行き当たりばったり
深夜の梅田はいい。私を穏やかにさせてくれる。
家を飛び出してきて、あてもなく梅田に来た。この先の展望は全く見えない。でも私は大丈夫。音楽の事を考えてれば幸せだから。
でも何日もこんな事は現実問題してられない。このままじゃ浮浪者だ。うーん。よし。
「とりあえず家借りよう。」
幸い、私は少しお金を持っている。学生時代は俗な遊びには興味が惹かれず、お金を使わなかった。その分の貯蓄はある。
その日は梅田のマクドナルドで一夜を過ごし、次の日早速物件を探しに行った。
「こういうのってどうすればいいのか分かんないなー。◯ーモとかが良いのかな?」
こうして手探りで物件を探していて、とある事実に気がついた。気がついてしまった。
都心には絶対住めない。
お金があるといっても雀の涙程度。梅田近辺の家賃は到底払えるものではなかった。
まずいなぁ。このままだと音楽がどうとか言ってらんないよ。
、、、都心は諦めよう。
こうして私は郊外にある1Kのアパートを借りた。
ここが私の夢の出発地点なんだ!早速ルームメイキングを始めると、気が付けば夜だった。
ここは狭い部屋だけど、風呂が付いていてシャワーと別れているタイプの風呂だ。これはかなりの決め手だった。
風呂に入ると私は無意識に歌い出した。実家に住んでる時は毎日風呂で歌を練習したのだ。
新居での一番風呂を終えてしばらくすると、チャイムが鳴った。なんだ?
「歌声がうるさいんですけど?もう夜ですよ!」
「す、すいません、、、。」
入居一日目。早速1件目の苦情。
行き当たりばったりだ。




