プロローグ
今日僕は、トラスト・アクア・ランドに今度やる予定のマジックショーの下見をする為、来園していた。
とは言え、本当は時間よりちょっと早いぐらいに来るのが本当のカッコいい大人と言うものなのに、僕はトラスト・アクアだと言うことが嬉しすぎて開園と同時に入場してしまった…。
あと、以前僕はここで働いていて、まぁそこそこ人気のあるキャストの『ファンキャスト宮澤さん』だった訳で。余り身バレしないように服装とかには超気をつけて来たけど、時間まではほどほどに楽しもうかな。
そう思って、ベンチから立ち上がった時。
ドサッ
どこからか、子供が転んだかのような鈍い音が聞こえた。
どこっ!?今すぐにでも笑顔にさせてあげなきゃ…!
「うわぁぁーん!!」
そっちか!!大丈夫だよ!今僕が笑顔の魔法、かけてあげるからね…っ!
そう思いながら、泣き声の元へと向かうと突然その声がピタリと止んだ。
それと同時に僕の耳に馴染みのある声が届く。
「僕と、このお姉ちゃんで君を助けるよ。さあ、立って。痛い所を見せてごらん」
ラ、ラッフィの声だ…。人混みを掻き分けてその声の主の元へとたどり着くと、一人で来たゲストと見られる二十代前半ぐらいの女の子。多分、この感じからするとこの子にこの男の子がぶつかっちゃったのかな。
そして、しばらく様子を見ていると、どうやらこの男の子は迷子らしい。なるほど。トラストではよくある話だ。その男の子のことをあの子はキャストさんにちゃんと伝えていた。
うん。偉い偉い。この広大なパークの中、一人で探すのは無謀だもんね。
それからかれこれ四十分弱。あの子はポップコーンを買ってあげたり、ラッフィになりきって男の子と話したり、色々とやっていたのだが、やはりそろそろ限界みたい。うん、こうなったらそろそろ僕が助けてあげる番だ。
本日は、「マジックの種は夢の中で in 僕の一日日記」を読んでくださってどうもありがとうございました!天河蒼夏です。
また、「マジックの種は夢の中で」の本編からお越しくださった方は、わざわざ来てくださってありがとうございます!
この作品は、「マジックの種は夢の中で」との二次創作になっており、シリーズでほぼ同時に更新しているので、一緒に読み進めて頂けると尚楽しめるかと思います。(勿論、どちらか一作品だけでも十分楽しめるような作りにはしていますが)
これからは、本編の後書きでも書かせて頂きました通り、二日後、本編を更新後また、二日経ってからこちらの作品を更新、と言った形で更新させて頂きますので、どうぞお時間のある方は是非お読みください!
それでは、改めて、最後までお読み頂きありがとうございました!