夜明けの時間
世界が終わるその瞬間
あなたは隣にいたい人はいますか?
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夢を見た。
泣いている女の子と慌てふためき慰める男の子
世界の終わりをただただ待つことより
二人で一緒に歩くことを望んだ
だから二人は手をつないで歩いていたはず
「夢はおしまい、だから先に行っていいんだよ」
その一言を女の子は発した。
「僕はこの手を離したくない。だって生きる意味がそこにあるから」
「でもね、私はもう限界なの。この世界の終わりとともに私も終わる
あなたを悲しませることだけはしたくないから、ここでバイバイ」
そう言って女の子は手を離した
「待って、また会える…よね?」
「うん、この世界が終らずに明日を迎えることができたら
今度はあなたと一緒にずっとずっと歩いて行きたいな」
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「ふぅ、今日はこのくらいにしようかな」
仕事の合間には必ず煙草を吸ってしまう。
いつからかそんな大人になってしまった
別に売れっ子の作家でもなければなんでもない
少しの連載でお金をいただいて生活しているだけ
「いつまでもこのままじゃだめ。なんだよな」
男は煙草の火を消し再びPCへと向き直す
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「泣いてても始まらない。だから行くね、残りの24時間で君を助けるために」
男の子は歩き出した。
今まで手を取り合った女の子を失い涙をぐっと堪えながら
時間というのはあまりにも残酷で
そして有限なものである。
1歩進むごとに時間は容赦なく進んでいく
それでも
男の子は歩くことをやめることはない。
(疲れたら休んでいいよ。私はあなたと一緒だったことが幸せだから)
そんな声が聞こえた気がした。
でも、それでも
「僕は今も一緒にいたい、そう思ってるんだ」
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「あぁ、だめだ。ネタが出てこない。」
男は頭をぐしゃぐしゃとかきむしって席を立った
気が付けばもう朝日が昇っていた