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Death games  作者: タキン
序章 変わり果てた日常
1/17

よろしくお願いします

口の中に血のような臭いが充満する。

おそらくさっきの全力疾走した時にどこかしら切ったのだろう。

確認している時間など無い、一瞬の油断で全てが終わるのだから。



非常階段を駆け下りて、近くの狭い路地に身を潜めると、息を整えながら回りの安全を確かめる。

とりあえず、バレてはいないようだ。

別行動をしている回収班は無事に離脱したのだろうか、急にとても不安になった。



保険として部下を3人付けたので、全滅する可能性はないとは思うが、相手が〔level 4〕ともなれば不安になる。

だけど俺がしなければいけないことはあいつらを心配することではない。

きちんとここを制圧するということだ。







足元の石を掴み、道の反対側の窓ガラス目掛けて投げつける。投げつけた石は大きな音をたててガラスをしっかりと割った。

そして俺は、余計な音をたてないように、細心の注意を払いながら辺りを確認する。

近づいてくる足音は4つ。

割れた窓ガラスの近くに集まり、何か喋っている。

だが、全員の視線がバラバラな為、安易に動くことはできない。

もう一つ石を投げる。

さっきの建物の2軒隣の窓ガラスが割れる。

この音に全員が反応し、音のほうを向いたため、俺に背を向ける形になった。

狙うならこのタイミングだ。







路地から飛び出し、歩幅を小さくして足音を消しながら素早く詰め寄る。

1番近くにいた奴に手が届きそうな距離まで近づき、口を塞ぎながら首の骨を一気にへし折る。

ボグッ、という鈍い音をたてて、体の力が抜けていった。


すぐさま音に反応した残りの3人が一斉に俺に向かって射撃。

だが、俺の予想通りの行動だ。


前方にジャンプしつつ、死体を盾にしながら突っ込む。

カバーしきれなかった右足のふくらはぎに弾が掠めるが、着地しながら愛銃である『フェドロフM1916』を頭目掛けてぶっぱなした。


毎日の訓練の賜物というべきか、3人はそれ以上俺に撃ってくることは無かった。








4人の死体を近くの喫茶店に運び、荷物を漁る。

とりあえず周囲に生物の気配はなかったが、いつ、どこから襲われてもおかしくないため、素早く荷物を漁らねばならない。


"高速補給パック"が8個、『M4A1カービン』が3丁、無傷の防弾ベストが1着と、使えそうなものはこれ位だけだった。


1個使うだけで、24時間もの間腹を満たし、十分な栄養をとることができる高速補給パックがこんなに手にはいるとは思わなかった。本当に美味しい所持品だ。


殺した特殊軍人、略して|Special・Soldier〔S・S〕達は〔level 4〕が1人と〔level 2〕が3人だった。

こっちに『level 4』がいたのは驚きだったが、向こう(回収班)に行かなくて良かった。


リュックサックに全て詰め込み、帰還ポイントへと向かう。

日没ギリギリだが、間に合うだろう。

しかしさすがに詰め込み過ぎた。

重くて動きにくい、M4A1を捨てていこうかな………


















と、ここまでが今日の俺の行動だが、俺は決してゲームをしていた訳で(・・・・・・・・・・)はない(・・・)

全てがこの日本で起きていることであり、現実であり、事実だ。


2020年に起きた事件から4年経った2024年現在、23歳以上の人間は今のところ確認されていない(・・・・・・・・)


それは忘れもしない、2020年5月5日のあの日に起こった。



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