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Death games  作者: タキン
序章 変わり果てた日常
2/17

1

香川県高松市にある、高松空港付近の山奥に、僕の祖父母は住んでいる。

おじいちゃんは猟師で、小さい頃からいろんな野性動物を見せてくれた。(ほとんど死体だったが)


そんなおじいちゃんも、92歳の誕生日を迎える前に、あの世へと旅立ってしまった。




葬儀では、何度もじいちゃんの姿を見て泣いた筈なのに、涙が止まらなかった。

葬儀のことはそれだけしか覚えていない。









目が覚めた時には、12時をまわっていた。

泣きすぎたせいで目が少し腫れている。

食事をとっていないが、東京に帰る準備をしていないので、先に準備をしなくてはならない。


キャリーバックに荷物を詰め込んだら、玄関に置く。

ほんとうは車に置きたいのだが、父さんが鍵を持っているので車が開けられない。

おそらく母さんも父さんもまだ準備をしているのだろう、時間が迫っているのにまだ出てくる気配がない。


「…………お墓………行こうかな………」


次はいつここに帰ってこれるかわからないので、最後にもう一度だけ挨拶をしたくなった。


サンダルに履き替えて、小走りでお墓に向かう。

近くの道路沿いにお墓はあり、墓地の中で1番大きい墓なのですぐに区別できる。


「ここでキャッチボールしてたなぁ……」


おじいちゃんとの思い出を振り返りながら手をあわせ、泣きそうになりながらも、なんとかこらえつつ祈っていると、急に肩を叩かれた。








そこにいたのは12歳程の女の子で、さっきまで泣きじゃくっていたのか、目が真っ赤だった。



「ど、どうしたの…?」


「お母さんが、いなくなっちゃったの……」


「お母さんが?」


「うん…、急にお母さんがいなくなったの……」


今にも泣き出しそうな震えた声で、眼を擦りながら少女はポツポツと話だした。


「車を運転してたのにね?いなくなったの……」


「う、運転中に!?」


いきなり声をかけてきてこんな変な話をしてくるあたり、ドッキリか何かだと思った。

運転中に消えたというのは本当なのだろうか。


「君、名前は?」


「……多田………りせ…」


体を震わせながら、消えそうな声を絞り出す。


「僕は瀧 彰人(たき あきと)。りせちゃん、とりあえず僕の家に行こう、で、落ち着いてからまた話を聞かせてくれる?」


「うん……」


この子の話を信じていないわけではないが、僕も出発の時間が迫ってきているので、おばあちゃんに任せるべきだと思う。











りせちゃんの手を引いて家に帰り、玄関から大声でおばあちゃんを呼ぶ。


…………………。



返事がない……。


「ちょっとここで待っててね」


「うん」


靴を脱ぎ、台所に向かう。


「いない……?」


昨日、見送ると言っていたはずなのに、おばあちゃんの姿はそこにはなかった。


「部屋かな……?」


襖を開けて中を見るが、誰もいない。


「母さん、おばあちゃんがどこにいるか……」


母さんの部屋を開けてみるが、母さんもいない。


もう車に乗って待っているんじゃないかと、車がある裏口に向かう。


「エンジンがかかったままなのに誰も乗ってない……?」


やはりそこにも姿はなく、ドアが開き、エンジンがかかったままの車がそこにあった。


もしやと思い、ケータイに電話しようとする。


「え……?圏外…?」


昨日まで使えた筈の通話ができなくなっていた。

試しにインターネットで適当なことを検索をしてみるが、機能していない。


「どういうことだ?」


急な展開過ぎて、頭がついていかない。

落ち着け落ち着けと言い聞かせながら、ゆっくり深呼吸する。

ある程度落ち着いてからまた考えてみたが、何が起こっているのかまったく理解できない。


「お兄ちゃん、ちょっと来て!」


しびれを切らしたのか、りせちゃんが大声で僕を呼び初めたので一旦合流することにした。



玄関で待っていたりせちゃんは僕を見つけると、手で速く来るように急かし初めた。


「どうかしたの?」


「誰か来てるよ?知ってる人?」


りせちゃんが指差しながら呑気に知り合いかと聞いてくるが、指を指した方向には、人ではなく



銃を手に持った、人のような機械が立っていた。


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