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はじめに
新選組四天王の内の一人であるのに表立っていない藤堂平助は、
複雑な過去を持ちながらも孤独と闘い、悲しみを振り払い、常に明るく 前向きに生きてきた。
儚くも壮絶な二十三年の生涯。
新しい世を作ろうとしたにもかかわらず、新時代の幕開けさえ見ることもできないまま、彼は生涯を終えた。
誰かの傍にいるつもりだったのに、その人は赤に染まってしまう。
人に出会う度に平助の求めるものは変化し、掴みかけては消えてしまう。その繰り返し。
ますらをの 七世にかけて 誓ひてし
言葉たがはじ 大君のため
風雲の世を駆け抜ける若い彼の瞳には何が映ったのだろうか。