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アバターシノビブレイカー_対電忍【小説家になろう版】  作者: 桜崎あかり
第31話『ARパルクールの進化系』

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第31話その3

『次のニュースです。ARパルクールが来年の世界競技大会に採用され、注目を浴びています』


 民放の男性ニュースキャスターが告げた、このニュースは別の意味でも衝撃を持って迎えられている。


 情報自体は、これより数時間前、午前12時辺りには伝わっていたらしいのだが、情報ソースを巡って錯綜する展開に。


 結局、草加市で行われたARパルクールの予備予選の光景が映し出され、そこでのインタビューなどから事実と判明したのだが。


【まさか、あのニュースが本当だったとは】


【ソース的にフェイクニュースと思った】


【これも忍者構文の仕業か?】


【そこまで忍者の仕業だとは思わない。もしかすると、別の炎上勢力が生まれている証拠かも】


【別? 転売ヤーはそれこそ一部を除いて一掃されたのでは?】


 SNS上では、様々なつぶやきが存在しているようだが……。


 その中でも、今回の件も忍者構文の仕業にしているつぶやきも散見された。

 

 忍者自体、炎上の脅威となりそうな存在に対して動くので、ARパルクールの世界競技大会の種目追加に関しては、問題視してないとも取れるだろう。


 しかし、忍者構文はSNS炎上の可能性になりそうな事件にはすべて介入する……と言うシナリオにしたい勢力もいるらしいことが分かるニュースかもしれない。


 世界情勢自体、ブラックバッカラ事件を皮切りに一切伝わらないような状況になっているので、そういう可能性も捨てきれないが。



「やはり、そういう流れになっていたか」


 ガーディアン新宿支部で様子を見ていた支部長は、一連のニュースをチェックした後に夜勤を他の人物に任せる。


 ガーディアンは24時間営業のコンビニなどと違い、営業時間は支部ごと設定になっていた。24時間営業方式で出撃対応しているのは、さりげなくだがハロウィン騒動が騒がれている渋谷支部、諸事情で24時間にせざるを得ない神奈川、千葉エリアの支部だけである。


 埼玉エリアは午後6時終了、草加支部と春日部支部は午後4時終了、関東エリアは渋谷以外は午後10時、秋葉原は深夜0時……と言う具合だ。


 足立支部はイレギュラーなので24時間営業でも違和感はないが……。


「支部長はどちらに?」


 支部長が今回は早上がりにするという発言を聞き、メンバーの方も困惑はするが……今日はあの日か、と納得はした様子。


「やることがある。今回は早上がりにさせてもらう」


「そういう事でしたら、我々にお任せください」


「あまり派手にやりすぎるな。24時間動く支部は東京では渋谷だけだ」


「分かっております」


 支部長とメンバーの1人の話は続き、しばらくすると支部長は支部を後にした。


 支部を無人にするのは別の意味でも情報を盗まれる恐れがあるので、それだけはやってはいけないと秋葉原の本部長からも釘を刺されている。


 そういった事情もあり、ガーディアンには数人だけでも人員は残すことを必須としていた。


 閉店時間が早い場所でも深夜帯のサーバー管理や警備と言った人員を募集している支部だってある。つまり、そういう事なのである。


「ARパルクールの件は、草加支部か春日部支部が動くだろう。実際、あの支部にはプレイヤーがいることも大きい」


「そういうものでしょうか」


 話の最後に支部長はふとつぶやき、それにメンバーは軽く突っ込みを入れる。


 残った支部のメンバーも各自の作業に戻ることになった。1階に置いてある物を踏まえると、メンテナンス的な意味でも無人に出来ない理由はあるのだが……。



 午後6時、新宿支部長は電車で向かっていたのは秋葉原のゲームセンターだった。


 入り口にクレーンゲームが置いてあるが、大雨でさび付いたりしないように対策済ではある。


 景品はぬいぐるみのようなものではなく、Web小説作品からアニメ化した登場人物のフィギュアであることが多い。


 濡れる可能性があるものは店内のクレーンゲームの景品になっているが、こちらも濡れたら……と言う懸念はあるだろうか?


 実際には、フィギュアと言っても3D映像的なものが表示される仕組みのデジタルフィギュアなのである。


 乾電池は不要で、表示するためには専用ガジェットが必要になるのだが……。


 本日は雨が降っていないこともあって、そのまま稼働はしているようである。


 人気作品という事もあり、支部長が店内に入ってしばらくした辺りにはギャラリーが集まっていた。



 店内もARゲームとVRゲームは取り扱っておらず、リズムゲームや対戦格闘、平成の時代に流行ったと思われるビデオゲームが置かれていた。


 混雑をしないように色々と筐体の設置場所には工夫をしており、そういう事なのだろう……と思わせる店内構造をしている。


 新宿支部長もガーディアンである前にゲーマーなのだ。他の支部長の副業は知らないが、公務員の類ではないのは確かだろう。


 気になるゲームに関しては、秋葉原の方が早く設置されるような傾向なので、週に一度は早上がりで様子を見ているのだが……。


(なるほど。最近は、こういう傾向なのか……)


 彼が入店した理由はゲームをプレイするわけではない。あくまでもどのようなゲームが流行っているのかを探るためだった。


 新宿支部は、2階までがゲーセンとして運用されており、ガーディアンの本部としては3階からと言う構造をしている。


 他の支部もすべてをガーディアンの支部として運用しているわけではない。


 あまりにも支部単位でも建物が広いこともあって、こういう使い方をせざるを得ないのだ。家賃などに関してはお察し願いたい。


 電気代はガーディアンで使用している太陽光発電などで、実質0円に近い、とだけ言及しておこう。


 それでも副業の資金などでガーディアンが運営できているのは、すごい事だといえる。



 そこに今回のコンテンツとしてのアバターシノビを投入しようというのだ。炎上勢力等を一掃し、キャラクター使用料などで儲けられるので一石二鳥……かもしれない。


 使用料と言っても『やめよう、SNS炎上』や『裏バイト、発見したら始めずに警察へ通報を』などのようなポスターで使われる写真が多い。


 関東限定ではなく、こうしたガーディアンの啓発ポスターなどの部類は日本全国に出回る為、キャラクター使用料は馬鹿にはできない量が入るといってもいいだろう。


 過去には既存の版権作品の書下ろしポスターなどを使ったケースが多く、それこそ都道府県単位で行われていることをガーディアンもやっていたのだ。


 そうした使用料を支払っていた部分、それをガーディアン独自で生み出したキャラクターに変更したら……そういう事になるだろう。


(さすがに、このクレーンゲームのフィギュアみたいにアバターシノビのフィギュアを置くのは……)


 それでもクレーンゲームの前で置かれたフィギュアを見つめる支部長は、別の意味でもアレにしか見えない、のかもしれないが。


 実際、100円を投入し、一発ではないにしても……何とか目の前にあった美少女フィギュアは確保した。


 フィギュアはどうするか悩むが、メンバーで知っている人もいる作品ではあることもあり、中古グッズなどを売っているお店に立ち寄ることなく、支部長は自宅へ向かう事に。


 この時、時計は午後6時30分になろうとしていた。丁度、渋谷支部が特別警戒で渋谷をパトロールしている頃だろう。



 ガーディアン渋谷支部のメンバーがパトロールを行っている中、とあるビルで一つのパソコンが発見された。


 このパソコンはそこまで古いものではなく、更に言えば廃墟のビルに放置された粗大ごみ、と言うわけでもない。


 明らかにこのビルで意図的に隠していたことが明らかである。


「これは……支部長に報告を!」


 メンバーがパソコンの電源が切られていないのを確認し、表示されている画面を見て即答した。


 その内容は一般人から見るとフィクションの文章にも見えなくもないのだが……明らかに内容は怪文書とは違った、あるものだったのである。


(遂に……オリジナルを発見した。これを解析すれば、あの計画も……)


 渋谷支部としては新宿支部のアバターシノビを使用した作戦に関して疑問を持つものも散見され、その理由がブラックバッカラ事件のようなAIの暴走だった。


 ここ最近では、AIを題材としたフィクションが現実になるのでは……というSNSのつぶやきまとめが流れてきたりもしている。


 それを踏まえると、このタイミングでこれを発見したのは非常に大きいかもしれなかった。


「これが、他の事件でも言及された……」


 これから数分後、渋谷支部がパソコンを回収、その中身からこのビルで行われていた事も明らかになる。


 そして、ビルの管理人がまとめサイトの管理人であることも判明し、一斉に拘束される流れとなったのは言うまでもない。


 ARチャフグレネードのようなものを使われる前に決着したのは大きいが。



「……分かった」


 渋谷支部長は回収したパソコンに、あるプログラムがあった報告を受ける。


 その感想としては『よくやった』や『新宿支部を出し抜ける』のようなものではない。


 ある意味でも『このタイミングで出るべきではないもの』が出てきてしまったのだ。


(打ち切りが宣告された漫画やアニメのような展開が、ここで来るとは)


 タイムリミットが迫る中、発見されたソレは……彼が懸念していた、出てきてはいけないものだったのである。


 9月30日と言うファイナルデーまで、残り……一か月。 



『次回、アバターシノビブレイカー、対電忍……魔女と呼ばれたAI』


 声は新宿支部長、シノビ仮面の声である。


 ある意味でもメタ演出にメタを重ねたような……構造だった。


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