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アバターシノビブレイカー_対電忍【小説家になろう版】  作者: 桜崎あかり
第26話『忍者の拡散と新たな刺客』

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第26話その2

 時間軸を、少し前……秋葉原の忍者騒動が起きている時間まで戻す。


「電車が遅れてしまいまして……」


 男性社員がイベント会社の事務室に入ると、社員はほとんどいなかった。


 机は数十はあるのに、出勤しているメンバーが皆無なのである。


 今日は出勤日のような気もしたのだが、どういう事だろうか?


 出勤日と言っても、この会社は平日5日出勤ではなく、出社できる日に出社可能という形式ではあるのだが。


「電車が遅れていることは、こちらにも伝わっている。それを踏まえて、今回はテレワークでもよいという話だ」


 別のスーツ姿の男性社員が、遅れてきた社員に声をかけた。彼の方は遅刻はしておらず、微妙に電車が遅れた程度で済んでいる。


 むしろ、秋葉原の一件で大幅に遅れてやってきた彼のようなケースがレアなのだろう。


「ところで、秋葉原で電車の運転見合わせって、どうなっているのですか?」


「よくはわからない。自分はそこを経由していないから、数分程度の遅れで済んだのかもしれないが」


「秋葉原というか、東京駅も全滅ですよね……今のタイミングだと」


「そうだろうな。地下鉄も混んでいることを踏まえると、ある意味でも地獄の光景を見ることになる」


 2人は他の社員が来るのを待ちつつ、テレビのニュースを見ていた。丁度、運転見合わせのニュースをやっている所である。


 規模に関しては秋葉原を起点に、上野、東京駅、浜松町、品川辺りが致命傷を受けた形だ。遅れの幅は20分から30分といった具合か。


 原因に関しても不明という事に加え、すぐに復旧できるトラブルではないことが言及されている。


「どういう事なんでしょうか。原因不明の電車の運転見合わせって」


「新宿駅でも過去にトラブルがあっただろう? そちらと類似しているのでは、と上層部は言っていた」


「これが影響して、イベント関係も遅延が発生しますよね」


「平日開催系は、そうなるだろう。これが祝日ではなかった……のを祈るしかないか」


 テレビのニュースを見つつ、作業を行う2人なのだが、特に大きく進めるような作業はない。


 大体がテレワーク組であることが多いので、担当部署から臨時連絡でもない限りは作業がないのである。


 仕方がないので、男性社員はインターネットで情報収集を行う。


(これは、まさか?)


 彼が発見したニュース記事を踏まえ、上層部へ電話連絡を行う事にした。


 電話と言っても会社内専用のスマホであり、いわゆる有線電話は存在しない……という異例のイベント会社でもあったのだが。


「こういった企画があるらしいのですが」


『こちらでも確認した。確かにダンジョン配信という意味で大きな転換点になるだろう』


「向かわせるにしても、人員が足りません。テレワーク組を向かわせるという手段もありますが……」


『彼がいるではないのか?』


「彼……そういう事ですか」


 こうした流れで、ダンジョン配信可能なARダンジョンへスタンバンカーを向かわせるという流れとなった。



 西新井近辺、時計は午前12時になろうとしている。


「まもなく会場をオープンします。その際、電子整理券の順番どおりではなく、抽選を行ったうえで入場を行ってください」


 入り口から男性スタッフが現れ、注意事項の説明を行う。どうやら、整理券が必要だったらしい。


 入り口付近に陣取った客がいなかったのは、こういう事だった。


 整理券発行の機械は入り口付近にあり、そこに行列ができていたようだ。


 行列と言っても、今は数人が並んでいるのだが……2時間前ほどには、かなりの人間が並んでいたという。


 電子整理券はARガジェット経由で発行されるので、ガジェット未所持の場合は近くのARガジェットショップへ足を運ぶ必要性がある。


 それに、転売ヤー対策などで整理券の番号順ではなく、抽選を行ったうえ、当選した番号の人物から案内される。


「電子整理券が発行されていないと、入場はできません。電子整理券を入場のチケットと交換する方式を取っております」


 やはりというか、転売ヤー対策である。そこまで関連グッズがあるのか……と言われると疑問だが。


(電子整理券は……ないか)


 ARガジェットを持参していなかったスタンバンカーは、このまま引き上げようかとも考える。


 しかし、西新井近辺ではARガジェットを売っているアンテナショップなどもあったはずだろう。


 やはり情報を何も得ないで帰るのでは、話が変わってしまうので……彼はアンテナショップへと向かう事になった。


(番号は……まだ先か)


 入り口付近に当選番号表示がされ、その番号の電子整理券を持っている人から入場を始めていく。


 番号をチェックし、まだ先と考えた祈羽(おりはね)フウマも、また別の場所で時間をつぶすことになった。


 番号は50人分は表示されており、キャパシティとしてはその辺りなのかもしれない。


 広さの割に50人なのか……とフウマは思うが、リアルのダンジョンとバーチャルのダンジョンでは事情が異なる。


 バーチャルの方も、サーバーのキャパシティがあり、その限界よりも少し下にキャパシティが設定されていることが多い。


 つまり、そういう事である。



 一方で、今回のARダンジョンは別の意味でも衝撃的な内容であった。


 実際のことを言うと、ダンジョン配信ガイドラインが新規設定され、それに従わないようなダンジョンは運営を認めないというもの。


 リアルダンジョンで迷惑系配信者などによる炎上案件を踏まえ、早期にダンジョンのガイドラインを設定する事を望む声はあった。


 しかし、ダンジョン配信ガイドラインは、ある意味でも配信者側に有利なガイドラインであり、別の意味でもダンジョン配信に独自ガイドラインを設定していたARダンジョンサイドにとっては不利と言ってもいい。


 ネタバレが関係するようなミステリー要素のあるイベントは対象外としているが、それでも一般的なARダンジョンもオケアノス側のガイドラインを……と言うのもあるだろう。


 ガイドラインはリアルダンジョン限定で、バーチャルダンジョンも対象外としていた。


「これも気になる所ではあるが……」


 ARガジェット検索をしている中、スタンバンカーは若干気になるネット記事を発見し、それを閲覧していたのだが……。


 その内容は別の意味でも衝撃を受けるような内容も多く含まれていた。


 炎上案件になることはないと思うが、これをきっかけにダンジョン配信が大きく動くだろう、というのは確信している。


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