2話 世の理
私のナイトは3人目。
折角のパートナーだから今まで顔で選んでいたのね。
だから一緒にいる時間は楽しかったけど、目的は進まず・・・
無駄な時間を過ごしたって感じかな。
まぁ・・・楽しかったし、後悔はしてないけどね。
この子は、顔はいまいちだけど剣の腕は申し分ないわね。
「わたしの名前はリノン。貴方の名は?」
「俺の名は・・・ハック。」
「ふ~ん。変な名前ね?」
「んだぁな。オークに村が襲われて生き残った俺を拾ってくれた
くそ野郎が付けた名前だ。本当の名前は忘れた。」
「はぁ~。それでいいの?まぁ。いいけど。。」
剣以外は人並み以下って感じするけど。。。
「それより、周りがうるさくて落ち着かないぞ?」
「貴方ねぇ~~~。街中でも同じ事言えるの?
街中に居ると思いなさいよっ。」
「ああ。そうか・・・おおっ。慣れて来た!」
「貴方・・・脳も筋肉でしょう?きっとそうね。」
「・・・否定はしねえが、おまえ・・・毒舌だな。」
「うぐぅ。」
これでも、前2人のナイトからは可憐なリノンちゃんって
言われてたんだけどね。。。
この子のペースなんだろうけど、本当の私に馴染む気がする。
あら?何だか懐かしい感じがする~~~。
あっ。この剣から力を感じるけど。この感じは・・・アルムの剣?
「ねねっ。その宝剣を抜いて見せて?」
ハックは剣を鞘から抜いて、肩に乗ってる私の手の届く所で見せてくれる。
やっぱりそうね。精霊の加護を受けたアルムの剣だわ!!信じれない!!
この子が持ってるって・・・凄い違和感があるんですけど?
普通に考えれば剣で、私を傷付ける所か、触れる事もできないのね。
私の羽を切った剣だから、早く気付くべきだったわ。。。
間抜けな二人組であった・・・
「この剣どうしたの?」
「・・・拾った。」
「この世界に1本しか無い貴重な剣が拾えるはずないでしょ!!」
「いや、本当に拾ったんだ。」
さっきの感じから、襲ってくる賊から強奪したのかもね。
アルムの剣があるなんて、運が向いて来たかも。
この子は運命かも!ううん、きっとそうよ!!
「ハック?私は精霊の国のアルマに行きたいの。ナイトの貴方は、
それを補佐して一緒にアルマを目指すのね。」
「・・・・・」
「アルマは場所だけど、足でも馬でも行けない場所なの。」
「・・・・・」
「・・・もぅ~聞いてるの?まぁいいわ。手の上に乗せて。」
腰のまん丸のカリスメーターを取り出し、ハックに見せながら説明してあげる。
「世の理には、カリスマとカルマがあるの。まぁ、光と影の関係ね。
良い行いをすると、カリスマが上がり、悪い事をすると下がるのね。
そして、カリスマを上げ続けて、この目盛りが一周まわったら、
アルマへ通じる光の道が現れるの。分かる??」
「うぅ・・・面倒過ぎて、無理!!周りがうるさ過ぎて無理!解約を要求する!」
・・・あ~ん。折角~強そうな子を見つけたのに><
単純そうだから、色仕掛けしかないわね。目の前まで飛んで、乳揺らせば・・・
って、羽が切れて飛べないよぉ。。。う~~っ。。もっとも本人が嫌がれば、
解約しないといけない規定があるから、解約に応じないといけないのね。
でも、でも、勿体なぁ~い>< アルムの剣も惜しいし><
はぁ~~~。仕方ないかぁ。
私をパートナーとして認めてくれないと、精霊の加護も受けれないし。
でも私と一緒じゃないと、アルムの剣もただの剣なのにね。。。
「うん・・・分かった。何だかごめんね。」
「はぅ。毒舌の幼性のギャップが萌え~だな。」
「妖精よ!妖精!!ってもうどうでもいい事ね。」
「勝手に押し付けてごめんね。解約するから、貴方のデコに触れさせて。」
あやふやな返事をして、期待させたのは悪かった。
だが、主を持つ気は無いし、束縛される事も面倒事も御免だ。
肩を落とす幼性?が可哀想な気もするが・・・
幼性?を手に乗せたままデコに当てた。
「解約前に一言!アルムの剣を持ってるんだから、彷徨える者を助けてね?」
「えっ?・・・ティマちゃん??」
「はぁ~~?誰よそれ??」
「あっ。いや。気が変った。お前を一年だけ助ける。但し条件が2つがある。
一つは、好きな時に乳を突かせろ。二つ目は腹いっぱい餌をくれ。」
「ええっ?いいの?いいの?あ~ん。ありがとう!!」
大好きだったティマちゃんと同じ一言に、何かを感じて気が変った。
これも運命という奴だろうか?一年面倒に付き合うとするか。
「んで、面倒で途中で止めたが、何を手伝えばいいんだ?」
「ん~。長くなるけど、ちゃんと聞いてね?
良い事をすると、カリスマって徳が上がって、この目盛りが増えるの。
そして一周回ったら、達成なの。さっきここまで話したわね。」
「その目盛りって・・・30%くらいじゃん?先は長いな。。」
「そうなのよ!大変なの><」
150年で30%しか溜めれなかったって事は、口が裂けても言えない><
「そして、ここからが大事だから、ちゃんと理解して!」
「へぃへぃ。」
「貴方、さっきオークって言ったでしょ?オークの元は何だと思う?」
「見ての通り、豚じゃないのか?」
「そう。豚なの。その豚さんが・・・どうしてモンスターになったと思う?」
「さ~な~。魔王の魔法じゃないのか?」
「ぜぇぇぇんんん・・・ぜん違うのね。彼等も元は普通の生き物だったの。
それが、私達妖精を食べてあんな姿に変るの。普通は会話もできるし、
妖精を崇めてくれるいい子達だけど。でもね?怒りで理性を失った時や、
悲しみから立ち直れなかった時に、私達に救いを求めて食べてしまうの。
その結果、モンスターに変化をしてしまうの。」
「あの化け物達って、お前等の所為じゃん!!」
「・・・ナイトがちゃんと守ってくれないからよ!!
そしてね?オークになった子が、妖精を食べ続けると、ハイオークになって
魔法を使える様に進化するのね。そしてオークロードになるのね。
私は、166歳何だけど、」
「ええ!!ババアじゃん!!解約を要求す・・「最後まで聞け!!」・・あぃ。」
「300歳以上の妖精と、この目盛りが80%以上の妖精を食べると、
絶大な力を得る事ができるのよ。そのモンスターを人間は魔王と呼んでるわ。」
「・・・んじゃ・・・コボルトって、幼性を食べた犬で、
リザードマンは、幼性を食べたトカゲって事だよな?」
「ええ。その通りよ。その子達が更なる力を求めて私達を襲うね。」
「・・・そいつらからお前を守るのが俺の役割か。」
「・・・脳は膿んでない様ね?」
「ぐっ。解約を求める!!」
「あ~~~ん。ごめんなさぃ!!」
「だが、この国の冒険者ギルドは強いからモンスターも出てこない。
こんな国だと、俺の役割って無いんじゃないのか?」
「そうね。でも、小さい身体では限度があるの。だからナイトは必須なの。
それに、ナイトと私は共有時間が長ければ長い程、お互いにメリットがあるし。」
まぁ、良く分からんが・・・
モンスターや、魔王を産んでたのが幼性?だとは・・・
本当に面倒な事に関わったものだ。。。まぁ、ティマちゃんとの約束を
思い出して、今のままの気ままな自分じゃ~って思えたし、いっか。。
「そして、私はご飯の代わりに、樹齢100歳以上の樹の精から命と力を
分けて貰うのね。で、同じ樹からは一度しか分けて貰えないの。」
「ぐはぁっ!って事は、モンスターの居る森に入って事だよな?」
「えへへへっ。」
ぐっ。こいつ・・・ぽにょぽにょぽにょ・・・この乳に顔埋めたいぞ!
「ああん。くすぐったぁ~い。話はまだ途中よ!」
「あぃ。」
「これも大事だけど、貴方と私の同意の判断が必要な事があるのね。
それはね、モンスターになった子が理性を取り戻したとして、
人間と共存できるか判断するの。二人の意見が食い違うとダメなのね。
そして、二人が共存できると判断した場合は、亜人として生きていくの。」
「えええ!!亜人もお前ら絡みなのか!お前って・・・もしかして凄いのか?」
「えっへん!!今頃リノン様の偉大さに気付いたか!!」
くぅ~~~ぽにょぽにょぽにょ・・・
「偉大なリノン様の乳を突くな!!」
「んじゃ、解約を。」
「・・・好きなだけ突いて!!」
「あぃ」
俺って、世の中の事が全然知らないんだな。
てか、この事知ってる奴の方が少ない気がするが。
問題は、こいつの餌だ。危険を承知で、森に入る事になる。
「おい。幼性。お前の餌は・・・「リノンよ!リノン!!」いつだ?」
「まぁ~一ヶ月に一度くらいね。樹齢300年以上の精に命を頂いたら、
三ヶ月は大丈夫なの。でも、森の奥に入らないとだし・・・」
「んで、次は?いつだ?」
「・・・一週間後・・・」
「まじか!早く言えよ!!」
「えへへっ。ごめんちゃい」 頭をこつんとしながら言う。
ここから樹齢100歳以上の樹なんて、一週間で見つかるか?
早速、面倒事だ。だがティマちゃんが導いてくれた様な気がする。
甘んじて、面倒を全て引き受けよう。ティマちゃんとの約束だ。
「んじゃ、樹海を目指すぞ!」
「まって!アルムの剣と貴方の同期を合わせるわね。
剣の上に私を乗せて、そのまま額に当てて。」
言われるままに従う。
・・・何をしてるか分からないが、デコが熱くなってきた。
すると、シュッと何かが身体に入ってきた。
「これで終わりよ。」
何だかよく分からんが、樹海を目指すか。
林から森に入ってしばらく歩く。
この辺りにモンスターは居ない。
だが、もう一日歩くとモンスターが出没する領土に出るはずだ。
歩き続けて、辺りが薄暗くなってきた。
「そろそろお腹空いたでしょ?」
「おおっ。餌か?ありがたい。」
そして空に向かって両手を広げると、猿らしき生き物が
木の実を運んできてくれた。
「ありがとう。お疲れ様。」 持ってきてくれたから礼をした。
「クスクスクスッ。頑張ってね。ナイトさん。」
そして、森に中へと消えて行った。
「足りなかったら、追加で持ってこらせるからね。」
「ありがとう。戴きます。」
かなりの量で、空腹は満たされた。
「もう夜だし、ここで休みましょう。」
「結構な奥だ。危なくないか?」
「大丈夫。大丈夫。モンスターが近づいて来たら、動物や植物が教えてくれるの。」
そう言えば・・・ざわざわするが、会話としては聞こえなくなったな。
街の中に居る感覚だ。人間って適応能力が高いな。
そう思いながら、木に背中を預けて眠りに着いた。
「リノン様!ナイトさん!起きて!大変!!」
誰かが俺達を起こす。
「何だ?どうした?」
「暴走ベアーが近づいてくるよ!!」
「う~ん。えへへへっ。う~ん。」呑気に寝てるリノン。
「リノン!!起きろ!!」
「キャッ!!何?何?」
「暴走ベアーが接近中だ。起きて肩に捕まってろ。」
「えええっ!!早く逃げよ~うよ!!人間には無理!」
「ほれ、前を見てみ。」
もう逃げる所か、リノンをロックオンしている。
「きゃぁ!!!もう私食べられるのね>< うわ~~ん。」
「守ってやるから安心しろ。」
暴走ベアーが涎を垂らしながら近づいてくる。
まぁ、最初っから逃げるつもりは無いし、軽く片付けるとするか。




