ギルド見学 後編
シリルが退室したマスター室。
「面白い子だ。 で、あの子ですか、あのお方が保護しているのは？」
「そうじゃ。 なので、ギルドもあの子に干渉してはならぬぞ」
「ええ、兄も承知だ。 ギルドに通達がいってる。 あのお方が保護するという事は、やっぱり曰く付きなのか？」と興味津々に聞くダリスだ。
「ああ。 詳細はいえんがな。 伝承通りじゃ。 面白く育てておるんじゃ。」と苦笑いするモーリス。「わははは、ああ、そのようだ。」とオッサン2人が笑いあうのであった。
一方、ギルドから私服に着替えるため転移で中庭に戻ったシリル。
ちょうどランチ営業の準備をしていたシュン達に会い、「「「抜けてんなー」」」と大爆笑されるのであった。
そんなに笑わなくてもいいんだぞ。。。と心の中で愚痴るシリルだった。
◇◇◇
私服に着替えて、もちろん転移で路地までギルドに戻ったシリル。
ちょうど、学生カードの発行が終わったのか、会議室からでてくる生徒達に鉢合わせしたのであった。
「シリル！」と声をかけたのはキースだ。
「お前、着替えたのか？」
「うん。 家に戻って着替えてきたぞ」
「それでお前なんで呼ばれたんだ？」
「今日忘れてたから、同意書出してなかったんだぞ。 だから、家に戻ってサインもらって、着替えてきた。」
さっき、他生徒に呼ばれた理由を聞かれたら、こう答えろって学園長が言っていたのを言っただけだぞ。 実際、同意書があったらしいが、本カード持っているから入らないらしいんだぞ、理由はわからないんだぞ。。
そんな事を考えていたら、キースが心配な顔をしている。
「んで、シリル、学生カードは発行できたのか？」
「さっき、受付でもらったぞ」と言って、さっき貰ったカードを見せるシリルだった。
「ほんと良かったよ。 発行できないとこの後の任務受けられないしな」とホッとした顔をするキースだった。
「キース、紹介してよ！」
そう言ったのは、キースの後ろに立っている男子生徒1名と女子生徒2名のうち、紺色のミディアムショートヘアで瞳は茶色の身長165CMの女生徒だった。
さっきからキースとの会話を聞いていた奴らだぞ。 誰だぞ？なんて考えているシリルだ。
「ああ、悪りぃワリィ。 シリル、こいつらが俺らのグループだ」
あぁー、今朝学校に行った時に言っていた学生任務受ける時のグループって奴なのか。。
「私、ジェニー・ミラーっていうの。 職業は冒険者。 ジェニーって呼んで。 よろしくね。 で、こっちが」
アッシュグレーのすこし長めのショートで、メガネをかけた聡明な顔立ちで身長180CMの男子生徒のほうを見るジェニー。
「俺は、クリストファー・オールディスだ。 職業が学者でね。 高位貴族なんだけど、4男で、職業が学者だからあまり期待されてないんだ。 貴族っていっても、敬語つかわなくていい。 俺の事は、クリスって呼んでくれ。 で、こっちが俺の婚約者だ」
すると、今度は、長い金髪をアップに纏めて瞳は碧眼の身長165CMのかわいらしい顔をした女生徒が話始める。
「私はディアナ・スノーです。 職業は回復師です。 癖で敬語ですが、私にも敬語つかわなくて結構です。 ディアナってよんでくださいね。」
「おお、助かるんだぞ。 おれ、敬語はなせないぞ。 シリルってよんでくれ」と挨拶した。
正直、興味があまりないシリルは、彼らの名前を覚える気がなく覚えていないのであった。。
その後、みんなでギルドの食堂で昼食をたべ、初の学生任務をうける。 ちょうど、商会の倉庫の整頓という依頼があり、人数も5名だったためキースが選び受付で処理をするのだった。
