7話:親友と休息
短めです
「ん〜っ…」
少ししんどい、昨日の疲れが取れてないのか…
俺はゆっくりとした動きで寝床から起き上がり大部屋に向かう
「おはようぉ…」
「おう、おはよう」
日向は先に起きてた様だ
俺は日向の隣に座り今日の予定を話そうとすると…
「今日は休日にするか」
と日向が言った
「?休日って…」
いいのだろうか、まだやらなければいけない事はありそうだが
「あぁ、ミツさ最近、寝ても疲れ取れてないんだろ?」
「あ、そうだけど」
日向が俺の体調を把握してたとは…
「だからさ休日。少しは休む事も大事だしな」
……ありがたいな
「そっか…あんがと」
「別に気にするなって」
最近、色んな事が起きて疲れてたからな
本当にありがたい
俺が日向に感謝しながら朝飯を食べようとしたら
「あ、でも筋トレはやるぞ」
「…了解」
日向への感謝がだいぶ薄らいだ
俺達は朝飯を食べた後、ゴブリンと共に地獄を終わらせた
…何か最近ゴブリンの筋肉やばくなってきた気が…
そんな事を思いながら
さて…今日は休日だと言われたが
そうなると途端にやる事が無くなる
寝るしかないのだろうか?
いや、生活リズムが崩れそうだ、やめておこう
なら、何をしよう…
うーむ………
結論が出ない
取り敢えず俺は他の面々が何をしてるのかを見る事にした
まずは…ゴブリンから見るか
ゴブリンは何処にいるんだ?
あ、いた
ゴブリンは作業部屋にいた
何をしてるんだ…?
ゴブリンが何か作業をしているようだが少し遠くて見えない
俺は何をしてるのかを見ようとゴブリンに近づき…
「意外とマメだな」
ゴブリンは作業道具等を手入れしていた様だ
意外と消費していたようで手入れをする前とした後の道具を見てみると結構違う
道具の強化もしている様だ
木工作業用のナイフもかなり切れ味が上がってそうだ
いつも思うのだがどうやっているのだろうか?
コイツの1番の不思議は謎の加工能力だな
さて、これ以上見ると迷惑かもしれない
俺はそう思い、次はソーサラーの様子を見に行く事にした
ソーサラーは自室で魔法の練習の様だ
どんな魔法を使っているんだ?
ソーサラーに近付いて見てみると
「…火の輪くぐり…なのか?」
ソーサラーは水魔法で作り出した輪っかに火魔法で作り出したゴブリンをくぐらせている
遊んでるように見えるが…違うな…
水の輪は火ゴブリンがギリギリ通れる位の大きさしか無い
魔法の操作を間違えば即火ゴブリンは消える
案外、しんどいものなのだ
なるほど…いい練習法だな
俺はソーサラーに感心し自分も今度やってみようと思った
「どんだけ増やすんだろ…」
ソーサラーの魔法練習を観察する事1時間
先程からソーサラーは水の輪と火ゴブリンを増やし続けている
今は30組だ
それを全部同じタイミングで水の輪をくぐらせている
…ゴブリンってこんな感じだったっけ…
今更ながら、怖いと感じた
「……………」
今、俺は恐らく200組程度の水の輪と火ゴブリンが同時に水の輪をくぐっている光景を見ている
何なんだろう、コイツは
いくら何でも俺の魔力の成長補正のお陰とは言えない気が…
俺の従魔は何だかおかしい奴しかいないのか…
その今更な事実に俺は溜息を吐いた
…まぁ、頼もしい奴がいるとでも考えておこう
そう思っとかないとキツそうだ…
そろそろ出るか
これ以上見たら気がおかしくなりそうだ
なのでもう出よう
そう思いながら部屋を出る俺の後ろには
水の輪と火ゴブリンが1000組程度いた…
日向は…おっ、いた…
次は日向だ、筋トレでもやっているのかと思いきや…
寝転んで空を見上げながらのんびり寝ていた
…アイツも人間だもんな
日向が人間という事実を忘れてた感じだ
日向も疲れていたのだろう
…俺はそっとその場を去った
さて…全員の様子を見てきた訳だが…
俺は何をしよう
…魔法の練習だな
昨日も役に立ったしやっておいて損は無いだろう
俺は魔法の準備をしようとして…思った
別の魔法も練習してみようかな?
俺は何となくそう思い他の魔法をやってみる事にした
「まずは…火魔法だな…」
これは家では危ないから外でやろう
ちなみにソーサラーは例外だ
「ふぅ…」
まずは…魔力を集めて…
次に…火が出てくるイメージ…
……………
ボウッ!
ふぅ…出来た
水魔法で慣れていたから案外簡単だったな
火魔法はこれでイメージは掴んだ
次をやろう
次は……他にどんな魔法があるんだ?
他の魔法は何があるんだろう…
………答えは出てこないな
魔法と言っても想像出来るのは色々あるし
火魔法と水魔法を練習するか
……………
俺は今、火魔法と水魔法の同時発動をしている
そして色々遊んでいる
ソーサラーがやっていた練習をやってみたり
火魔法と水魔法を混ぜようとしてみたり
ちなみに結果は失敗だ
水と火が消え、変な感じに魔力が残っただけだ
色々している
まだまだ色々やってみよう
「おーい、ミツもう夜だぞー」
ん?…もう夜だったか…
だいぶ熱中していた
俺が考えついたのは火魔法と水魔法の軍団を作って戦わせる戦国シュミレーションゲームみたいなのをやっていた
今の所、水魔法が有利だがたまに火力を上げた火魔法に水蒸気にされてたりする
案外、勝負は分かんない感じだ
しかし…もう夜か…
これは消したくないんだが…どうするか…
…残しておこう、無意識に魔法を維持出来るかも試してみたいし
「分かった、すぐ戻る」
「今日はのんびり出来たか?」
「あぁ、のびのびとしたよ」
「それは良かった」
今日は熱中して昼飯を食べてないから夕飯は沢山食べるだろう
木の実だけだが…
てか、俺達たんぱく質とか取ってないのに大丈夫なんだよな…
この木の実何なんだろう…?
…まぁ、いいや
俺以外の面々も昼飯を食べていなかった様で沢山食べていた
「ふぅ…筋トレやったら寝るか」
「…分かった」
地獄の始まりだ、頑張ろう
「ふぅ」
終わった
最近、地獄が楽になってきた
まだまだしんどいが前程では無い
少しは強くなっている証拠…かもしれない
少し達成感に浸りながら俺は部屋に戻った
「あ…明日の予定決めてないや…まぁ…いいか」
何だろう凄く眠い
俺は寝床に入りすぐに寝る事にした
今日は充分休んだし…明日からまた頑張ろう…
そう考えた後、俺は意識を手放した…