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コント:異世界転移

作者: 山田

――ツッコミのナレーション「俺の名前は伊集院カイト、これといって特徴の無い男子高校生さ。そんな俺がある日自動車事故に巻き込まれ、気付けば全く見たことも無いセカイ。これってもしかして……」


ツッコミ「まさか本当に異世界に来るなんて……」

ボケ「聞こえますか、聞こえますかカイト」


――ボケは声だけ聞こえる


ツッコミ「だ、誰だ!?」

ボケ「聞こえますか、両親がちょっと気取った名前をつけてしまったために、完全に名前負けしてしまった伊集院カイト」

ツッコミ「大きなお世話だ! ていうか本当に誰だよ!?」

ボケ「私はこの世界の神……は言いすぎかもしれません、システム、いやバグ、いや私なんて弁当に入ってる緑色のプラスチックのあれ……」

ツッコミ「わけ分からんわ! ちなみにそれはバランな! とりあえずお前はこの世界の神様みたいな者なんだな!?」

ボケ「そう面と向かって言われると照れます♡」

ツッコミ「一向に話が進まないだろ! とにかくここはやっぱり異世界なのか!?」

ボケ「そう、ここは危険なモンスターが徘徊するファンタジー世界。そしてこの世界に転移した人間は、まず自分の能力を自らで決めなければなりません」

ツッコミ「ゲームや小説みたいだな! 最高のキャラメイキングをするぜ!」

ボケ「では初めにパラ―メーターから。走力、守備力……」

ツッコミ「俺的には攻撃を重視したいな、力と魔力とか」

ボケ「打撃力、変化球……」

ツッコミ「野球のパラメーターじゃねえか! モンスターと野球でもやるのかよ!」

ボケ「いえ、普通に殺し合いですよ」

ツッコミ「分かっていたとはいえ、実際口にすると物騒だな!」

ボケ「ふふふ……」


――ボケ、不意に含み笑いをする


「実は今のやりとりは、貴方のスキルを見るためのものだったのです。そしてどうやらスキルを入手出来たようですよ」

ツッコミ「ホントか!?」


――機械的なナレーション「カイトは新しいスキルを手に入れた!」


ツッコミ「マジじゃん、やったあ!」


――機械的なナレーション「新スキル・ツッコミ:ツッコミの速さが1,5倍なる」


ツッコミ「マジでいらんわ!」


――実際にツッコミのしゃべるスピードも速くなっている


ボケ「それでは他のスキルについて決めましょう」

ツッコミ「パラメーターすら未だ決めてないだろ!」

ボケ「貴方のパラメーターは『ライトで8番』に決定しています」

ツッコミ「結局野球じゃねえか! しかもそれ草野球で一番下手な奴がやるポジションだろ!」

ボケ「スキルは自由に決めることは出来ません、私の質問に答えてその適性にあった物を選びます」

ツッコミ「パラ―メーターすら自由に決めてないわ! まったく……」

ボケ「まず貴方の生年月日を教えてください」

ツッコミ「8月30日の乙女座だ」

ボケ「その顔で乙女座……ぷぷぷ」

ツッコミ「大きなお世話だ! お前本当にぶん殴るぞ!」

ボケ「おお怖い怖い(笑)。では続けます。貴方の前に、危険にさらされ今にも死にそうな人がいます。しかし貴方が犠牲になれば、その人は助かります。貴方はどうしますか? 無視して自分だけ助かりますか?」

ツッコミ「難しい質問だな……。具体的に危険な目に遭ってる人はどういう人なんだ?」

ボケ「とても優秀で、みんなにとっては必要な存在ですが、貴方はその人が好きではありません」

ツッコミ「うーん、だったら無視するな。嫌いな奴のために死にたくはないし」


――機械的なナレーション「カイトは新しいスキルを手に入れた!」


ツッコミ「お、さっそくか。我ながらちょっとひどい答えだから、正直あまり期待出来ないけど……」


――機械的なナレーション「新スキル・送りバント×:送りバンドが未来永劫失敗するようになる」


ツッコミ「まだ野球の話だったのかよ! しかも一生とか地味にえぐいな!」


ボケ「最後に装備品を選んでください」

ツッコミ「お前絶対バットとかグローブとか言うつもりだろ」

ボケ「……候補はこの木の棒だけです」

ツッコミ「図星だからって手抜きすぎるだろ!」


――機械的なナレーション「カイトは新しいスキルを手に入れた!」


ツッコミ「なんだなんだ、今更どんなスキルが手に入るんだ!? まあ現時点で期待度0だけどな!」


――機械的なナレーション「新スキル・ツッコミ+2:ツッコミを何回か的確に入れることで、ツッコミから進化する。あまりの早さにボケはボケる事さえ出来ず、そもそもネタが成立しない」


ツッコミ「絶望的にいらんわ!」


ボケ「あ――」

ツッコミ「だからそれは元ヤクルトのペピトーン! もうええわ、ありがとうございました」

ボケ「あ……あ……」


             ――了――

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