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第2話「知恵を形に」

赤字に喘ぐギフト局で、社員たちは知恵を絞り、未来のサービスを生み出そうとしていた。

光希は樋口先輩の話を聞きながら、自分のアイデアを届ける勇気を少しずつ胸に抱く。

小さな企画でも、人の協力と評価があれば、形になり得る──そんな希望の始まり。

橘はスマートフォンを置き、ふと樋口を見た。

「先輩、GIFT立ち上げの頃ってどんな感じだったんですか?」


樋口は微笑み、少し遠くを見るように語り始めた。

「赤字だったギフト事業をどう黒字化するか、会社全体が本当に切羽詰まっていた時期だったのよ……」


橘は、思わず身を乗り出す。

「赤字だったんですか……」


「ええ、銀行や保険事業の利益で補うしかなくてね。だから皆で議論を重ね、何ができるかを必死で考えていたの」


樋口は、当時の会議の緊張感を思い出すように続ける。

「長瀬課長が最初に言ったの。

『このままだと銀行や保険に頼りっぱなし。何かチャレンジして利益を生み出さなきゃ』ってね」


橘は、頷きながら聞く。

「なるほど……皆で黒字化のために知恵を出し合ったんですね」


樋口は少し目を細め、会議室の空気まで思い出すかのように語る。

「課長の言葉で、会議室が一気に緊張感に包まれたの。みんな必死でアイデアを出し合って、議論が白熱したわ」


「どんなアイデアが出たんですか?」


「色々あったけど、やっぱり基本は『どうすればお客様が喜んでくれるか』ってところに立ち返ったのよ。ここで出た議論が、後のGIFTの方向性につながったの」


橘は少し照れくさそうに、でも勇気を振り絞って口を開いた。

「実は…考えてる企画あるんですけど、自信がなくて……」


樋口は、にこりと笑う。

「私でよかったら聞くよ! アドバイスとか出来るかはわからないけど」


「え? いいんですか?」


「もちろん! 私でよければだけどね(笑)」


「いや、先輩がいいんです! 樋口先輩が!」


樋口は軽く頷き、橘の顔をまっすぐ見つめる。

「橘ちゃん」


橘は少し手を握りしめ、息を整える。

「私の考えてる企画なんですけど……」


「うん」


「無料のスタンプラリーを全国のギフト局に設置したくて。でも、台帳は有料にして、遠方の方もネットで購入できるシールを用意します。

こうすれば、コレクター心をくすぐって、利益にもつなげられるんじゃないかなと……

さらに、GIFTと連携したスタンプラリーアプリも考えていて。

そしたら、台帳がなくても無料で遊べるし、広告を入れれば少額でも収益は見込めるのではないかと」


樋口は、目を輝かせる。

「わぁ! それめちゃくちゃいいじゃん!」


「本当ですか?」


「うん! 私以外の人が聞いても、きっといいって言うと思うよ」


橘は、胸がいっぱいになった。

「先輩に褒めてもらえて嬉しい!」


樋口は、微笑んで答える。

「橘ちゃんのアイデア、きっと形にできると思うよ」

貴重な時間を割いて読んでいただき、ありがとうございました!

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