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アバターシノビブレイカー_対電忍【小説家になろう版】  作者: 桜崎あかり
第24話『ダンジョン配信、再び動く』

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第24話その3

 そのほかのダンジョンは、この動向をどう見たのか?


 リアルダンジョンでは大型ロボット自体投入は不能なので、それ以外で見せるという選択肢を選び、ARダンジョンでもスペースが確保できそうにない場所では投入できずにいる。


 しかし、安易に便乗してもプレイヤーが集まるとは思えないだろう。結局は同じことなのである。



 今回の流れから翌日のこと、ガーディアン内ではとある物を回収したという情報が流れていた。


 会議は午前10時から始まった。相変わらずのテレワーク形式で、今回は新宿支部のような外部から呼ばれた支部長はいないので、スタジオ内では秋葉原本部長だけだが。


『あの忍者ロボットを鹵獲できた、と?』


『それこそあり得ない。何かの間違いでは?』


『信じられないのはこちらの方だ。まさか、あのコスプレを回収したのは知っていたが……』


『こちらが不在の間に、色々とあったようだな。こちらもこちらで大宮の違法ガジェット案件で忙しかったが』


 今回は一時期不在だった東京支部、大宮支部も姿を見せている。


 その一方で、新規で出来あがったと思われる横浜支部、松戸支部も意見こそ言及していないが、会議を視聴はしていた。


「こちらとしても松原団地で違法なコスプレが出回っている、という事で回収した結果が、まさかのこれという事にも驚きしかない」


 画像として表示されたのは、蒼影(そうえい)に一部カラーリングやパーツの違いがあれど、見たことない人からすれば蒼影と認識されそうなコスプレだった。


 コスプレと言っても、バーチャル空間でも使用可能で、その際はプログラムをインストールすればアバターに装着される仕組みである。


『確かに外見を見れば、見えなくもない』


『あの忍者は名前すら名乗った形跡がない。我々でも謎の忍者としか……』


『忍者構文でも固有名詞を持つ忍者は確認されているが、この忍者のみは謎の忍者、もしくは蒼の忍者としか書かれていない』


『東京でも目撃事例はあったわけですが、これを踏まえれば……偽物だった、もあり得ますね』


 東京支部でも蒼影は目撃はされていた一方、一部のデザイン違いもあってか、もしかすると偽物を誤認識した可能性もゼロではない、と考える。


 実際、ARチャフグレネードを使えばARシステム関係で一時的にデータを誤認識させることができるらしいので、偽のコスプレでも本物と見間違えるのだろう。


 ガーディアンの偽物も、こうしたケースを悪用したケースと言える。


『ガーディアンの公式コスプレグッズを発売中止にすれば……と言う意見も出るかもしれませんが、それはなしでお願いしたい』


『偽ガーディアンはたいていが非公式の未許諾コスプレであることが多い。著作権違反で通報していけば、何となく消滅してくれるだろう』


『だからと言って、自作コスプレイヤーもいる以上、そこへの配慮は必要だろうな』


 この後も会議は続くが、今回に限って言えば新宿支部が姿を見せていなかった。


 不在の理由は諸般の事情としているが、おそらくは例の計画がらみだろう。



 ガーディアンが会議を行っている一方、蒼影のコスプレをベースにまったく違う忍者ロボットを生み出しているガーディアンの支部がいた。


 その支部とは、何と足立支部である。足立支部は複数の秘密基地を持っており、秋葉原本部でも把握できない部分はあるが……。


「数日前の大雨、アレを踏まえると隠し通せるか心配でしたが」


 ツナギ姿の整備班の男性が、足立支部の支部長と思わしきガーディアン一般制服の男性に話しかけた。


 足立支部と言えど、支部長は2名制度ではなく1名である。ここは守っている、というべきか。


「大雨に対するシステムは問題ない。色々なことを踏まえ、アレを実装したからな。おかげで足立区で浸水したエリアはないという話もある」


 足立支部長は、完成しかけている蒼影にも似た忍者ロボを見て、感心をしている。


 地下工場で密かに組み立てていた割には、他のガーディアンに気づかれなかったのはすごいとしか言いようがない。


 さすがに、別件で春日部支部に気づかれたのでは……というのはあるかもしれないが。


「しかし、例の偽コスプレ会社、閉鎖されたそうで。別件も含めての、ですが」


「あの会社がつぶれたとしても、この件にたどり着くようなガーディアンはいまい」


「それでも、アニメ版というものではハンゾウという忍者ロボットが出ているとか」


「ハンゾウか、それはいい。この忍者ロボには相応の名前を付ける必要があったが、ハンゾウか。服部半蔵を由来とした、ハンゾウか」


「支部長と言えど、それは明らかなフラグになってしまうのでは?」


「あくまでも、これはアニメや小説のようなフィクションの世界ではない。ノンフィクションだ」


 整備班と支部長の話は続くが、その話をしている合間にも起動実験を行おうとしたのだが、起動しないということが報告された。


 これには支部長も驚くしかなかったのだが……。


(どちらにしても、これは急ぐ必要性があるか)


 足立支部長は、起動しなかった件も含めて対策を急ぐ必要性を考える。


 どちらにしても、ハンゾウを起動するタイミングが迫っていたのもあるのだが。


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