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転校先の清楚可憐な美少女が、昔男子と思って一緒に遊んだ幼馴染だった件【2026年アニメ化決定】  作者: 雲雀湯@てんびん2026年アニメ化決定
第6章 ――今までと変わらないノリで、笑顔を浮かべて。

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225/378

225.それぞれの準備


 昼休みになった。

 文化祭も目前に迫ってきたこともあり午後からの授業は無く、全て準備に当てられている。

 食事もそこそこに早速準備に取り掛かる者も多く、校内はあっという間にいつもとは違った種類の喧騒に包まれていく。

 隼人たちの教室もすぐさま机をくっつけて打ち合わせをしたり、床にスペースを作って型紙などの作業をしだしたり、買い出しにかこつけて外にお昼を食べに行こうと算段つけているクラスメイトたちの姿が見て取れる。


「隼人、行こっか」

「おぅ」


 急いでお昼をかき込んだ隼人と春希は、クラスの準備の中心に居る伊織と恵麻に声を掛けてから教室を出た。

 廊下に溢れる資材や作業をする人たちを横目にしながら、みなものクラスを目指す。

 みなものクラスの前には多くの段ボールが積み重ねられており、その廊下では図面と睨めっこして大きな定規とメジャーを片手に線を引く人たちがいた。プラネタリウムのドームを作っているようだ。

 ちらりと教室を覗く。

 すると中には机を寄せ、クラスメイトたちと議論を交わすみなもの姿があった。

 図書室で借りて来たであろうギリシャ神話の本を広げ、皆一様に真剣な面持ちで、時には談笑を交えながら話し合っている。きっと、投影機で映す星座についてのナレーションの打ち合わせをしているのだろう。


「これは……邪魔しちゃ悪いな」

「そうだね」

「戻るか」

「うん」


 せっかく盛り上がっているところに、部外者が水を差すこともないだろう。

 それにもしみなもに何か異変があれば、周囲がフォローを入れるに違いない。

 みなものことは気にかけつつ、事情を聞くのは他の機会に折を見てということで、この場を後にした。



 隼人たちもクラスで準備すべきことがある。

 そのことについて歩きながら話す。


「そういや春希、結局教室のステージで歌も唄うんだっけ?」

「うん、どうせならバンド組んで演奏しようって話になってるよ」

「へぇ、てことはそっちの練習もあったりするのか?」

「あるけど、ボクは当分家で自主練だね。そのうち音合わせやリハーサルがあると思うけど」

「そうか。すっかりうちのクラスの主役だな」

「まぁね。でもクラスの方で引き籠もっちゃえばミスコンとか他のステージ企画を断る理由になるし、ポジティブに考えることにしたよ」

「なるほど、そういう考えも――うん?」


 教室に近付くと、妙にざわついていることに気付く。明らかに準備のそれとは質が違う。

 隼人と春希はどうしたことだろうと顔を見合わせ中を覗くと、そこにはすっかり最近見慣れた生徒会の人間――白泉先輩が居た。

 誰からともなく「あ、帰ってきました!」という声が上がれば、こちらに気付いた白泉先輩がにぱっと笑顔を輝かせ手を上げながらやってくる。


「いたいた! ね、二階堂さん、ちょーっと今ピンチで! 悪いんだけど委員の方、手伝ってくんない!?」

「え、でもそのクラスの準備が……」


 逃さないとばかりに春希の手を握りしめる白泉先輩。

 春希は困った顔で助けを求めるように周囲を見渡すも、クラスメイトたちも同じく困った顔を返してくるのみ。

 そして皆を代表するように恵麻が一歩出てきて言う。


「あのね、どうも委員の方が人手が足りなくてかなり大変みたいなの。こっちはまだ春希ちゃんがいなくても進められるところだから……」

「恵麻ちゃん、でも……」

「私たちもさっきまでの先輩を見てたら、とてもダメとは言えなくて、その……」

「……」


 他の皆も恵麻に同意を示すようにうんうんと頷く。

 何があったか詳しくは知らないが、どうも誠心誠意頼み込まれたらしい。

 当の白泉先輩はといえば、茶目っ気たっぷりにてへりと舌を出してコツンと自分の頭を小突いている。

 春希が何とも言えないジト目になる。そんな春希と目が合い、肩を竦め返す。

 とはいえこれだけ大々的に準備がなされていると、それだけアクシデントも多いのだろう。

 すると春希は「はぁ」とあからさまに大きなため息を吐き、白泉先輩へと向き直る。


「わかりました! で、何をすれば――」

「よかった! 早速だけどこっちに来て! 書類仕事が溜まっちゃって、どこに何があるかわからなくて、もー大変で!」

「み゛ゃーっ!?」


 春希が答えるや否や、白泉先輩は引き摺るようにして連れ去っていく。

 後に残された隼人はやれやれと苦笑いを零し、周囲の空気も緩む。そして皆は元の準備へと戻り、喧騒を取り戻す。

 さて、このまま手持ち無沙汰にしているわけにもいかない。

 自分に手伝えることは何だろうか?

 それを聞こうと思い伊織の姿を探してキョロキョロしていると、1人の女子生徒にくいっと袖を引かれた。恵麻ともよく一緒に居る女子バスケ部の1人、鶴見だ。


「霧島くんって料理とか出来る人だよね!?」

「へ? えーっと……」

「メニューどうするか悩んでるの! こっち来て、ほら!」

「お、おぅっ」


 そう告げられ、強引にとある一画に連れていかれる。

 途中、伊織と恵麻と目が合った。伊織はステージや内装について、恵麻は接客やバンドの衣装について話し合っているらしく手一杯のようだ。

 2人はそっちは任せたとばかりに目配せしてきたので、隼人もわかったとばかりに頷き返す。

 そして席に着き、メニュー班との打ち合わせを開始した。


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[良い点] にゃーーん!
[良い点] 望む望まぬに関わらず、適材適所にゃーん?
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