くたばれクソ価値観
深夜一時、今宵も音楽に夢をみる。
気がつけばイヤホンを耳に、音楽を聴く。趣味は音楽。朝昼晩音楽。風呂場はもはやカラオケ。
そんな感じの私。今日も生き抜いてます。
私は音島楽羅。18歳。先月高校を卒業した。大学には行ってない。行く意味が見つかんなかったよ。何故かって?
「音楽に夢を見たから。」
平凡と形容されるような学校生活を送ってた。特に部活とかやってなかったし、やろうとも思わなかった。ただ、平凡な私は平凡が嫌だった。でも非凡になる方法も分かんなかった。
毎日が億劫で特に生きる意味ってのを持ってなかった。まわりの友達が「彼氏出来た!」「昨日めっちゃヤッたわ〜」って喋ってても淡い青春の匂いはしなかった。つか青春って何だよ。春は青ってよりピンクだろイメージ。
その日は急にやってきた。私が阪急百貨店前の橋を力無く歩いているとギターを掻き鳴らす音が聞こえた。もっと近づくと歌ってる声も聞こえた。
「路上ライブか。」そう思ってたら無意識でそっちへと向かっていた。歌っていたのはニ〜三十代の男の人だった。
RADWIMPSの「大丈夫」を歌ってた。
汗だくで、観客は数人、それでもなお、全力で。
その姿を見た瞬間、私の視界が雲を払ったように鮮明になった。今までの私の視界はこんなにも澱んでいたのかと驚くほどに。何故、こんなに心に響いたかは分からない。ただ、この男の人の、音で人生を変えるという気持ちが鋭く私に突き刺さったのだけは分かる。
その次の日から私はギターを始めた。あの路上ライブを見て私は、私を唯一変えられるのは音楽だけだと確信した。
ただ、そんな簡単にはいかないのがこの世界。
ギターむずすぎだろしばくぞ。Fコードって何指痛ぇ。そーいえば私別に歌もそんな上手くなかったわ。
でも音楽をやめる気にはさらさらならなかった。私にはこれしかなかったから。そしてたっくさん練習して人並み(音楽やってる人ぽい)になった時。進路を決める時が来た。
「私、音楽やるし大学行かない。」
迷いなく親に言っていた。言ってやったんだ。
「ふざけるな!」
、、、え?
「そんな叶いもしないことやろうとするな!」
めっちゃくちゃに否定された。なんで?親なんだから子供の夢は応援しろよ。
その瞬間私の中の何かがプツンと切れた。まるで使い古したギターの弦のように。
優しかった。大好きだった。そんな親だったのに、私の唯一、全てだったものを否定された瞬間嫌悪の目でしか見れなくなった。それくらい音楽に陶酔していた。
「大嫌いだ。私を否定するもの全て。」
高校を卒業した日、私はギターを担いで家を飛び出した。




