金曜日の夜の閉店まもない時間、食堂にはまだ客が数名ほど残っていた。 そんな時間だっていうのに、40代の男性と50代の男2人が来店だ。
50代の男性が、「シュン殿、また空いてるか?」と聞いてくる。
「たく、モーリスにダリスか。 カウンターとテーブルどっちにする?」
って、俺が厨房から声だけかける。 営業時間帯は、厨房から出ないからな。
「テーブルで、あといつものじゃ」ってモーリスに、ダリスが「おれも、いつもので」いう。
何気にこいつら常連だよな。
すると、コリーが4人席のテーブルに案内し、リンがモーリスにワインの小樽を置き、ダリスにはエールを置く。
10分後、コリーがモーリスの前にピザを置き、ダリスの前にはステーキを置き、間に山盛りのポテトを置く。 これが、こいつらのいつも頼む料理だ。
彼らが食べ始めると、既にいた来客が会計をすませて店をでた。
リンが店のドアの看板を”Close”に変更して、俺が賄い3人分をコリーに渡すとリンと共に事務所に移動する。
暗黙の了解ってやつだな。
俺はグラタンとソーセージをもってテーブルに置き、その後タバコをくわえながら数本のエールをもって、モーリスの隣にいつものスタイルで座りエールを呑む。
「おめーら、こんな時間にそんなもん食ってるぞ太るぞ!」って俺の開口一番。
「「うまいのだ(じゃ)」」ってハモってるし。
「しかも3か月も休業してじゃ。 どんだけ待ちわびたとおもうんじゃ」と文句をいうモーリスに、ダリスも「そうだぞ。 3か月どれだけまったんだ」と言われた。
食堂は道楽だしな。 俺はタバコふかしつつ、苦笑いだな。
「俺もやんことあんだよ。」とだけいい、エールを飲みながら「んで、何の用だ?」って聞いた。
この時間に来るって事は、何かしらあるからってわけだな。
すると、モーリスがワインを飲みながら話出す。
「再来週の学園の行事で行くダンジョン実習の件じゃ」
ダンジョン実習って。。 行事でまだあるのは知ってたけど。 俺は、タバコの火を消した。 シリルめ!
「シリル、あいつ忘れてるな。 再来週なのか」ってエールを呑みつつぼやく。
モーリスは苦笑いしてるしな。
「でじゃ、カーティス君をじゃな、さすがに授業ではうまく目立たなくしておるんじゃが、ダンジョンとなると目立つ可能性があるのじゃ。 で、申し訳ないのじゃが、単位取得済みにすんで、ダンジョンには不参加にしてほしいんじゃよ」というのだった。
どういう意味だ?