第40話 エピローグ(第一部)
※
あれから地球に戻った俺は、恋たちに事情の説明を求められた。
『ロロに罰を与えたら世界が崩壊しかけた』
と、端的にわかりやすく説明したつもりが、余計に混乱させてしまったらしく、納得してもらうのが大変だった。
しかし、エネルギーの相殺をしたことで、地球に起こったエラーの原因も一時的にとりのぞけた為、今は平穏な時間が過ぎていた。
『アル、管理局からの連絡は?』
『ない』
女神たちは宇宙の構造に変化がないか、今も詳細を調査している。
その為、クラスメイトの捜索に割く力が半減しているそうだ。
「入るわよ、巡」
「先輩、今日も来ましたよ~」
「お邪魔します、狭間くん」
「狭間、今日もお邪魔するわよ」
救出した四人のクラスメイトたちは、定期的に俺の家に集まっている。
ただ遊んでいるだけではない。
彼女たちはそれぞれ訓練に励んでいる。
ここに集まるのも俺からアドバイスを貰う為……という名目らしい。
『メグル……聞こえる?』
『おう、ラフィナ……どうしたんだ?』
『今から遊びに行ってもいい?』
『ああ……約束してたもんな。なら迎えに行くよ』
女神たちから何らかの情報が来るまでは特にできることもない。
折角だから、ラフィナをみんなに紹介するか。
「というわけで、世界樹の国のお姫様のラフィナだ」
「……よろしく」
直ぐに世界樹の国に転移してラフィナを自宅まで連れてきた。
人見知りしているのか少しだけ頬を赤く染めている。
「将来の夢は、メグルのお嫁さん」
と言ってラフィナが、俺を抱きしめた。
って、あれ?
「今、とんでもない宣言をしなか――」
「巡……どういうこと?」
うおっ!?
一瞬、背筋がぞっとするほどの殺気を恋が放った。
俺が思わず慄いてしまうなんて……。
「先輩~、恋さんというものがありながら……」
「ラフィナさん……もしかして、ゲートから出てきたかた、ですか……?」
「ふ~ん、狭間って異世界の子もOKなのね。可愛い子だものね~」
詩音、長嶺、楠木は三者三葉の反応をする。
が、何にしてもまずは勘違いしている恋の誤解を解かなくて――
「ラフィナさん、とりあえず近いから巡から離れる!」
「や。久しぶりに会ったんだから、傍にいる」
右から恋が、左からラフィナが俺を挟みながら睨み合う。
「長嶺さんも参戦しなくていいの?」
「ぼ、ボクは、その……」
「あらあ? 先輩たちがいかないなら――私が恋の戦争に参加しちゃいますよ」
「っ……ぼ、ボクだって――負けないから!」
「なら、あたしも――」
五人の少女が俺に迫ってくる。
逃げ場を失った俺は、この状況をどう乗り越えるのかを必死に考えているのだった。
こんな調子でのんびりとした時間を過ごしながら数日が過ぎて――
『メグル、来たぞ。女神からの報告だ』
短い休息は終わった。
さあ、再行動だ。
『次はどこだ?』
『お前のクラスメイトを発見した異世界は――』
アルの言葉に思わず笑みがこぼれる。
『そうか。あいつがその異世界に――』
そして最速最短の異世界攻略が始まるのだった。
※
〇戦績
エクストラステージ1:世界樹の国――攻略達成
エンド:TURE END
異世界救出:なし
世界樹の国のお姫様、ラフィナ・アルバートに協力する。
自分と家族を救ってくれた巡にラフィナは興味津々。
将来の夢は大好きな人のお嫁さん。
残り転移者――21名。
ネクストステージ:???
第二部に続く。